日本にやってくるかも? 新たなフル電動レース「フォーミュラG」が発足。2024年に世界4地域で開幕へ

2024年後半に世界4地域で、新たなフル電動フォーミュラレースが開幕する。将来的には東アジアでの開催も見込んでいるようだ。

Formula G teaser

 新たなフル電動フォーミュラレース「フォーミュラG」が2024年後半から世界4地域で開催されることとなった。

 マヒンドラ・フォーミュラEの元チーム代表であるディルバグ・ギルと、元F1ドライバーでマヒンドラでも走ったニック・ハイドフェルドが率いるこのフォーミュラG。この新シリーズは既存の内燃エンジン系シリーズと電動系シリーズのサポートレースとして開催され、プロドライバーと若手ドライバーの両方に活躍の場を提供することを目的としている。

 シーズン1となる2024年はまず、4つの地域選手権で構成され、それぞれ10チームのフランチャイズが参加する。

 開催が予定されている地域は北米、中南米、ヨーロッパ&アフリカ、西アジア。東アジアには2026年の進出を見越している。

 地域選手権はそれぞれ、プロドライバー向けのFG-1と若手ドライバー向けのFG-2に分けられる。

 それを可能にするのが、ふたつのパワーモードが設定されることが特徴のFG-ETwinと名付けられたマシンだ。

 FG-1ではプロドライバーが300km/h近いスピードをマシンからフルに引き出すことができる一方で、FG-2では同じマシンを若手ドライバー向けに最高時速240km/h程度までパワーを抑えて走行することとなる。

 フォーミュラGによると、これはコスト削減を考慮してのアイデア。パワーモードを2種類設定することで、FG-1とFG-2の両クラスで同じマシンを使用しつつも、チームが1台でエントリーするのと同じ予算とクルーで2戦を戦うことができるという。

 また、ふたつのクラスを設けることで、各地域20台のシリーズには計40名のドライバーが参加できるという。

 かつてACE選手権と呼ばれていたこのシリーズ計画は、今年2月に開催されたフォーミュラEハイデラバードePrixの開幕前に初めて明かされたモノ。シリーズはフォーミュラGとしてリブランディングされて発足し、そのGはグリーン(エコ)やグローバル(世界)、グッド(良い)、グロース(成長)、グラウンドブレーキング(革新的)を意味している。

「ニック・ハイドフェルドと私がACEを設立した時、我々は常に、同じチームがそれぞれのイベントで世界中を転戦するふたつのシリーズを構想していた」

 フォーミュラGの創設者兼CEOのギルはそう語った。

Heidfeld and Gill previously worked together at Mahindra

Photo by: Andreas Beil

Heidfeld and Gill previously worked together at Mahindra

「チームオーナー、プロモーター、他のモータースポーツシリーズのオーナー、様々な関係者の意見を聞くうちに、そういうシリーズがモータースポーツの中で最も急速に成長し、未開拓の分野における主要なサポートシリーズとなる上で、各地域が独自の経済的、持続的な課題と目標を持っていることが明らかとなった」

「スポーツのあらゆるレベルで支援を受けたフォーミュラGが、複数の地域でサポートシリーズとしてスタートすることで、地域ごとに独自の手頃さと入手性を実現した初のグローバルシリーズとなったことを誇りに思う。フォーミュラGはチームオーナーやドライバー、メカニック、エンジニアの多様性を惹きつけ、サーキット内外でキャリアの機会を大幅に増やすことができる」

 ACE選手権がインドで初めて発表された時、オーガナイザーはボディーワークが異なるとはいえ、フォーミュラEのGen2のようなマシンを披露した。

 しかし、フォーミュラGは革新的な電動マシンを製造するための契約とサプライヤーを確保したとして、ティザー写真にはACEのプロトタイプにはなかったシャークフィンが写っていた。

 またティザー写真を見る限り、順位などの情報を表示すると思われるLEDパネルがシャークフィンに搭載されているようだ。

 フォーミュラGについて、ハイドフェルドは次のように語った。

「このシリーズに私はとても情熱を注いでいる。ディルバグがビジョンを発表した時から、加わりたいと思っていた」

「ドライバーとして、僕は競争力のあるレースを戦い、様々なレベルへとステップアップする機会を阻む障壁を認識している」

「フォーミュラGは、こうした障壁の多くを打ち破り、これまでになかったチャンスを生み出す、真にユニークなレースプラットフォームだと信じている」

「同時にフォーミュラGは、チームやドライバー、スポンサー、プロモーター、そして何よりも世界中のレースファンに至るまで、このスポーツに携わる全ての人々が待ち望んでいたグリーンレースの空白を埋めるモノだ」

「最初のレースが待ちきれないし、次世代のドライバーたちが未来のスターになるのを手助けしたい」

 

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