インディカー新王者のパジェノー「ジル・ド・フェランは僕のヨーダ」

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インディカー新王者のパジェノー「ジル・ド・フェランは僕のヨーダ」
David Malsher
執筆: David Malsher
協力: David Malsher
2016/09/19 13:18

今季のインディカー王者になったシモン・パジェノーは、今までのキャリアを振り返り、この喜びを噛み締めた。

Podium: race winner Simon Pagenaud, Team Penske Chevrolet, second place Will Power, Team Penske Chevrolet, third place Carlos Munoz, Andretti Autosport Honda
Race winner Simon Pagenaud, Team Penske Chevrolet, second place Will Power, Team Penske Chevrolet
Simon Pagenaud, Team Penske Chevrolet
Simon Pagenaud, Team Penske Chevrolet
Will Power, Team Penske Chevrolet, Simon Pagenaud, Team Penske Chevrolet, Helio Castroneves, Team Penske Chevrolet, Juan Pablo Montoya, Team Penske Chevrolet showing their Justin Wilson tribute socks
Car of Simon Pagenaud, Team Penske Chevrolet

 2016年のインディカー・シリーズを制したのは、ペンスキーのシモン・パジェノーだった。パジェノーは最終戦ソノマで勝利し、今季のタイトルを手中に収めた。この勝利は今季5勝目、彼のキャリアで9勝目である。

「感情が高ぶって心が震えているよ。今は何も言えない。でも今夜になったら分かると思う。多分だけど」

「もしペンスキーのようなチームに加入したら、彼らは最高のマシンを与え、最高の環境を提供してくれる。そして最高のパフォーマンスを発揮することが、ドライバーとしての仕事だ。チームメイトのウィル・パワー、エリオ・カストロネベス、ファン–パブロ・モントーヤは、世界でもベンチマーク的存在だ。そのライバルたちと同じマシンで戦いながら、自分がプッシュできるところを探していくんだよ」

「今シーズンは、チームとして、そしてドライバーとしても学ぶべきことが多かった。冬の間、僕はテストドライブするためにいくつかのコースにいた。僕のチーム、クルー、ストラテジストのカイル・モイヤー、そしてレースエンジニアのベン・ブレッツマンと一緒に、今年のチームは今までと異なるアプローチを試みたんだ。このアプローチは2010年のアメリカン・ル・マンシリーズのハイクロフト・レーシングに所属していた時以来のもので、ベンの監督下で行われたものだった。これが功を奏したんだよ」

 3年間のシュミット・ピーターソン・モータースポーツ所属から、ペンスキー・レーシングへ移籍した時は、困難ばかりだったとパジェノーは振り返った。

「その移籍が簡単なものだと想像されるなんてフェアじゃないよ。ペンスキーは4台でインディカーにエントリーしているんだ。そんなチームに入るのは初めての経験だよ。僕たちは他のチームで仕事していた人たちや、チーム内でも他のマシン担当で働いている人たちと、チームとして組み立てていかなければならなかった」

「まるでサッカーチームのようだよ。その中で僕たちは、お互いのシナジーを生み出していかなきゃならない。今まで経験したこともないから、慣れるのには時間がかかったよ。今年の僕は、シュミット時代の僕と、一味違って見えたんじゃないかな」

「ド・フェランは僕にとっての”ヨーダ”」

 パジェノーは、アメリカン・ル・マン・シリーズ時代のレースを思い返した。彼はインディカーで2度チャンピオンに輝いたジル・ド・フェランのチームに所属していたのだ。

 また彼は、2006年にフォーミュラ・アトランティックでタイトルをウォーカー・レーシングで獲得、2007年にはチャンプカー・シリーズ8位になり、デリック・ウォーカーのチームを離れた。その後、チャンプカーとインディカーが合併した際にドライブするマシンを確保することができず、ド・フェラン・モータースポーツに入った。

 彼は当時のインディカーに対する希望を語った。

「僕の夢は、手に届かないところにあった。ジル・ド・フェランは、僕を雇ってくれた時こう言ってくれたんだ。『インディカーに乗るという、君の夢を忘れるんだ』ってね。それで、僕はこう答えたんだ。『はい。なぜなら、僕はドライブしたいから』」

「それからレースしていたけど、僕の夢はすぐ消えてくれなかった。でもそんな自分に嘘をついていた。でも当時、彼が沢山のことを教えてくれたから、大丈夫だったよ。僕はジルのドライバーとして終えた後、その経験を活かして、多くのスポーツカーでレースをしたよ。その時に僕はよくわかったんだ。レースとは、左右に旋回することだけじゃないってことをね。沢山のことがわかったんだ」

「それが、僕の扉を開けたと思う。僕の隣にはジルがいて、彼は僕にとってのヨーダになったんだ。ちょっと格好いいよね。こう振り返ってみると、ワールドチャンピオンになれたことが本当に信じられない」

「おかしな話だよね。祝福を感じているよ。夢物語みたいだ。最高だよ」

パワーに対して敬意を払う

 パジェノーは、今季のチャンピオンシップでライバル関係にあったウィル・パワーを賞賛した。パワーは2005年からレースを始め、2007年のチャンプカーのウォーカー・レーシング時代では、パジェノーのチームメイトだった。

「ウィルは、驚異的なドライバーだよ」パジェノーは語った。

「彼に勝てたことも満足している。インディカー・シリーズの彼のスピードは、僕にとってのベンチマークだったよ」

「僕たちは2005年で一緒にレースをしていたけど、彼はロバート・クビサより速かったんだ。時に僕たちはフォーミュラ・ルノーで争っていたんだ。クビサはF1にいって、勝利を収めた。彼とルイス・ハミルトン、そしてウィル・パワーは、僕が見た最も才能のあるドライバーたちだよ」

「だから、彼に勝てたことは大きいよ。でも今季は彼にとって厳しいものになったと思う。そのせいで彼は不安定だった」

「彼は僕の友達だよ。僕たちはお互いを尊重し合っているし、これからもっとその思いが大きくなると思う。彼は多くのシーズンで強さを誇ってきた。初戦を逃してから挽回してきたのは、本当に信じられなかったよ」

 2号車に関しては、関係者たちの間ではある噂がされていた。チームは、モントーヤの将来を不安視し、交代させられる可能性が指摘されていたのだ。しかしパジェノーは、チームメイト全員に対し敬意を払っている。

「ドライバー同士の相性は素晴らしいと思うよ。ファン–パブロ(モントーヤ)は、僕たちの取りまとめ役なんだ。エリオは僕たちのお父さんみたいな人だよ! 僕たちはそれぞれその役割を果たしてうまくいってるよ。毎朝目覚めるだけで、僕は彼らを賞賛しているよ。そして、毎年最高のレースをしている。本当に信じられないことさ」

「でも僕とウィルは、昔から知り合っていて気が知れているから、激しくプッシュし合っていた」

「僕たち4人は異なった性質を持っていて、それぞれの弱点を持っている。みんながどういう仕事をするか、見ていて興味深いよ。僕たちはよく一緒に仕事するんだ。だから、僕たちの間で問題があったとは全く思わないよ。確執はない。何もない。僕たちチームメイトにとって、最高の1年になったことは本当に確かなんだ」

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この記事について

シリーズ IndyCar
イベント ソノマ
ロケーション ソノマ・レースウェイ
ドライバー シモン パジェノー
チーム Team Penske
執筆者 David Malsher
記事タイプ 速報ニュース