motorsport.com編集長日記:「カヌーはFR車?」

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motorsport.com編集長日記:「カヌーはFR車?」
執筆:
2019/03/27 10:58

motorsport.com日本版の編集長が、日々経験する様々な事柄の中から、琴線に触れるようなものをピックアップ。

2019年3月27日・水曜日

「カヌーはFR車?」

 身体が痛くて弓道の練習を休んでいるのに、四国・高知の四万十川までカヌーをやりに行ってきた。カヌーは身体のバランスと上半身、特に腕を使う運動なので少しは弓道のための身体作りの助けになるだろうという言い訳に支えられての四万十川行だった。同行したのはT社のK氏とN氏。二人とはT社がF1参戦をしていた頃からの知り合いで、K氏はWEC活動の指揮を取っていたときに特にお世話になった。加えて、K氏とは宮ヶ瀬湖でのカヌー仲間でもある。

 今回、一泊二日の旅をしながらいろいろと情報交換したが、3人に共通するクルマ、レースに関しての話題は余り出なかった。というか、ほとんど出なかった。出たのはフォーミュラEの現状と将来を心配する声ぐらいだった。

 フォーミュラEを市街地で走らせる意味の希薄性、続々参戦し始めた欧州の自動車メーカーの“機を見るに敏”なスタンス、日本開催の不透明性、電気ビジネスへの投資家の魂胆……などがフォーミュラEを構成する要素だという結論に達し、少々暗澹たる気持ちになった。市販車も一部で電化が進むが、一般的には電化より自動運転への興味の方が多い。つまり人間は自分ひとりの力ではどうすることも出来ない問題より、目の前で自分に降りかかる問題の解決により強い興味を抱くということだ。

 K氏は最初からフォーミュラEには余り興味を持っていない。エンジン音がないところからフォーミュラEは認めていないようなところがある。T社入社以来モータースポーツに携わって来た方だけに、話すことひとつひとつに説得力がある。私もフォーミュラEを2年以上取材して来て、最近はその将来性に懐疑的になってきていただけに、妙に意見が合った。

 こうしたちょっと真剣な話もしたが、大方は笑い声で消された。N氏がカヌーに乗っていて「カヌーはFRのクルマと同じ動きですね」と、興味深いことを言った。「フロントは本当に方向を決めるだけ。リアにトラクションがかかっているみたいだ」と。確かにその通りで、流石に自動車の足回りを設計している人の言うことだなと感心した。ためになった四万十川行だった。

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この記事について

シリーズ フォーミュラE , 編集長日記
執筆者 赤井邦彦
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