インディカー新王者のパジェノー「ジル・ド・フェランは僕のヨーダ」

今季のインディカー王者になったシモン・パジェノーは、今までのキャリアを振り返り、この喜びを噛み締めた。

 2016年のインディカー・シリーズを制したのは、ペンスキーのシモン・パジェノーだった。パジェノーは最終戦ソノマで勝利し、今季のタイトルを手中に収めた。この勝利は今季5勝目、彼のキャリアで9勝目である。

「感情が高ぶって心が震えているよ。今は何も言えない。でも今夜になったら分かると思う。多分だけど」

「もしペンスキーのようなチームに加入したら、彼らは最高のマシンを与え、最高の環境を提供してくれる。そして最高のパフォーマンスを発揮することが、ドライバーとしての仕事だ。チームメイトのウィル・パワー、エリオ・カストロネベス、ファン–パブロ・モントーヤは、世界でもベンチマーク的存在だ。そのライバルたちと同じマシンで戦いながら、自分がプッシュできるところを探していくんだよ」

「今シーズンは、チームとして、そしてドライバーとしても学ぶべきことが多かった。冬の間、僕はテストドライブするためにいくつかのコースにいた。僕のチーム、クルー、ストラテジストのカイル・モイヤー、そしてレースエンジニアのベン・ブレッツマンと一緒に、今年のチームは今までと異なるアプローチを試みたんだ。このアプローチは2010年のアメリカン・ル・マンシリーズのハイクロフト・レーシングに所属していた時以来のもので、ベンの監督下で行われたものだった。これが功を奏したんだよ」

 3年間のシュミット・ピーターソン・モータースポーツ所属から、ペンスキー・レーシングへ移籍した時は、困難ばかりだったとパジェノーは振り返った。

「その移籍が簡単なものだと想像されるなんてフェアじゃないよ。ペンスキーは4台でインディカーにエントリーしているんだ。そんなチームに入るのは初めての経験だよ。僕たちは他のチームで仕事していた人たちや、チーム内でも他のマシン担当で働いている人たちと、チームとして組み立てていかなければならなかった」

「まるでサッカーチームのようだよ。その中で僕たちは、お互いのシナジーを生み出していかなきゃならない。今まで経験したこともないから、慣れるのには時間がかかったよ。今年の僕は、シュミット時代の僕と、一味違って見えたんじゃないかな」

「ド・フェランは僕にとっての”ヨーダ”」

 パジェノーは、アメリカン・ル・マン・シリーズ時代のレースを思い返した。彼はインディカーで2度チャンピオンに輝いたジル・ド・フェランのチームに所属していたのだ。

 また彼は、2006年にフォーミュラ・アトランティックでタイトルをウォーカー・レーシングで獲得、2007年にはチャンプカー・シリーズ8位になり、デリック・ウォーカーのチームを離れた。その後、チャンプカーとインディカーが合併した際にドライブするマシンを確保することができず、ド・フェラン・モータースポーツに入った。

 彼は当時のインディカーに対する希望を語った。

「僕の夢は、手に届かないところにあった。ジル・ド・フェランは、僕を雇ってくれた時こう言ってくれたんだ。『インディカーに乗るという、君の夢を忘れるんだ』ってね。それで、僕はこう答えたんだ。『はい。なぜなら、僕はドライブしたいから』」

「それからレースしていたけど、僕の夢はすぐ消えてくれなかった。でもそんな自分に嘘をついていた。でも当時、彼が沢山のことを教えてくれたから、大丈夫だったよ。僕はジルのドライバーとして終えた後、その経験を活かして、多くのスポーツカーでレースをしたよ。その時に僕はよくわかったんだ。レースとは、左右に旋回することだけじゃないってことをね。沢山のことがわかったんだ」

「それが、僕の扉を開けたと思う。僕の隣にはジルがいて、彼は僕にとってのヨーダになったんだ。ちょっと格好いいよね。こう振り返ってみると、ワールドチャンピオンになれたことが本当に信じられない」

「おかしな話だよね。祝福を感じているよ。夢物語みたいだ。最高だよ」

パワーに対して敬意を払う

 パジェノーは、今季のチャンピオンシップでライバル関係にあったウィル・パワーを賞賛した。パワーは2005年からレースを始め、2007年のチャンプカーのウォーカー・レーシング時代では、パジェノーのチームメイトだった。

「ウィルは、驚異的なドライバーだよ」パジェノーは語った。

「彼に勝てたことも満足している。インディカー・シリーズの彼のスピードは、僕にとってのベンチマークだったよ」

「僕たちは2005年で一緒にレースをしていたけど、彼はロバート・クビサより速かったんだ。時に僕たちはフォーミュラ・ルノーで争っていたんだ。クビサはF1にいって、勝利を収めた。彼とルイス・ハミルトン、そしてウィル・パワーは、僕が見た最も才能のあるドライバーたちだよ」

「だから、彼に勝てたことは大きいよ。でも今季は彼にとって厳しいものになったと思う。そのせいで彼は不安定だった」

「彼は僕の友達だよ。僕たちはお互いを尊重し合っているし、これからもっとその思いが大きくなると思う。彼は多くのシーズンで強さを誇ってきた。初戦を逃してから挽回してきたのは、本当に信じられなかったよ」

 2号車に関しては、関係者たちの間ではある噂がされていた。チームは、モントーヤの将来を不安視し、交代させられる可能性が指摘されていたのだ。しかしパジェノーは、チームメイト全員に対し敬意を払っている。

「ドライバー同士の相性は素晴らしいと思うよ。ファン–パブロ(モントーヤ)は、僕たちの取りまとめ役なんだ。エリオは僕たちのお父さんみたいな人だよ! 僕たちはそれぞれその役割を果たしてうまくいってるよ。毎朝目覚めるだけで、僕は彼らを賞賛しているよ。そして、毎年最高のレースをしている。本当に信じられないことさ」

「でも僕とウィルは、昔から知り合っていて気が知れているから、激しくプッシュし合っていた」

「僕たち4人は異なった性質を持っていて、それぞれの弱点を持っている。みんながどういう仕事をするか、見ていて興味深いよ。僕たちはよく一緒に仕事するんだ。だから、僕たちの間で問題があったとは全く思わないよ。確執はない。何もない。僕たちチームメイトにとって、最高の1年になったことは本当に確かなんだ」

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この記事について
シリーズ IndyCar
イベント名 ソノマ
サーキット ソノマ・レースウェイ
ドライバー シモン パジェノー
チーム Team Penske
記事タイプ 速報ニュース