motorsport.com編集長日記:「僕の方が速いんだけど」

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motorsport.com編集長日記:「僕の方が速いんだけど」
執筆:
2019/04/03 12:13

motorsport.com日本版の編集長が、日々経験する様々な事柄の中から、琴線に触れるようなものをピックアップ。

2019年4月3日・水曜日

「僕の方が速いんだけど」

 友人のオバタサカエさんとメッセージで花見の約束していたら、突然、今年のチャンピオンはルクレールだと思う、と言ってきたのでちょっと驚いた。ちょうどこの日記でルクレールのことを書こうと思っていたこともあるが、レースの玄人のオバタさんからのメッセージだけに、ちょっと嬉しくなった。

 とはいっても、F1グランプリではどのドライバーが運転が上手いとか下手だとかは判断が難しい。みんな上手いに決まってるところに、今のF1はドライバーの動きがほとんど見えない。サスペンションの動きもよく見えないし、ステアリングだって昔の丸いハンドルとは違うので操作がどれだけ走りに影響しているのか分からない。我々が判断するのは追い抜きのタイミングの取り方とか勢いの良さとかスムーズなコーナーの曲がり方とかで、それだっていつも同じような判断基準で見るわけではない。

 そんな素人の私にとってもルクレールの速さはよく分かった。開幕戦メルボルンでもそうだったが、チームメイトのセバスチャン・ベッテルより速い。速さはそれほど感じさせないのに速い。バーレーンではポールポジションを獲得し、レースでも終盤にクルマが不調になるまで圧倒的な速さでトップをひた走った。しかし、ルクレールの速さはフェラーリにとって頭痛の種になりつつある。彼はスタートで遅れたがすぐに順位を回復、トップを走るベッテルの直後に付けた。そして、僕の方が速いんだけど、とチームに直訴。チームは、2周待てと指示を出すも、ルクレールはあっという間にベッテルを抜いてしまった。チームオーダーが壊れた瞬間だ。

 新しい才能が現れて古い才能を追い抜いていく。F1に限らずどこの世界でも同様のことが起こっており、そこには必ず衝突があったり亀裂が走ったりする。しかし、それはこの世の摂理であって誰も止めることは出来ない。フェラーリが抱えるベッテル対ルクレール問題も暫くすると過去の話になるはず。その時にはオバタさんが言うようにルクレールはチャンピオンになってるかな。

 ところで、バーレーンGP終了後に行われたF1テストでは、フェルナンド・アロンソがマクラーレンのステアリングを握った。F1からの引退を宣言してWECやインディでレースをし、最近ではトヨタのパリダカ用のクルマを走らせてもいるアロンソだが、やっぱりF1に未練タップリだということだ。F1引退を宣言したのはいいが、WECもインディもF1ほどの満足感は与えてくれなかった。やけっぱちなのか手当たり次第に何にでも手を出すんだけど、どれも消化不足って感じ。まあ、ドライバーにとればF1に勝るものなしってことかな。そんなアロンソに翻弄されないように、トヨタさん。

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この記事について

シリーズ F1 , 編集長日記
執筆者 赤井邦彦
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