インディカー第11戦アイオワ:異次元の走りでニューガーデン完勝。佐藤琢磨11位
インディカー第11戦アイオワ300の決勝が行われジョセフ・ニューガーデンが異次元の走りで圧勝した。
Josef Newgarden, Ed Carpenter Racing Chevrolet
IndyCar Series
インディカー第11戦アイオワ300。舞台は0.875マイル(1.4km)というショートオーバルで、これを300周して争うレースだ。
スタート直後、2番手グリッドのジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター)が、ポールポジションのシモン・パジェノー(ペンスキー)を抜いて先頭に躍り出る。
先頭に立ったニューガーデンは快調に飛ばしてパジェノーとの差を広げていく。そして、1周が短いだけあって、20周に満たないあたりから周回遅れとなるマシンが出始める。
13番手スタートの佐藤琢磨はポジションをキープして走っていたが、37周目にニューガーデンに交わされ、早々に周回遅れになってしまった。
先頭を行くニューガーデンは、51周目に最初のピットインを行う。2番手のパジェノーはピットインのタイミングを遅らせ、57周目にピットに入ろうとするも、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ)とラインが交錯してしまい、入ることができず。結局翌58周目になってしまった。
ニューガーデンのペースは衰えを知らず、70周目の段階で2番手のパジェノーに14秒近い差を築いている。1周のラップタイムは18秒前後であり、全車を周回遅れとしそうな勢いだ。佐藤琢磨はこの時点ですでに2周遅れとなってしまう。
ニューガーデンの異次元の走りは続き、87周目に3番手を行くエリオ・カストロネベス(ペンスキー)を周回遅れにする。同一周回を走るのはニューガーデンとパジェノーだけという状況になり、全車周回遅れという話が現実味を帯びてきた。イエローコーションが出たわけでもないのに、だ。
109周目、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ)のマシンがエンジンブロー。マシンの後部から派手に炎を上げ、ストップしてしまう。これでこのレース最初のイエローコーションが発令される。
このタイミングでニューガーデンはピットインして給油とタイヤ交換を実施。パジェノーも同タイミングでピットインしている。なお、その他のマシンはステイアウト。リードラップへの復帰を狙う。
他の各車も後にピットインし、このタイミングで11番手までが先頭のニューガーデンと同一ラップに復帰を果たす。
129周目からレースは再開。リスタート後のニューガーデンも変わらず好調なペースで飛ばし、パジェノーとの差を再び引き離していく。
180周目、3番手を走っていたファン-パブロ・モントーヤ(ペンスキー)が白煙を上げてスローダウン。リタイアとなってしまう。これでこのレース2回目のイエローコーションである。
ピットレーンがオープンになると、ニューガーデンを皮切りに、パジェノー、カナーン、ウィル・パワー(ペンスキー)、ミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン)のリードラップ5台がピットインする。その他のマシンはまたもタイミングをずらしてピットインだ。
189周目から再スタート。この時点でトップと同一周回にいるのは10台だ。
パジェノーはリスタートのタイミングでニューガーデンを狙うが、これは叶わず。逆にニューガーデンがその俊足を活かしてパジェノーとの差をまたも開いていく。
スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)はカナーン、パワーを立て続けに交わし、そして232周目にはパジェノーを交わして2番手に浮上する。ディクソンに抜かれたパジェノーはペースが上がらず、パワーの接近を許し、さらにこのバトルにカナーンを抜いたアレシンが加わって三つ巴の争いとなる。アレシンはパワーを攻略し、4番手に上がった。
247周目、マックス・チルトン(チップ・ガナッシ)が右リヤタイヤをバーストさせてスピン! これでレース3回目のイエローコーションとなる。このイエローコーション中の250周目にニューガーデン、ディクソン、パジェノー、パワー、アレシンのトップ5台がピットイン。これで最後のピットインである。
261周目からレース再開。今度はディクソンがニューガーデンを狙うが、やはり異次元。ニューガーデンは徐々にディクソン以下を引き離し、チェッカーを目指してひた走っていく。
294周目、パワーがパジェノーを交わして3番手に浮上。パワーはその勢いのままディクソンにも近づき、オーバーテイクを完了。2番手を強引にもぎ取る。
しかしニューガーデンは最後までやはり異次元。後続に4秒以上の差をつけてチェッカーを受けた。まさに完勝である。今季初優勝だ。影をも踏ませない走りとはまさにこのこと。イエローコーションによって近付かれても全く動じず、その度に後続を引き離して勝利を収めた。大クラッシュによる怪我から復帰した直後の、驚くべきパフォーマンスだった。ニューガーデンと同一周回でチェッカーフラッグを受けたのは、わずか5台のみである。
佐藤琢磨は結局2周遅れの11位だった。
N° | Driver | Team (engine) | deficit | |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | Josef Newgarden | Carpenter (C) | |
2 | 12 | Will Power | Penske (C) | 4.2828 |
3 | 9 | Scott Dixon | Ganassi (C) | 5.5085 |
4 | 22 | Simon Pagenaud | Penske (C) | 6.1827 |
5 | 7 | Mikhail Aleshin | Schmidt (H) | 7.0386 |
6 | 98 | Alexander Rossi | Andretti-Herta (H) | 1 tour |
7 | 10 | Tony Kanaan | Ganassi (C) | 1 tour |
8 | 11 | Sébastien Bourdais | KVSH (C) | 1 tour |
9 | 5 | James Hinchcliffe | Schmidt (H) | 1 tour |
10 | 83 | Charlie Kimball | Ganassi (C) | 1 tour |
11 | 14 | Takuma Sato | Foyt (H) | 2 tours |
12 | 26 | Carlos Muñoz | Andretti (H) | 2 tours |
13 | 3 | Helio Castroneves | Penske (C) | 2 tours |
14 | 27 | Marco Andretti | Andretti (H) | 2 tours |
15 | 41 | Jack Hawksworth | Foyt (H) | 2 tours |
16 | 15 | Graham Rahal | Rahal (H) | 3 tours |
17 | 19 | Gabby Chaves | Coyne (H) | 7 tours |
18 | 20 | Ed Carpenter | Carpenter (C) | 16 tours |
19 | 8 | Max Chilton | Ganassi (C) | 26 tours |
20 | 2 | Juan Pablo Montoya | Penske (C) | 121 tours |
21 | 18 | Conor Daly | Coyne (H) | 159 tours |
22 | 28 | Ryan Hunter-Reay | Andretti (H) | 195 tours |
(C) = Chevrolet, (H) = Honda
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