motorsport.com編集長日記:「残念な報告」

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motorsport.com編集長日記:「残念な報告」
執筆:
2019/03/15 3:46

motorsport.com日本版の編集長が、日々経験する様々な事柄の中から、琴線に触れるようなものをピックアップ。

2019年3月14日・木曜日
「残念な報告」

 朝起きてツイッターを見たらチャーリー・ホワイティングが亡くなったという投稿があった。F1開幕戦の行われるメルボルンで、水曜日(13日)の夜、肺塞栓症に襲われて急逝した。

 肺塞栓症は肺の細い血管に血栓ができる病気だ。長い間飛行機に乗って発症するエコノミー症候群と深い関わりがある。しかし、ホワイティングがエコノミー症候群にかかるということは考えられない。ビジネスクラス利用だろうから。 

 それにしてもF1グランプリに突然大きな穴が空いてしまった。私はホワイティングとそれほど親しくはない。目が合えば挨拶をして、トピックがあれば立ち話をする程度の関係だ。インタビューは何度かしたことはあるが、食事や酒のテーブルを囲んだことはない。

 彼とはそんな関係だが、かつて彼のボスだったバーニー・エクレストン(ブラバム時代)のところで1970年代からホワイティングと共に働き、数年前までFIAで彼を支えていたハービー・ブラッシュとは親しいので、よくホワイティングのことは話しに出て来た。

 堅物そうに見えてもユーモアがあってよくみんなを笑わせた、とブラッシュは教えてくれた。そして、ホワイティングのF1に対する情熱、仕事に対峙する真摯な姿は、誰からも支持され、慕われる要素だったという。

 ホワイティングがいなくなってもF1は続く。この人しかいないと思っていたF1専属医のシド・ワトキンス博士が亡くなった後もF1は続いているし、アイルトン・セナが亡くなった後でさえF1は続いている。だからホワイティングが亡くなった後もF1は続き、彼は次第に記憶の中の人になっていく。

 でも、誰もいなくなってもF1を安全なスポーツに変えたワトキンス博士の尽力が語り継がれ、セナのレースがいつまでも世界中の人々に語り継がれるように、ホワイティングがF1グランプリで果たした役割は、恐らく永遠に生き続け、語り続けられるだろう。

 仕事に対する高潔で公平な姿勢こそ、チャーリー・ホワイティングが誰からも慕われた理由だ。FIAの真っ白なシャツが一番よく似合ったのが彼だった。

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この記事について

シリーズ F1 , 編集長日記
執筆者 赤井邦彦
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