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沖縄のモータースポーツを盛り上げたいから、超頑張ってるんです! “しまんちゅ”平良響の郷土愛が爆発【連載:レーサーふるさと自慢】

国内で活躍するレーシングドライバー達に、自らの地元の魅力、おすすめスポット、地元民しか知らない豆知識などを語ってもらう本企画。今回は平良響が地元である沖縄県について語った。

戎井健一郎

公開日時: 2024/05/29 10:11

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Hibiki Taira, #2 muta Racing GR86 GT

 人にはそれぞれ、生まれ育った“故郷”というものがある。そんな故郷について、国内レースを戦うレーシングドライバーに語ってもらおうという本企画。今回はスーパーGTなどで活躍する沖縄県出身の“しまんちゅ”平良響にインタビューを実施した。

 昨年はスーパーフォーミュラ・ライツとスーパーGT・GT300クラスで共にシリーズ2位を獲得するなど、国内レースシーンでの存在感を高めている平良。ありがたいことに本企画のことを知ってくれていたとのこと。終始前のめりで質問に答えてくれた。

——それでは早速ですが、地元の沖縄にはいつまで住んでいたのでしょうか?

「高校まで住んでいましたね」

——沖縄って観光地中の観光地ですし、大抵の人が一度は行ったことがあるイメージです(かくいう自分は実は行ったことがない)。そういう意味では、よくあるおすすめスポットやおすすめグルメを取り上げても、だいたいみんな知ってると思うんですよね。

「それはおもんないですよね〜」

——そうなんです! だから平良選手には、沖縄に住んでいたからこそ知っている、穴場的なスポットを聞きたくて。

「いっぱいありますよ! まずは何屋さんかですよね。飲み屋さんなのか、沖縄そば屋さんなのか。一旦沖縄そばにしますか」

——ぜひぜひ。ソーキそば(スペアリブが乗った沖縄そば)が聞き馴染みありますね。

「そうですね。ソーキそば、軟骨ソーキ……沖縄そばはたくさんありますし、麺や出汁の薄い濃いとか、お店ごとに特徴があります。だからその中でも『俺はこの店が好き!』みたいなものは一人ひとり持っていると思うんですよ」

——では、平良選手のお好みは?

「よく行っていたのは『浜屋』です。海沿いにあって、観光客が多いお店です。そこは濃い系で、ソーキも脂が多めでふわふわです。特にジューシーセットというのがめっちゃ美味しいんです」

写真: Masahide Kamio

ーーほうほう、これですか……(いつも通りスマホで調べながらの取材)。口コミの数も評価もすごいですねえ。ジューシーセットは炊き込みご飯付き……あ、ジューシーってこの炊き込みご飯のことなんですか? うどんがジュー↑シー↓っていうことじゃないんですね(笑)。

「違う違う(笑)。『ジュー→シー→』です」

「あと、僕の地元は沖縄市の安慶田(あげだ)というところなのですが、そこに本店がある根夢(ごん)というお店もめっちゃ美味しいです。観光客が多いところではないので比較的空いていて、おすすめです。浜屋と同じで、濃い系ですね」

ーー沖縄そばの食べ比べも良さそう……では、沖縄そば以外のおすすめもお伺いできればと。

「飲みで言うと、沖縄市飲み、那覇市飲みといった感じで、地域ごとにここで飲むという場所が何箇所かありますが、僕の出身の沖縄市で言うと、いつもゲート通りで飲むんですよね」

ーーゲート通り?

「めちゃくちゃ異世界なんですよ。米軍基地のゲートがあるからゲート通り。それで週末になると基地にいる外国の方が出てきて賑やかになるんですね。完全にアメリカですよ。そこで外国人の方と飲んで仲良くなったり、英語喋ったり」

「あとは沖縄市の同世代の若者たちが集中して集うので、『あー久しぶり』となることが多くて良いですよね」

ーーやっぱり、世間は狭いと感じますか。

「友達の友達は絶対知ってる、どこかで繋がってる、みたいな感じです。そういう意味では僕も『あ、レースしてるあの子ね』という感じで、最近はだいぶ認知していただいてます」

ーー(インタビュー撮影していたカメラマンから)やっぱり、沖縄の人は飲むと踊るの?(笑)

「(アップテンポの沖縄民謡に合わせて踊る)“カチャーシー”は、嬉しい時にしますね。今年チャンピオン獲れたらカチャーシーが漏れちゃうかもしれないですね(笑)」

ーーそういえば、沖縄では飲み会のシメでステーキを食べるって、テレビか何かで見たことあるような……。

「那覇市飲みだとそうかもしれないです。沖縄市にはステーキ屋さんとかオシャレなものはないので、僕たち若者は、コンビニで沖縄そばを買います。沖縄のコンビニ限定で、『朝すば』って言うんですけど。これにお湯を入れて、みんなで食べるんです」

写真: Masahide Kamio

ーー沖縄そばがコンビニでも買えるのは、まさに沖縄という感じですねえ。それでは沖縄の方言についても聞きたいのですが、平良選手は地元に帰った時、方言との切り替えで苦労することはありますか?

