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アブダビでスーパーフォーミュラSF23を使った自動運転シリーズ始動へ。その目指すところは一体何なのか?
アブダビでは、「スポーツエンターテインメントの新時代」を目指すための自動運転レースの限界を押し上げることを目的とした新シリーズ”A2RL”の準備が進められており、最初のイベントが4月27日に予定されている。
編集: 2024/03/15 17:45
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スーパーフォーミュラのSF23をベースとしたマシンを利用した自動運転のレースシリーズ”アブダビ自動運転レーシング・リーグ(A2RL)”の準備が急ピッチで進められている。
このA2RLは、F1アブダビGPの開催地としてお馴染みのヤス・マリーナ・サーキットを舞台に、最初のイベントが4月27日に開催される。このシリーズでは、世界最高のコンピュータ科学者、プログラマー、開発者らが鎬を削り、自動運転の可能性を追求できることが目指されている。
このリーグの目的は、最先端のセンサーとコンピュータ技術を使用した最先端の人工知能を組み合わせることにより、モビリティの未来を再構築することだ。チームは自分たちのマシンをより速く走り、ライバルよりも賢く運転できることを目指す。225万ドル(約3億3500万円)という莫大な額の賞金もかかっている。
A2RLのコンセプトは、UAEの首都であるアブダビの、先進技術研究評議会傘下のプログラム管理部門であるASPIREグループから生まれたものだ。
「これは、我々が長期的に投資していることだ」
ASPIREのエクゼクティブ・ディレクターであるトム・マッカーシーはそう語る。
「インディ・オートノマス・チャレンジやロボレースなど、こういうことを実現しようとする試みはこれまでにもあった。しかし、まだ大きな課題は解決されていない」
「彼らは大きな進歩を遂げており、我々はそれを基に組み立てられている。我々が目にしたいのは、今後何年も続くであろうプロセスだ。我々は開発のテクノロジーと、一般道での技術に応用できると見通せるモノを望んでいる」
スーパーフォーミュラのSF23をベースとした自動運転マシン
「我々はこれを現実のモノとしている。公共の場でレースをし、そして楽しいモノを作り上げるのだ。そうすることで、科学技術の進歩だけでなく、消費者にも受け入れてもらうことができるだろう」
「我々は、サーキットでもオンラインでも、観客のみなさんが豊かで楽しい体験ができるようにしたいと考えている」
このリーグで使われるマシンは、前述の通りスーパーフォーミュラで使われているSF23をベースとした、ダラーラのEAV24。エンジンも、ホンダ製エンジンをベースとした、2リッターのターボチャージャー付き4気筒レーシングエンジンである。ギヤボックスは6速だ。
この車両には、7台のSony製360度カメラ、4台のZF ProWaveレーダー、3台のFalcon Kineticレーダー、GPS機能を備えたハイレベルのNeousysオンボード・コンピュータなども搭載される。
このマシンはすでに元F1ドライバーのダニール・クビアトのドライブにより、ドバイでテスト走行を実施。しかし現時点では、4月の初戦に向け、マシンのコクピット付近は電子機器で埋め尽くされている。
この「自律レーシング・スタック」は、通常のコントロールを操作するのと同様、ドライブ・バイ・ワイヤシステムを介し、コース上でマシンを動かす。
「これは、公の場で科学実験を行なうようなモノだ」
そうマッカーシーは言う。
「我々は本当に素晴らしい要素を備えたクルマを求めていた。その点で日本のスーパーフォーミュラのマシンは完璧だった。彼らは昨年、自動運転用に開発できる、新しいダラーラのシャシーを発表したばかりだったからね」
「自律スタックは環境を認識し、信号でそれをコンピュータに送信する。チームにとっての課題は、その信号に基づいて作動し、アクチュエータにマシンを制御するよう指示するようプログラミングすることだ」
「プログラマーにとっての課題は、利用できる全てのデータを融合し、それを利用してマシンを自動走行させることだ。マシンは走り始めると、自動的に動く。誰もそれを邪魔することができない」
「唯一外からコントロールできるのは、チームまたはレースコントロールによって、安全上の理由で停止するよう指示することだ。つまりマシンは、他のマシンをオーバーテイクするなど、コース上でのタスクを車体側で完結しなければいけないのだ」
「我々は自動運転を行なう時に何が起きるのかを見てもらうために、一般の人々を招待する。それにより、何が可能なのかを受け入れることに繋がると、我々は信じている」

A2RLは、複数の車両を同時にコース上で走らせる新しいモータースポーツ・シリーズを立ち上げたというだけでなく、自動運転技術を前進させるための研究開発のプラットフォームとしても活用できるように設計されている。
「モータースポーツのイベントを企画するにあたって、我々が取り組もうとしている大きな課題は、交通安全に関するモノだ」
そうマッカーシーは付け加えた。
「誰もが運転できる自動車の技術は大きく進歩した。しかし交通事故やそれに伴う死亡者数は、まだ大幅に減少させるには至っていない。むしろ依然として高い水準にある」
「その大きな理由は、クルマにできることと平均的なドライバーにできることの間に、依然として大きな差があるからだと我々は考えている。クルマは、衝突時の安全性を高め、衝撃吸収やエアバッグによって、その影響を最小限に抑えようとしている。しかし我々が焦点を当てようとしているのは、衝突を回避しようということだ。自律型ロボット工学とAIは、クルマとドライバーの間にある差を埋めて、道路上でより安全な結果をもたらすことができる」
「そこに到達するのは簡単なことではない。我々は、将来の自動車は引き続き人間が運転することになると考えている。自動運転のクルマやタクシーは、少数派だろう。少なくとも今後10年か20年の間は、都市部では非常にゆっくりとしたスピードで進んでいくはずだ」
「我々はアクティブなドライビングということに重点を起きたいと思っている。つまり現実の世界で、ドライバーをクルマから降ろすのではなく、ドライバーの安全を守れるようにしたいと考えているんだ。この可能性を認識してもらうため、技術の進歩を推し進め、ドライバーがこの技術が実際に作動しているのを見て、受け入れてもらえるようにする必要がある」
このイベントには、UAE、中国、ドイツ、ハンガリー、イタリア、シンガポール、スイス、アメリカからのチームが参加。提供された、マシンに搭載されることになるソフトウェアにアクセスすることから始め、必要に応じてそこから構築したり、置き換えたりすることができる。
なおASPIREは、このA2RLが成功すれば、将来的にはオフロードバギーやローンレースに拡大するだけではなく、ヨーロッパやアジアといった別の地域でもレースを開催したいと考えている。
「最終的には、この体験をゲーム化したいと考えている」
そうマッカーシーは言う。
「我々は、人々が仮想現実空間を体験できるように、マシンに取り付けることができるVRカメラを開発した。またゴーストカーに乗り込み、コース上を走っているマシンとレースすることができるアプリとプロセスを開発した」
「この目的は、年間に3回開催される実際のレースと並行して、仮想世界で毎月レースを開催するということにある。我々はこのレースを中心に、システム全体を構築していきたいと考えている。そうすることで、楽しいにもかかわらず教育的でもあり、成長にも繋がるのだ」
詳細についてはA2RLのWEBサイトA2RL.ioをご確認いただきたい。
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