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次期FIA会長候補ベン・スレイエム「世界のモータースポーツ人口を2倍にしたい」

次期FIA会長を決める選挙が、12月17日にパリで行なわれる。この選挙に立候補している次期会長候補のひとりが、モハメド・ベン・スレイエムだ。スレイエムはマニフェストの中で、今後4年で世界のモータースポーツ人口を倍増させたいと語る。

Fernando Alonso and Mohammed ben Sulayem

写真:: E. Vargiolu / DPPI

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 今年の12月に行なわれるFIA(国際自動車連盟)会長選挙。これに立候補することを表明しているモハメド・ベン・スレイエムは、FIA会長となった際にはモータースポーツ部門と自動車部門にそれぞれ担当のCEOを置き、そして世界のモータースポーツの競技人口を2倍にしたいと抱負を語る。

 現職のFIA会長であるジャン・トッドの後任を決めるための選挙が、今年の12月に行なわれる予定だ。現時点ではふたりがこれに立候補するものと見られているが、そのうちのひとりがモハメド・ベン・スレイエムだ。もし彼が当選すれば、初のヨーロッパ外出身のFIA会長が誕生ということになる。

 ベン・スレイエムは、中東のモータースポーツ界では名の知れた存在。中東のラリー選手権でチャンピオンに輝いた経歴を持ち、その後UAE(アラブ首長国連邦)モータースポーツ連盟の会長を務め、2008年からはFIAのモータースポーツ担当副会長となり、WMSC(世界モータースポーツ評議会)に出席するなどしていた。

Mohammed Ben Sulayem.

Mohammed Ben Sulayem.

Photo by: Ralph Hardwick

 しかし、なぜ彼はFIA会長選挙に立候補することを決めたのだろうか?

「モータースポーツは、私に非常に多くのことを与えてくれた。人生のほとんどと言っても過言ではない」

 そうベン・スレイエムは語る。

「ドライバーとして20年あまりを過ごし、中東ラリー選手権では14回の勝利を手にした。その後は、母国でモータースポーツを担当するオーガナイザーを務めた。このスポーツとFIAに、恩返しをする時がやってきたと思う。私は変化を起こして改善し、いくつかのステップに従うだけでなく、進化させていくことに情熱を注いていく」

 ベン・スレイエムは数年前からFIA会長選挙に立候補することを検討してきた。そしてトッドがFIA会長を3期にわたって務め、そして退任することになったことで、ベン・スレイエムにもチャンスが回ってきた。

 彼は最近発表したマニフェストの中で、世界中のモータースポーツの競技人口を増やし、さらにFIAの財務状況を透明化すると主張している。

Mohammed Bin Sulayem with Jean Todt, FIA President.

Mohammed Bin Sulayem with Jean Todt, FIA President.

Photo by: Sutton Images

 そしてFIAを運営していく上での方針は、現職のトッドや、対立候補であるグラハム・ストーカーとは異なる。中でも重要な点は、彼は会長直属のCEOを雇用し、FIAを運営していこうとしているのだ。

 トッド現会長と、その前任のマックス・モズレーの時代には、会長自らFIAを運営し、モータースポーツとモビリティそれぞれに事務局長が置かれていた。これとは異なり、ベン・スレイエムが提案する運営方針では、CEOに非常に強力な権限が与えられ、そしてFIAはより実務的に運営されていくことになるはずだ。

「日々のマネジメントは、会長が行なうべきことではない」

 そうベン・スレイエムは語る。

「私は、細かくマネジメントしたいとは思わない。会長になり、FIAを率いていきたいとは思うが、スポーツとモビリティを結びつけることができるCEOに、日々の指示をしていきたいと思っている」

 そして当選した暁には、彼と彼に任命されるCEOは、世界におけるモータースポーツの競技人口を4年で2倍にすることを目指すという。

 ベン・スレイエム曰く、人口550万人のフィンランドに11000人の競技ライセンス保有者がいるにもかかわらず、より多くの人口を抱える中国やインドにはそれぞれ4000人ずつしか競技ライセンス保有者がいないと指摘。まだまだ成長できる可能性は十分にあると主張する。

 では彼は、どのようにしてそれを実現していこうとしているのだろうか? 彼が例として挙げるのは、FIAが掲げる低コストのラリー向けコンセプトである”クロスカー”の普及である。このクロスカーは、ゴーカートのようにバイク用のエンジンを搭載したオフロードバギーであり、サーキットレースへのひとつの入り口とも言える。

「入門レベルとして、手頃な価格のクルマを用意する必要がある」

 そうベン・スレイエムは語る。

「我々はクロスカーと呼ばれるモノを始めた。それは素晴らしいものであり、そこに未来があると信じている。費用は当初は8000ユーロ(約105万円)程度になるはずだったが、それが2万5000ユーロ(約330万円)にまで跳ね上がってしまった。インドと中国を見れば、彼らにはエンジンがある。だから、それ(クロスカー)を押し付ける必要があるのだろうか? 我々は青写真を描き、安全に関するレギュレーションを監督し、彼ら自身が地方選手権や地域選手権に参加できるようにすればいいのではないか? 4年で競技参加者を倍にするという目標は、達成可能だろう」

「F1やWRCは、良好な状態で非常に健康的だとも言える。しかし、世界はそれ以上のモノと必要としている。つまり、地域や地方レベルのことだ。ローカルな参加者、ローカルなイベント、そして地域のイベントが必要なのだ。それは、手頃な方法を生み出すことができた場合にのみ、実現できる可能性がある」

 ベン・スレイエムは、ただモータースポーツへの参加者数を倍にするだけでなく、各地域のモータースポーツの軸を強化することにより、FIAの財政面により透明性を持たせたいと考えている。

「FIAの財務(的側面)は健全ではない。FIAをもっとポジティブな形のビジネスに戻すために、財務とその証明を見たいと思っているのだ」

 そうベン・スレイエムは語る。

「世界に本当の意味で受け入れられたいのなら、透明性と説明責任は実に重要だ。例えば、我々が何かを調べたいと思った時、FIAの支出報告書を手にするのは非常に難しかった。だから我々が関係を築いているIOC(世界オリンピック委員会)のような、世界の主要な団体を見習うべきだと私は信じている。全ての支出報告が、彼らのWEBサイトにリスト化されているんだからね」

 彼が当選した場合、副会長の候補にはコ・ドライバーとしてWRC王者に輝いたロバート・リードや、バーニー・エクレストンの妻であるファビアナらの名前が含まれている。

Bernie Ecclestone talks with Mohammed Bin Sulayem.

Bernie Ecclestone talks with Mohammed Bin Sulayem.

Photo by: Sutton Images

 FIAの新会長を決める選挙は、12月17日にパリで行なわれる。環境への配慮、多様性の問題など、モータースポーツが直面する全ての課題に対処するという意味でも、今後4年間の方向性を決める上で、重要な選挙となる。

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