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インディ500好走の佐藤琢磨、挑戦は続く! 「来年はさらにこの上を行くべく準備をしていきたい」

今年のインディ500のレース前半を支配しながら、9位に終わった佐藤琢磨。彼はすでに来年の挑戦に向けた意欲を見せている。

Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing

Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing

写真:: Penske Entertainment

 第109回インディ500にレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)から参戦し、9位となった佐藤琢磨。日本のメディアを対象にしたリモート取材会で、その心境を語った。

「これまでの自分の経験と、パックをリードしていた感覚とタイミング、クルマの感触を合わせますと、優勝争いは十分にできたんじゃないかと思います」

 まずそうレースを総括した佐藤。2番グリッドからスタートした佐藤は積極的にレースを引っ張り、最多ラップリードを記録したが、3度目のピットストップでオーバーシュート。集団に埋もれたことで優勝争いから脱落してしまった。

 手前のピットで車両火災が起きて消火剤がまかれていたり、ピットインの練習ができるカーブデー終盤にトラブルが起きて、ピットストップの練習があまりできていなかった、かなり涼しいコンディションの中、コーション走行が長引きタイヤの温度が下がっていたという不運も重なったという。

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 2023年以降は、スポット参戦という形でインディカー、とりわけインディ500への挑戦を続けている佐藤。その理由について、次のように語った。

「2020年の2度目のインディ500優勝は、パンデミック下で行なわれたレースでした。本来は5月の第4週に行なわれるレースなんですが、異例となった8月の大会で、無観客開催でした。本来は35万人が施設に誰一人としていない、簡単に言うとさみしい大会だったんです」

「たくさんの方がテレビや、敷地外に集まって応援してくれていたことは十分承知しているんですが、チェッカーを受けた直後に35万人の歓声がコックピットの中にエンジンの音とかもかき消して入ってくる、2017年に受けたあの感覚を忘れることができませんでした」

「2度目に勝ったときにはそれがなかったのでこのままでは終われないなという思いがありました」

「今はHRCの育成にも力を入れさせていただいています。レーシングドライバーとしての第2章といいますか、これまでの経験と知見を活かして、日本のモータースポーツに貢献できることがあれば、還元していきたいと思いながらも、レーシングドライバーとして夢を追いかけています」

 2024年から引き続き、RLLから2025年のインディ500に挑んだ佐藤。オープンテストでは、ホンダが持ち込んだ新エンジンの感触も抜群で速さを見せていたものの、テスト2日目のクラッシュでマシンが大破。その瞬間、佐藤は今年の挑戦は終わったと感じたという。

「通常とは全く異なる、本当に特別な形でクルマを組み上げていくという背景を知っていたので、正直言って自分の今年のインディ500の挑戦はもうあの瞬間にもう本当に終わったと思いました」

「クルマの本当に細かいところまで分解して精度を上げていく作業っていうのは、通常約2ヵ月から長いチームで半年かけて1台のクルマを作ります。テストでクルマが大破した場合、そもそも精度が高いパーツはもうないんですね」

「もう本当にどん底の気持ちになったんですが、わずかクラッシュから 3時間後ですね。チームオーナーが新車を買うという決断をしてくださいまして、翌日にはモノコックをダラーラに取りに行くというものすごいスピード勝負になりました。不安な気持ちだったんですが、メカニックの全員が大丈夫だ。絶対何とかするっていう風に言ってくれました」

「土日も返上で、その間にレースもあったんですが、本当は行くべきだったクルーも残って14日間もう本当に休む日もなく、クルマを作ってくれました」

 そうチームへの感謝を口にした佐藤。とはいえマシンは万全な状態ではなく、予選の直前までバタバタが続いていたようだ。それでも周囲のマシンを観察してセッティングをアジャストしていった。

 それはまさに佐藤の持つ経験と、2020年にインディ500を制した際の古巣との信頼関係の賜物と言えるだろう。

 そして迎えた決勝では、佐藤は2番グリッドからスタートで3番手に後退するも、すぐに首位に躍り出る。隊列の先頭で走った際のマシンの感触を序盤のうちに確かめておきたかったという。

