ポルシェのLMP1時代知るタンディ、新型車両『963』は「ドライビングが919の時とは全く違う」
ポルシェのニック・タンディは、大きな成功を収めたLMP1車両『919ハイブリッド』と、LMDhの『963』を比べ、ドライビングの面で大きな違いがあると語る。
ポルシェのドライバーであるニック・タンディは、新型LMDh車両『936』と大成功を収めた旧世代のLMP1マシン『919ハイブリッド』を比較。ドライビングは全く違うと語った。
919で2015年のル・マン24時間レースを制した経験を持つタンディは、2023年からIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスにフル参戦。マシュー・ジャミネとコンビを組み、LMDh車両『963』をドライブすることになる。
963もハイブリッドシステムを搭載するものの、それはLMDh車両の標準ハイブリッドシステムであり、2014年から17年まで919で採用されていた最先端の特注技術とは大きく異なるモノだ。
919は運動エネルギー回生と合わせて、熱エネルギー回生を搭載。2リッターV4ターボエンジンと合わせて約900bhp(約670kW)を発揮していた。
「見た目は似ているし、中に座った感じも似ているけど、ドライビングは全く違う」とタンディは説明した。
「LMP1は当時、メーカーが望んでいたものだったんだ」
「僕がLMP1クラスで経験したのは、マシンは自社開発のフルオーダーメイドで、ファクトリーの様々な部門がマシンの様々な部分を担当したが、それはすべてひとつのプロジェクトだった。各部門のオフィスが隣接していて、すべてが絡み合って開発されていたんだ」
#1 Porsche Team Porsche 919 Hybrid: Neel Jani, Andre Lotterer, Nick Tandy
Photo by: Porsche Motorsport
「LMDhの大きな違いは、ポルシェとはいえ、世界中のパーツを使うことだ。外的要因が多くなるとで、状況はより難しくなる」
「このレギュレーションの美点は、開発費が少なくて済むこと、そしてまたレースができるようになることだ。最速のクルマができる限り速くなることはもちろん、できるだけ多くの人がレースできるような手頃な価格であることにも大賛成だ」
LMP1クラスでの経験だけでなく、タンディはポルシェのGTレースでも活躍。プチ・ル・マンやニュルブルクリンク24時間、スパ24時間レースで優勝を果たしている。
彼は、メーカーがプロトタイプ車両に注力している現状に、振り子が戻ってきたように感じているという。
「ここ数年、最も激しいマニュファクチャラー争い、素晴らしいマシンの製造、そしてチームや最高のドライバー育成が行なわれていたのはGTレースだった」
「今、またそれが入れ替わったような気がする」
「もちろん、この時期にこのスポーツに参加できたことはラッキーだし、トップレベルの素晴らしいメーカーレースの3つの全く異なる時代(LMP1、GT、GTP)を経験することができる」
「また、GTPとハイパーカー(LMH)でどのような展開が見られるかも非常に興味深い。もちろん、どちらもハイブリッド・プロトタイプだが、まったく異なるものなんだ」
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