BMCエアフィルター、ガエタノ・ベルガミ社長に聞く
先月開催された大阪オートメッセ2024に、海外からのメーカーとして初めて出展したBMCエアフィルター社。同社のガエタノ・ベルガミ(Gaetano Bergami)社長に、同メッセへの出展とそれにまつわる話を聞いた。
ーーBMCエアフィルター社の生い立ちを教えてください。
ベルガミ社長「私は1972年、21歳の時に初めて日本に行き、日本製バイクのスペアパーツの輸入を始め、3年後の76年に現在の会社BMCを設立しました。BMCはまもなく設立50年を迎えます。現在はエンジン用エアフィルターのマーケットで世界のリーダーとして存在感を高めています」
ーーBMCという社名はどこから来ていますか?
ベルガミ社長「ベルガミ・モータース・カンパニー(Bergami Motors Company)の頭文字です。私のモータースポーツへの情熱がTT1クラス1000(現在のスーパーバイク)に参戦するバイクを誕生させ、いくつかの成功を挙げています。1979年、そのバイクがスズキによってル・マン24時間レースに参戦しています」
ーーでは、BMCエアフィルターのスタートはいつでしたか?
ベルガミ社長「1995年にフェラーリF1チームからF1グランプリに参戦するマシン用のエアフィルター製作を依頼されました。製作期間はたった15日。バイクでの経験を生かし、3人の友人と一緒にエアフィルターのプロトタイプを製造し、約束通り期日内にフェラーリに納品しました。以来、モータースポーツの世界で存在感を高め、フェラーリを初め多くのF1チームやWECのチーム、ラリー、MotoGP、スーパーバイクなどにエアフィルターを提供しています」
ーーエアフィルター会社は多くありますが。BMCエアフィルターは中でもトップクラスの製品を開発、世界一の信頼を得ていますね。
ベルガミ社長「もちろんです! F1グランプリから生まれた製品で、F1グランプリで育ってきました。1999年以降、アウディ、BMW、メルセデス、ポルシェ、ランボルギーニといったトップメーカーにエアフィルターを納めています」
ーーBMWエアフィルターは順調に成長してきましたが、この先さらに成長するためにはどのようなステップを考えていますか?
ベルガミ社長「2019年にメディチーナに4ヘクタールの完全オートメーションの工場を設立しました。現在は、濾過装置を中心にした工場の開設です。また。近代的なコンポジット装置を備えた工場があるおかげでエアフィルター以外の製品の開発も可能にしています。この先数年のうちにロジスティクス部門を開設する予定で、そうなれば生産能力は飛躍的に向上するはずです」
ーーしかし、世の中はEV(電気自動車)へ舵を切り始めています。地球上を走るクルマの大半がEVになるとエアフィルターは不要になってしまいます。
ベルガミ社長「EVへの移行も我々には大きな問題ではありません。というのは、将来のクルマがすべてEVになるわけではなく、水素によって動くクルマもかなりのシェアを占めるでしょう。それ以上にガソリン動力の高性能車やスポーツカーは地球上の多くの国で元気に走っています。この先、水素動力車や持続可能な動力といった吸熱性の高いエンジンのおかげでクルマ排気ガスはさらに綺麗になるはずです」
BMCエアフィルター、ガエタノ・ベルガミ社長と、トムスの舘信秀ファウンダー
Photo by: Motorsport.com / Japan
ーー今回、日本で開かれた大阪オートメッセ2024にブースを開設し、日本のマーケットに力を入れていく姿勢が見られました。
ベルガミ社長「日本はBMCが誕生した国とも言えますし、1973年以来何度も訪れています。故に、今回の大阪オートメッセへの出展はその証です。日本は自動車生産国として世界に冠たるポジションを確立していますし、モータースポーツに関してもその質やレベルではユニークなポジションを堅持しています。現在まで我々はスーパーGT300でスバルと、MotoGPとスーパーバイクでヤマハと20年以上にわたって仕事をしています。もちろんこの2社以外でも、多くの会社とパートナーシップを結んでいます」
ーー日本にはオートバックスやイエローハットというアフターパーツの大型量販店があります。
ベルガミ社長「アジアは上海(中国)とバンガロール(インド)に事務所を設けていますが、この先は日本を拠点としてアジア・ビジネスを広げていくことも考えなくてはと思っています。日本の自動車メーカーもすべてをEVにするわけではないはずで、そうしたメーカーのOEとして我が社のフィルターを採用してもらうように働きかけたい。彼らは我が社の製品の高品質と高性能を理解してくれるはずです」
ーーBMCは1996年の赤いフィルターに始まって、モータースポーツの世界で開発を続けてきており、レースの世界では知名度が高い。
ベルガミ社長「我々はレースで育てられたといっても過言ではありません。F1チームからMotoGPチームまで、トップチームが過酷な使い方をしてくれているおかげで、性能は随分上がっています。今回のショウでブースに飾ったJLOCのランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2にも装着されています。我が社とランボルギーニ社は目と鼻の先で、これまでもこれからも長いお付き合いです」
ーー今回のショウがBMCにとって日本での新しい出発になれば良いですね。
ベルガミ社長「そうなると信じています。来年の東京オートサロンへの出展も考えていますし、自動車雑誌への広告展開も視野に入れています。皆さんには日本のサーキットでお会いできるようになることを願っています」
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