トヨタのGRシリーズ始動。"永続的なモータースポーツ活動"を目指す
トヨタ自動車は東京・お台場で市販車の新スポーツカーシリーズとして「GR」を投入することを発表した。






9月19日(火)、トヨタ自動車は東京・お台場で市販車の新スポーツカーシリーズとして「GR」を投入することを発表した。
「GR」シリーズはトヨタのスポーツコンバージョン車シリーズ「G Sports」を一新したもの。WRC(世界ラリー選手権)やニュルブルクリンク24時間レースなどのモータースポーツ活動で培った知見やノウハウを市販車に注ぎ込んだ新しいスポーツカーシリーズだ。
11年前、当時社員だったトヨタ自動車の豊田章男社長が社内の有志でニュルブルクリンク24時間レースに挑戦したのがGAZOO Racingの始まりであった。その積年の思いで今年GAZOO Racing Companyが誕生した。
「永続的なモータースポーツ活動」というミッションを掲げるGAZOO Racing Companyは、モータースポーツ活動の目的を良いクルマ作りの基盤であると明確化。単なるマニファクチャラーではなくレーシングカンパニーとして実戦の場で市販車を開発、そして販売店を通して多くのファンと接点を築いていき、そこで得られた事業収入でモータースポーツ活動を行うというサイクル経営を目指している。経営不振に左右されない確固たるモータースポーツ活動で、ファンやドライバーの期待に添いたいと今回のレセプションを担当したGAZOO Racing Companyの社長である友山茂樹は語った。
さらに"IGNITE"というキーワードを掲げる「GR」は、人々の心底にあるスポーツカー魂に"火をつける"というメッセージを持つ。IT化や自動化の進む業界の流れの中でも、人々が操縦してみたいと思う魅力のあるクルマ作りをしたいと願う友山は次のように語った。
「GRシリーズは完成車に後から手を加えるのではなくて、生産工程の中にGR専用のチューニングを組み込み、生産ラインから車体内部の構成を作り出す、いわゆるファクトリーチューニングを施しました。高品質で低価格のスポーツカーを提供したいという我々の思いを実現しています」
「まずは標準車のコンプリートカーから始まり、次の段階ではスポーツカー専用のプラットフォームを手にいれる。最終的には世界に通用するピュアスポーツカーを世に出していきたいです」
特に最上級グレードであるGRMNはエンジン内部にもチューニングを施したコンプリートカーブランドであり、数量限定で扱われる。欧州でのWRC活動の甲斐もあってヤリス(ヴィッツ)の販売台数が伸び調子であり、販売予定の400台はすでに予約が埋まっている状態だという。
その下のグレードであるGRはGRMNのエッセンスを取り入れた量販スポーツモデルであり、そのヴィッツ(VITZ)は全日本ラリー選手権で最適化したCVTマッピングが施されたスポーツ仕様だ。またプリウスやヴィッツ、アクアには「GR」の新たな顔として『ファンクショナルマトリックスグリル』が採用されている。
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