バンパー投げつけ、そして乱闘……昨年のカート選手権で危険行為のコルベリに15年の競技禁止処分
FIAは、2020年のカート世界選手権で危険行為を行なったルカ・コルベリに対し、15年間の競技禁止処分を下した。

2020年10月にイタリアのロナートで行なわれたFIA世界カート選手権では、23歳のイタリア人ドライバー、ルカ・コルベリの危険行為が話題となり、物議を醸した。そのコルベリは先日、FIAから15年の競技禁止処分を言い渡された。
コルベリはKZクラスのワールドファイナルの最中、パオロ・イッポリトと接触してリタイア。その後カートを降りたコルベリは、走行を続ける相手選手を待ち構え、カートのフロントバンパーを投げつけただけでなく、レース後には乱闘を起こしたため、その行為は世界中のモータースポーツコミュニティから非難される格好となった。
この事件を受けてコルベリは正式に謝罪し、今後2度とレースに参加しないことを宣言した。しかしながらFIAはこの件を正式に調査することを明らかにしていた。
そしてFIAの国際法廷は先月パリで聴聞会を開いた後、4月19日(月)にコルベリに対して15年間の競技禁止処分を下すことを発表した。
コルベリの弁護側は、イタリア当局がコルベリのふたつのインシデントに対して既に処分を下しているため、FIAは同じことでさらなる制裁を下すことはできないと主張した。さらに彼らは、コルベリの行為が「他者の不当な行為を受けての怒りに駆られて行なわれた」ことや、クロスカントリースキーでは相手選手に暴行を加えても1大会の出場停止で済んだという事例があることを主張した。
しかしながらFIA国際法廷は、イタリア当局の処分はまだ保留中であり、この件はFIAに独立した管轄権があると判断した。そしてスキーは全く別の競技であることから、比較対象とすることを否定した。
法廷側はコルベリの永久追放も検討したというが、彼らはコルベリがモータースポーツ界に復帰するチャンスを与えるべきだと判断したという。
判決文では「国際法廷は15年の制裁が適切であると判断した。このような制裁は、この事件とそれに関連した暴行の重大性を明らかに反映しているからである」と述べられており、コルベリの行為は「極めて重大であり、彼自身を含めてレースに参加していた全てのドライバーを負傷させる可能性があった」としている。
この制裁により、コルベリは15年間、FIAが主催するモータースポーツイベントに直接的または間接的に参加することができなくなった。またFIAで何らかの役割を担うこともできない。
「この制裁は、国際法廷で科すことのできる制裁の中で最も重いもののひとつだ」
判決文にはそう書かれている。
「他の制裁措置では、具体的な抑止と社会復帰、そのふたつを同等に目指すことはできなかったであろう。そのため、この措置は必然的なものと言える」
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