「そういう意味で言うと、『これって標準語じゃないの?』と思っていた沖縄の方言が色々あるんですよ」

ーー例えば?

「例えば、エアコンの冷気が逃げることを沖縄では『クーラーが逃げる』と言います。他にも、(標準語で)『〜〜しますね』と言う時に『〜〜しましょうね』と言ったり、(標準語で)『〜〜行くよ』と言うのを『〜〜来るよ』って言ったり。これみんな標準語だと思っているので、本土に出てきた人はみんなびっくりします」

ーーニュアンスの違いが絶妙で、微妙に話が噛み合わなかったりしそうですね。

「あとは年代別で違ったりします。『めっちゃ』という表現を、僕たち若い世代は『しに』って言うんですよ。『しに暑い』みたいな。でも歳が上になると、これが『でーじ』『でーじ暑い』になります。あと面白いのは『しに』の中にも程度があって、『しに』より『しゃに』の方が暑いです(笑)」

ーーそれは意外! 方言って、若い世代になるほど標準語が混じってマイルドになるイメージがありますが、沖縄では新たな方言が生み出されているのか……。

「どんどん作ってるのかもしれませんね(笑)」

ーー次から次へと沖縄エピソードが飛び出していますが、やはり沖縄生まれの平良選手にとって、地元に対する愛着は強いですか?

「もちろん、めっちゃあります。田舎あるあるですかね? そういう意味では、大湯選手からは北海道愛があまり感じられないですね〜(笑)」

ーーすごい方面に矢を飛ばしましたね(笑)。でも確かに、平良選手は沖縄出身を前面に出している印象がありますね。GT開幕戦で優勝した時も、優勝記者会見で開口一番『ハイサイ!』(沖縄で使われる挨拶)って言ってたの覚えてますよ。

「言ってたな(笑)。ヘルメットとかも沖縄っぽくしてますからね。僕は沖縄出身を誇りに思っているので、感謝の気持ちも含めて、どんどん沖縄のアピールをしていきたいと思っています」

「実は来年再来年と、沖縄のモータースポーツが盛り上がるような計画を進めていて、今年中にその発表ができそうなんです。沖縄のモータースポーツを盛り上げるために、だいぶ頑張ったので! それがやっと実るので楽しみです」

ーーなるほど、それは続報が気になる! モータースポーツって、各地域に球団を構えるプロ野球やJリーグなどと違って地域密着の色が薄く、それが業界を盛り上げる上でネックになってるんじゃないかと思ったりしているんです。

沖縄で開催されたラリーチャレンジ

沖縄で開催されたラリーチャレンジ

写真: TOYOTA GAZOO Racing

「それが、沖縄はかなり繋がりがあるんです。沖縄市には『モータースポーツマルチフィールド沖縄』という市営の施設があります。ただこれは中期的なビジョンで、その次のステップとして、本格的なサーキットを作ろうとしているんです」

「この前(3月)にはそこでTGRラリーチャレンジ(ラリチャレ)も開催されて、大盛況でした。その前日にはGRフェスティバルも開催されて、モリゾウコーナーも誕生しました(※モリゾウこと豊田章男氏がデモランを実施し、縁石にヒットした場所がモリゾウコーナーと命名された)。そのくらい沖縄のモータースポーツはアツいんです」

「それ以外にもコザモータースポーツフェスティバル(現オキナワモーターショー)だったり、沖縄市がやっているイベントが何年も続いたりしています。ただ沖縄からしたら本土はものすごく上の存在なので、そこをみんなで倒しに行くぞ! というような気持ちで、ひとつになっています」

「本格的なサーキットができれば後輩たちも育つと思いますし、僕がレースで結果を出せば、沖縄でモータースポーツがもっと有名になっていくと思います。だからまずは、自分が結果を出すことだと思っています」

ーー沖縄の夏よりもアツい平良選手の地元愛、グッと来ますね。沖縄のモータースポーツには今後も注目させていただきます! ありがとうございました。

 

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