マクラーレン、ワンメイクシリーズ「マクラーレン・トロフィー」をアジアでも開催へ。2027年スタートを目指す
マクラーレンのワンメイクシリーズ「マクラーレン・トロフィー・アジア」開催構想が明らかになった。
Artura Trophy Evo
日本のGTシーンに、新たな選択肢が加わるかもしれない。
マクラーレンが、日本を起点としたアジア太平洋地域でのカスタマーレーシング強化に乗り出す。3月25日に都内で開かれたプレスカンファレンスで、マクラーレン・オートモーティブ・アジアの日本代表である正本嘉宏がワンメイクレース「マクラーレン・トロフィー・アジア」の開催構想を明らかにした。まずは2027年の始動を目指し、日本での活動を本格化させる方針だ。
なお、今回の構想を主導するのはF1活動を担うマクラーレン・レーシングではなく、市販車事業を担うマクラーレン・オートモーティブ側のモータースポーツ部門だ。その長を務めるジョルジオ・サンナは長年にわたりランボルギーニのモータースポーツ部門”ランボルギーニ・スクアドラ・コルセ”を率いた経験を持つ人物。彼は日本をマクラーレンにとっての最重要市場と位置付け、アジア太平洋展開の起点にしたい考えを示した。
シリーズはアジア全域での開催を想定しつつも、日本で少なくとも数戦を行ないたい意向で、ヨーロッパ、北米で開催されているマクラーレン・トロフィーと同様に全5戦規模となる可能性がある、とサンナ。ただ、開催地や参戦台数などの詳細は今後数ヵ月のうちに発表するとした。使用する予定のクルマはアルトゥーラ トロフィー EVO。公道で使用するアルトゥーラ トロフィーとは一線を画したレース専用モデルだ。
その準備として、マクラーレンは今夏から日本でアルトゥーラ トロフィーを用いたトラックデイを開催予定。新規ドライバーや見込み客に実車テストの機会を提供し、将来的なシリーズ参戦や他選手権への展開につなげたい考えだ。マクラーレン・トロフィーはビギナーやジェントルマンドライバー向けの入門カテゴリーにとどまらず、若手がGT3を目指すためのステップとしても位置付けられる、とサンナは語る。
■スーパーGTに向ける熱視線
正本嘉宏(マクラーレン・オートモーティブ・アジアの日本代表)
さらに、GTワールドチャレンジ・アジアやJapan Cupに加え、スーパーGT GT300クラスへの関心も明言。2027年から導入される新たなGT3規則でBoP環境が国際標準に近づくことに注目しており、今後投入される新GT3カーで2028年からスーパーGTに参入することに強い関心を示した。
日本市場でのブランド強化が、単なる販売戦略に終わらず、国内GTシーンにどんな刺激をもたらすのか。マクラーレンの次の一手は、想像以上に大きな意味を持つかもしれない。
もちろん、日本のワンメイクレース市場にはすでにフェラーリ・チャレンジ、ランボルギーニ・スーパートロフェオ、ポルシェ・カレラカップといった確立されたシリーズが存在しており、後発となるマクラーレンにとっては簡単な戦いにはならない。ブランド力だけでなく、優れた開催フォーマット、十分な台数の確保、そして日本のジェントルマンドライバーや若手にとって参加しやすい魅力的なシリーズを提示できるかが問われることになる。
一方で、新参者だからこそ生み出せる期待もある。既存シリーズとは異なる空気感や育成の導線、GT3やスーパーGTまで見据えたストーリーを明確に打ち出せれば、日本のGTシーンに新たな選択肢をもたらす可能性は十分ある。マクラーレンの次の一手は、単なる販売戦略ではなく、国内モータースポーツ市場への本気度を測る試金石であり、我が国のモータースポーツ界にとって大きな刺激になりそうだ。
アルトゥーラ トロフィー EVO諸元(ヨーロッパ、北米シリーズで使用されているもの)
シャシー:マクラーレン製カーボン軽量シャシー
ボディ:空力性能を向上させたボディパッケージ
エンジン:3リッター120度V6ツイン・ターボ(585馬力)
プッシュ・トゥ・パス技術搭載(62-馬力/300秒使用可)
プラグインハイブリッド・システム無し
ギヤボックス:7速モータースポーツ・ギヤボックス
サスペンション:モータースポーツ・サスペンション
新型アップライト、改良型アンチロールバー等
タイヤ: ピレリ高性能レーシングタイヤ
GT4へのコンバージョン:エンジン、空力パーツ等の変更で可能
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