ホンダ、新領域への取り組みを発表。F1のMGU技術がeVTOLに活きる? 他にもアバターロボや月面&宇宙への挑戦も
ホンダは、実行中の新領域への取り組みを発表。開発中のHonda eVTOLには、F1で培われたMGUの技術が活かされるという。この他、小型ロケットの開発など、宇宙技術への取り組みも明かされた。
写真:: Honda
ホンダは、同社が培ってきたコア技術を活かし、電動垂直離着陸機(eVTOL)やアバターロボット(分身ロボ)、そして宇宙領域の挑戦など『新領域』のチャレンジしていることを発表した。
ホンダは、現在の経営の基盤となる「既存事業の盤石化」を図りつつ、すでに発表されている「環境負荷ゼロ社会」および「交通事故ゼロ社会」の実現を進めつつ、「新領域へのチャレンジ」にも取り組んでいるという。これにはホンダが培ってきた燃焼・電動・制御・ロボティクス技術などといった”コア技術”が活かされることなるようだ。
そのうちのひとつが、Honda eVTOLの開発だ。すでにホンダは、小型旅客機”HondaJet”を開発し、実用化されている。この空の移動をさらに身近なモノとするのが、このeVTOL(電動垂直離着陸機)なのだという。垂直に離着陸することができるため、滑走路を必要としないわけだ。
ホンダが実現化を進めるHonda eVTOLは、完全電動のeVOTLとは異なり、ガスタービンと電動技術を併用するハイブリッドになるといい、航続距離の拡大が目指されている。これにはHondaJetで使われるジェットエンジンのタービン技術なども当然活かされるが、F1のMGU-Kで使われる超高回転ジェネレータの技術も使われることになるようだ。
アバターロボットについては、ロボットを遠隔操作することで、あたかも自分の分身が遠く離れたところで作業できるようになり、さらにAIサポート遠隔操縦機能を搭載することで多指ハンドを操作。アバターロボを通じて人間が使う道具を使って、直感的な操作を正確に行なえるようになるという。2023年度中には、この技術実証実験も開始されるようだ。
またホンダは月を目指してJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)とも協力しているという。ホンダとJAXAは、月面に存在すると言われる水を使い、燃料電池技術と高圧水電解技術を生かした月面での循環型再生エネルギーシステムの構築を目指すべく共同研究を行なっているという。これにより、発電はもちろん、酸素を生み出すことによって月面に居住することを可能にし、さらに水素をロケット燃料として使うことができる……循環型再生エネルギーシステムを構築することができるのだ。また、アバターロボットの技術も、月面での活動に貢献するだろう。
さらに燃焼技術や制御技術を使い、小型ロケットの開発にも取り組んでいるという。ホンダが目指すのは、低軌道の小型人工衛星打ち上げ用の小型ロケットだというが、これが実現すれば、需要に対して不足していると言われるロケット業界への参入に繋がることになるだろう。
ホンダの技術開発を担う本田技術研究所の大津啓司代表取締役社長は、今回の発表に際し次のようにコメントした。
「今回お伝えした取り組みは、いずれも新領域へのチャレンジとなりますが、技術で人びとの生活を豊かにしたいというHondaの想いは不変です。そして創業以来、こうしたチャレンジの源泉となっているのは、独創的な技術やアイデアを生み出す人材そのものです。今後も新たなモビリティの創造を通じて移動にまつわる価値を変え、社会をより良く変えていくことを目指します」
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