佐藤琢磨イベントTCM 2017開催「皆の気持ちが背中を押してくれた」

スペシャルトークイベント「TCM2017」が開催され、佐藤琢磨が今シーズンの振り返りと、レイホールに移籍する来季の展望を語った。

 1210日(日)、代々木にある山野美容専門学校で、インディカードライバー佐藤琢磨のファンクラブ”Takuma Club”の公式ミーティングイベント、「TCM2017」が開催された。

 毎年恒例となっているこのイベント。特に今年はインディ500を制した年という事もあって、定員700名の会場には多くのファンが集い、超満員状態となった。今回初めてアメリカを離れて来日中のボルグワーナートロフィーや、インディ500優勝時のレーシングスーツやヘルメット、ビクトリーレーンで牛乳をかぶったキャップなど、豪華な展示がファンを出迎えた。

 舞台の幕が開くと、そこにはインディ500優勝カラーリングが施されたショーカーが。スクリーンには今季を振り返るムービーが流れ、イベントがスタートした。

 会場に入った佐藤は、集まったファンとハイタッチしながら会場を周り、壇上に上がった佐藤はまず「やりました!」とその喜びを爆発させた。自動車ライターの大谷達也氏がサプライズで花束を渡し「みんなで勝ちましたね」と語ると、佐藤は「嬉しい! みんなの気持ちがずっと僕の背中を押してくれていました。今回の優勝は応援してくれたみなさんのおかげです」と感謝。大谷氏が思わず涙ぐむ場面もあった。

 その後、佐藤はダイジェスト映像を交えながらレースを丁寧に解説。開幕戦から手応えを感じながらも、なかなか結果を繋がらなかった序盤戦を振り返った。

  インディ500の解説に移ると、決勝当日の空模様も加味しながらマシンのセッティングを詰めていった逸話を披露。白熱のラスト11周を詳細に説明した。特に、エリオ・カストロネベス(ペンスキー)との熾烈な駆け引きについてのトークでは、思わずファンも息を呑んでいた。

 後半戦は安定して上位からスタートするも、トラブルやクラッシュに巻き込まれるなど歯がゆい展開。ランキング8位に終わったシーズンに「悔しいですね。アレックス(ロッシ)の上でフィニッシュしたかったですけど、しょうがないですね」と締めくくった。

 シーズンを一通り振り返った後には、カストロネベスのオンボードを見ながらライバル視点でインディ500を解説するという、このイベントならではの試みも。繊細なアクセルワークから佐藤を追うカストロネベスの心境を説明した。

 カストロネベスについて、佐藤は「エリオは僕の年上だから、彼が頑張れる限り僕も頑張れる。インディ500には3回勝っているし、彼と戦えることが嬉しかったし、誇りに思っています。彼は抜いた後も他のドライバーのラインのことも考えるし、本当に正直なドライバーなんです」とリスペクトを語った。

「彼とはギリギリのバトルができるし、そのバトルをみんなに知ってもらいたいんです。だから、東京モーターショーのトークショーが実現したんです。誰かがシナリオを書いたわけではなくて、ドライバーズパレードで一緒になった時に”話をしよう”ということになったんです」

  するとここで、サプライズでカストロネベスからのビデオレターが流された。カストロネベスが「ミナサン、コンニチハ! 来年も琢磨との素晴らしいバトルを期待している。でも今度は僕が勝つ!」と宣言すると、佐藤は「なにこれ聞いてない! 彼の人の良さがにじみ出てるでしょ? でも来年のインディ500は容赦なく来るでしょうね」と満面の笑顔を見せた。

 来季は、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍する佐藤。2012年に所属したこのチームを離れてからも、共同オーナーのひとりであるボビー・レイホールは佐藤にずっとラブコールを送っていたという。

 そんな中で、アンドレッティ・オートスポートのチームオーナーであるマイケル・アンドレッティから、エンジンメーカーの変更を検討していることを明かされた佐藤。そこで選択を他人に委ねるのではなく、”次のステップ”に進みたいと考え、1年を通して1台体制でグレアム・レイホールが好成績を残してきた、レイホール加入を”今しかない”と選択したと改めて語った。

「(アンドレッティ)26号車には後ろ髪を引かれたというか、彼らと共に作り上げてきたものは間違いなくナンバー1のものでした。別れはつらかったですけど、絆はいつまでも変わらないと送り出してくれて、感謝の気持ちしかないですね」とアンドレッティのメンバーへの感謝を述べた。

 トークショーが終わると、佐藤が実際に着用したチームシャツやサイン入りグッズが当たる抽選会やジャンケン大会が行われ、豪華な賞品を手にしたファンは満面の笑みを見せていた。

 その後、佐藤は2時間以上をかけて会場のファン全員と握手会を行った。

 最後に、もう一度インディ500のラスト11周の映像が流された。映像の中の佐藤がビクトリーレーンでマシンを止めマシンの上に立ち上がると、壇上のショーカーにレーシングスーツ姿の佐藤の姿が。マシンの上に立ち上がり、牛乳を頭からかぶるという歓喜の瞬間を完全再現。佐藤のスポッター、ロジャー安川氏もアメリカから会場に駆けつけた。

 佐藤はイベントの最後に来季に向けた意気込みを力強く語った。

「ここまでずっと夢を追いかけてきました。それを実現するために、本当にたくさんの人たちが悔しい思いをしながらサポートしてくれました。ひとつの夢は達成できましたけど、次々にまた新しい夢ができてきました」

「来季はまた新しいチャレンジになります。インディ500連覇はすごく難しいことだと思いますが、不可能ではないと信じて頑張っていきます。2018年のインディ連覇と、年間チャンピオンを目指します!」

 なお、今回のイベントはインディカーを放送しているスポーツ専門CSチャンネル『GAORA SPORTS』で201818日(月・祝)の13時から一部編集して放送される予定となっている。

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この記事について
シリーズ IndyCar
イベント名 Takuma Club Meeting
記事タイプ 速報ニュース