モビリティランド山下社長に聞く。鈴鹿10H、50台以上がエントリーか?
2018年に”鈴鹿10時間耐久レース”を初開催する鈴鹿サーキット。多くの興味が寄せられ、50台以上のエントリーを集めることになりそうだ。

”鈴鹿1000km"の伝統を継ぎ、来年から新たにGT3/JAF-GTマシンによる”鈴鹿10時間耐久レース(鈴鹿10H)”を立ち上げることを決めた鈴鹿サーキット。開催日が着実に近づきつつある。
その反響、そして準備状況はどうなっているのか? 同サーキットを運営するモビリティランドの山下晋社長に話を訊いた。
「レースの開催について、ベースとなる部分の整えについてはほぼ完了しました。今は、エントリーしていただける皆様へのアプローチを開始しています」
そう山下社長は語る。そして予想以上とも言える反響に、驚いているという。
「目指していた50台のフルグリッドは達成できそうだという手応えです。逆に問題なのは、50台以上のエントリーが集まった場合、ヨーロッパやアジアからも参加していただくのに『残念ながら予選落ちです』と言えるかどうか……それをどうコントロールしていくのかが今後のテーマになっています。いずれにしても、嬉しい悲鳴だというのが、現状です」
50台以上の参加は、鈴鹿サーキットでは物理的にも難しい。
「パドック側にテントを立てて、簡易ピットにするということもできなくはないですが、環境としてはあまりよろしくありません。また、ニュルブルクリンク24時間のように1ピットに何台ものマシンを収めるということもできるでしょうが、開催初回からいきなり挑戦するのは違うと思います」
「それに鈴鹿サーキットは、直線がそれほど長くありません。ローリングスタートする時に一番後ろがまだ130R……という状況では困ってしまいますから。限界はありますね」
「来年の話ですから、エントリーの最終フィックスはまだ先の話です。しかし、期待していた中身にはなると思います」
海外からも多くのマシンがエントリーしてくることが予想される鈴鹿10H。では国内チームの参戦体制はどうなりそうなのか? 山下社長は次のように示唆した。
「まだBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)をどうするかということなどについては、まだ具体的にはなっていません。そんな中でも、現時点で前向きに手を上げていただいているチームで言うと、GT3マシンの方の方が多いですね。今後JAF-GTの皆さんがどう判断していくのかは分からないのですが」
山下社長は以前から、いずれはBoPを撤廃したいとの意向を示していた。鈴鹿10H発表から数カ月が経ち、BoP撤廃についての見通しはどうかと尋ねると、山下社長は次のように語った。
「現時点ではやはり無理ですね。BoPでパフォーマンス差をコントロールするというのは、そうしないと色々なところで不具合が出てきてしまうから、やむなくそうしているという面があるんです。そういう意味では、BoPが存在するというのは正しい姿ではありません。タイヤでも、コントロールタイヤが正しいとは必ずしも言えない。でも、将来的にはBoPを無くせたらという願望は今も抱いています」
初開催となる鈴鹿10時間耐久レースは、2018年の8月24日(金)〜26日(日)の日程で、鈴鹿サーキットで行われる予定だ。
この記事について
シリーズ | General |
イベント | 鈴鹿10時間耐久レース |
ロケーション | 鈴鹿サーキット |
執筆者 | 田中 健一 |