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アブダビの自律運転レーシングリーグ”A2RL”、2年目のシーズンが始動。1年前と比較して大幅進歩か?

最先端技術を満載した11台の自律運転レーシングマシンが、11月にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットに集結。賞金総額225万ドルと、自律運転技術の覇権をかけて競い合う。

Alex Goy

編集: 2025/10/01 1:28

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A2RL season launch

A2RL season launch

 アブダビ自律運転レーシング・リーグ(A2RL)が、第2シーズンを迎える。マシンの進歩、先進技術の進化、スリル……あらゆる面で初年度から大きく一歩を踏み出し、これまでの実績をさらに発展させることを目指している。

 A2RLは、2024年に立ち上げられた自律運転レースのシリーズである。マシンはEAV-25であり、スーパーフォーミュラの現役マシンSF-23をベースに開発されたもの。しかしドライバーの代わりにセンサーやLiDAR、レーダーなどが搭載され、人間がステアリングを握ることなく、レースを繰り広げることの実現が目指されている。

 2025年のA2RLは、今年初開催となるアブダビ・オートノマス・ウィークの一環として開催される。そのため、コース内外で限界に挑むことになる。ASPIRE(A2RLの主催者であり、UAE政府の先端技術研究評議会の一部)のCEOを務めるステファン・ティンパノ氏は説明する。

「今年は全く異なる状況だ」

 ティンパノCEOは語った。

「チームは1年目よりもずっと長い期間、トレーニングを重ねてきた。昨年参戦した全チームも、その姿勢を改めて示している。そして日本から参戦するTGMグランプリは、既にスーパーフォーミュラのレースチームとして確固たる地位を築いている。だから彼らは、このレースを科学実験ではなく、レースとして捉えているんだ」

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A2RL will return to Yas Marina

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Photo by: A2RL

 今年も数百万ドルという超高額の賞金が懸かっている。そのため各チームは、トレーニングの成果が実を結ぶことを願っているはずだ。

 今年のレースは、2024年のレースと比べていくつかの重要な違いがある。

 まず、マシンに改良が加えられた。EAV-25は、初代マシンを強化し、さらにタフな車両に仕上がっている。EAV-24をベースに、チームからのフィードバックを集約。ハードウェアとソフトウェアの性能を強化して制御を向上させただけでなく、ボディ内部にも改良を施した。これらのアップデートにより、サーキットにおけるマシンの性能と信頼性が高められている。

 動力源は2.0リッターのターボチャージャー付きホンダエンジン。これを、自律運転技術でコントロールする。最高速度は約300km/hに到達する。

 今回各チームは、仮想空間でスキルを磨くことができた。現実世界でのテストを行なうこともできるが、全てのチームがそれに参加できるわけではない。

 ウェブ上でのテストは、誰にとっても安全だ。A2RL SIM-Pprintは、チームが安全な空間でAIを訓練できる、4ステージの仮想競技である。これはチームにとって有益であるだけでなく、現実世界での活用も可能だと、ティンパノCEOは付け加える。

「仮想シミュレータは、モビリティの未来を準備する上で、非常に重要だ」

The EVA-25 can hit 186mph

The EVA-25 can hit 186mph

Photo by: A2RL

 現実世界で生じる可能性のある状況を想定し、それを仮想空間でトレーニングすることで、技術を現実世界に展開する時が来た際に、安全を担保することができる。1年目のシーズンでは、各チームともわずか3ヵ月しか実戦経験を積むことができなかった。しかし仮想空間でのテストでは、はるかに多くのデータを活用できる。

「AIのパイロットとチームに、多くのトレーニングの機会を与えている」

 そうティンパノCEOは言う。

「その成果が、彼らのオペレーションにも反映されることを期待している。新規チームにとっては、A2RLのテスト段階への準備に役立っている。現在は、ヤス・マリーナ・サーキットを走り、基本的なことを学ばせている。昨年は一部のチームは、マシンの基本的な仕組みをほとんど理解していなかった。これはチームのパフォーマンス向上のための準備とコーチングが目的だ。また主催者として、2025年に起こりうる事態に備えて、チームと私たち自身をよりうまく準備するためのものだ」

