FIA ガールズ・オン・トラックがシティサーキット東京ベイで開催。サプライズゲスト角田裕毅が少女たちに金言「言い訳を習慣にしないこと」
シティサーキット東京ベイで、FIA ガールズ・オン・トラックが実施。参加した女性たちに対して、現役女性ドライバーによるキャリアトークやフォーミュラEシミュレータ体験などのプログラムが設けられた。
3月29日、東京都江東区にあるシティサーキット東京ベイで、女性がモータースポーツに関する学びを深めるワークショッププログラム『FIA ガールズ・オン・トラック』が実施された。
今年で6年目を迎えるFIA ガールズ・オン・トラックは、モータースポーツ界における女性活躍の場を広げることを目的に、若い女性を対象に企画されるもので、フォーミュラEのシーズン10では東京をはじめ10大会のレースウィークで開催されるものだ。
今回の東京でのプログラムはあいにくの天気となったものの、10代〜20代の女性が30~40名ほど集まり、現役女性ドライバーによるキャリアトークや、フォーミュラEのシミュレータ体験などが行なわれた。
キャリアトークでは、KYOJO CUPなどの国内レースで活躍する翁⻑実希、バートンハナ、織戶茉彩が登場。笠原美香をMCに、レースを始めたきっかけや、困難だったこと、レースの魅力など様々なテーマについて語った。
特に女性ドライバーのモータースポーツ参画の動きはここ10年ほどで一気に加速したということもあり、レースのきっかけも様々だ。実家が経営する沖縄のサーキットで幼い頃からカートを走らせていた生粋のレーサーである翁⻑、父にレーシングドライバーの織戸学を持ちながらも、20歳まで車の運転をしたことがなく、ひょんなことからヤリスカップに参戦することになったという織戸……そしてアメリカと日本にルーツを持つバートンは、25歳からレースを始め、それまではアメリカのHKSで働いていたというから驚きだ。
左から翁長、バートン、織戸
写真: Motorsport.com / Japan
社会人経験を経てレースを始めたバートンは「自分が小さい時、レースは女性がするスポーツだと思わなかったけど、KYOJOやWシリーズ、F1アカデミーを見て、私たちでもできると思った」と話し、近年の女性レースカテゴリーの増加が女性ドライバーの参画に影響を与えていることを感じさせた。
またKYOJO CUPでのチャンピオン経験もある国内トップ女性ドライバーのひとりである翁長はモータースポーツの魅力について「人との繋がりを感じるスポーツ。クルマにはたくさんのパーツがあって、ネジを締める人や、応援してくれる人など、その一人ひとりがいないと私たちはレースをすることすらできない。色んな人たちのおかげで動いていて、走っているというのが感極まりますし、『ありがとう』と思えるスポーツ」だと説明した。
参加者たちは現役ドライバーたちの話に聞き入っていたが、その後スペシャルゲストが登場。F1ドライバーで、翌週の日本GPに向けて来日している角田裕毅がサプライズ登場し、会場は色めき立った。
参加者に対してメッセージを送る角田
写真: Motorsport.com / Japan
先日のオーストラリアGPで7位を獲得するなど上り調子の角田は、現在の調子について「最高です!」とコメント。女性ドライバーのモータースポーツ参画については「今はF1アカデミーが発足したり、F1もかなり力を入れていると思います。かなり注目されていると思いますし、そこから将来女性のF1ドライバーが出てくることはF1にとっても重要ですし、世界が待ち望んでいると思うので、そこで活躍する女性ドライバーを見たいというのが個人的な感情。F1に乗っている女性は見ていて格好いいと思いますし、実現してほしいですね」と話した。
また参加者からの質問に応えるコーナーでは、12歳のレーシングドライバーの卵から「12歳の時にしておくべきことは?」との質問が。これについて角田は「言い訳を習慣にしないこと」だと述べた。
「例えばカートに乗っていて、物のせいにするのは良くないと思います」
「モータースポーツは物を使っているので、エンジンの違いや、メーカーによるパフォーマンスの違いなど、いくらでも言い訳ができます。でも自分の技術を上げることに集中してほしいし、物のせいにする習慣をつけないでほしいです」
「それを言ってもしょうがないし、技術のあるドライバーならエンジンのパフォーマンス差を上回って活躍することができると思います。思っていても言わないことが大事で、どこが他の人と比べて劣っているかを考えて、次のプロセスに繋げることが重要だと思います。それはモータースポーツだけじゃなく、他のスポーツや仕事などにもつながってくると思います」
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