 2025年のレースでは、昨年以上のパフォーマンスが求められる。昨年は8チームが参戦し、うち4チームで決勝ラウンドが競い合われた。今回は11チームが参加し、うち6チームが最終ラウンドに進ことになる。これは決して小さな変化ではない。コードの改良に時間をかけ、AIがより多くの状況への対応を学習することで、決勝はスリリングな展開となることだろう。

 メインイベントに加え、ティンパノCEOが大きな飛躍を期待しているもうひとつの大きなイベントがある。それが「人間vsAI」の戦いである。

A2RL uses modified Super Formula cars

A2RL uses modified Super Formula cars

Photo by: A2RL

 昨年はA2RLのマシンが、元F1ドライバーのダニール・クビアトに挑んだ。互角の戦いはできなかったが、A2RLのマシンは人間が走らせるマシンと同等のペースで走った。クビアトはAI車両に約10秒の差をつけたが、ティンパノCEOはこの差を縮めることを目指していると語る。

「ダニールと自律運転車が10秒差だったということは、自律運転ビジネスに携わるモノにとっては、本当に驚異的だった」

 ティンパノCEOはそう語った。

「3ヵ月前までは両者の差が数分だったことを考えると、なおさらだ。今年はその差が縮まることを期待している」

 今年のA2RLは、アブダビ・オートノマス・ウィークという一大イベントの、重要な一翼を担っている。このイベントは、アブダビの自律運転分野における能力を際立たせるものだ。ヤス・マリーナを訪れる人たちは、STEMをテーマにした様々なイベントを実際に見て、体験する機会を得ることができる。

 昨年に引き続き開催されるドリフトXは、他レースとは一線を画す、他の用途における自律運転技術にスポットライトを当てる。そしてレースが終わった後も、コースの外では音楽や様々なアクティビティなどが用意されており、週末を満喫することができるだろう。

 モータースポーツは長年、技術を迅速に進歩させ、安全な環境で最先端の技術をテストする手段として活用されてきた。これがA2RLの目標のひとつだ。つまり市販車開発に活用できる実用的な自律運転技術を開発し、アブダビがその最先端を担うことを確実にすることだ。

A2RL season launch

A2RL season launch

Photo by: A2RL

「我々はここで、未来を見据えようとしている」

 そうティンパノCEOは付け加える。

「モータースポーツを通じて、レースを通して自律運転技術の向上を目指している。飛行(A2RLには、先進的なドローンの競技会もある)、水上浮遊、陸上走行など、様々な技術が求められる。また自律運転のAIの分野で、UAEの地位を確立することも目的としている」

 2025年の開催は、複数年にわたる契約の2年目でもある。1年目は時折困難なこともあったが、良いスタートを切ることができた。

「昨年は危険な賭けだった。わずか1年の開発期間で、多くの支援と期待を得ることができた。成功できると証明することが目的だったのだ」

 A2RLには4年計画があり、1年目から多くの変化があった。

「リーグを毎年どのように進化させていくかを見ていく。初年度は、クルマとドローンのソフトローンチのみだったが、今ではドローンが本格的にローンチされた」

「来年には、ドローンとクルマの両方が、チームのパフォーマンスの面で成熟し、コース上と空中でより多くのアクションが見られるようになるだろう」

 2024年、A2RLは素晴らしいスタートを切った。2025年は一体どうなるのだろうか? ダニール・クビアトは、AIマシンにプレッシャーをかけられることに、どれほど不安を感じているだろうか?

 詳しくはa2rl.ioにアクセス。無料のチケットに登録していただきたい。絶対に見逃せないイベントだ。

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