 前述の通り、様々な条件が重なって起きたピットストップでのミスが響き、大きく順位を落としてしまった佐藤。だがすでに、佐藤は来年の挑戦に向けて動き出しているようだ。

「自分としては攻めていたつもりは全くないんですけども、余裕がない状態でのピットストップになったのか、とにかブレーキを踏んだけど停められなくて2メートル弱オーバーシュートしてしまいまして、17番手まで落ちてしまいまして、優勝争いから脱落してしまいました」

「もちろん悔しかったですけども、インディ500で改めてトップコンテンダーとして戦えたというのはチームにとっても大きな自信につながりました」

「戦える環境を作ってくださったチームの全員、支えてくださるスポンサーさん、HRC、アメリカサイドも含めて一丸となって後押しをしてくださったことに感謝したいです」

「自分としてはここまで来た以上来年に向けて、もちろんまだ何も決まってませんけども、さらにこの上を行くべく……今年は前半戦をリードしましたから、来年は後半戦を支配できるようなイメージでチームとも話し合っていきながら、スポンサーの皆さんやホンダさんとも交渉して、来年に向けて準備をしていきたいと思います」

Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing

Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing

写真: James Gilbert / Getty Images

 今回のインディ500は、IMSAスポーツカー選手権に挑戦している太田格之進や、大津弘樹といったドライバーが現地観戦したことが明らかとなっている。

「格之進については、IMSAのテストでもともと渡米するという予定があり、昨年の末から絶対に行きたいという風に話がありました」

 そう佐藤は彼らについて語った。

「あのレベルのドライバーですし、多分自分の姿を重ねて見ていたと思います。ホンダのセミワークス活動として参戦しているIMSAで素晴らしい挑戦を続けていますけど、奇しくもそこで組んでいるメイヤー・シャンクへの大きなアピールになっていると思いますし、今後チャンスがあればインディカーやってみたいなという思いがあって来ていると思いますけども、そんなことも含めて興味深く見ていたと思います」

「大津は過去にも何度かインディカーを見に来ていますが、今回もどうしてもプライベートで見に行きたいですと言ってくれたので本当に嬉しかったですね。彼はスクールの講師として若手を指導してくれていて、技術的な背景への興味も含めてインディカーを見てくれていて、彼が挑戦するしないの話しはしたことないですけども、思うところはたくさんあったと思いますし、今後の彼の活動に一役でも買ったのであればすごく嬉しいです」

 挑戦を続けるモチベーションについて、ドライバー育成もひとつに挙げていた佐藤。自分が挑戦する姿を見て、若手の刺激になっていれば嬉しいと語った。

「今回の自分の挑戦を通じて、多くの若いドライバーたちに刺激を与えられていればいいなと思っています。そもそもインディ500の調整に関しては、本当にたくさんのスポンサーの皆様はじめ、多くの方のご支援がないとできないことでして、いくらホンダがいるといっても、オファーがあってやっているわけではなくて、HRCと交渉して、共同作業で実現していると思っています」

「若手のシートを奪い取っているという行動には僕は絶対にしたくないので、ある意味自分で勝手にやっています。若い子たちの、メーカーの力がなければF1まで行けない、インディカーまで行けないっていう気持ちも十分に分かりますが、本当にやり方次第ではいろんな道が開けるんです」

「自分がここまで多くの方は支援していただいてるのは、当然F1での活躍があり、インディのこれまでの活躍あってこそなので、スポンサー取ってこいよって簡単に言ったってそれは本当に酷な話なのは分かってます。ただ、その挑戦し続けるっていうのは、形にするってのはこういうことだというのを自分は示すことができているんじゃないかと思います」

「ここ数年の挑戦でいいますと、正直に言って胸を張れるような結果を出すことができなくて、いつまでやっているんだろうっていう思いも多くの方の中にあると思うんですが、結果云々ももちろん大事なんですが、そこに挑戦するということに僕は意義を感じていますし、わずか100分の7秒ブレーキを踏むのが遅れただけですべてを失ってしまう。そういうところで勝負をしているんだと、モータースポーツはそういうスポーツなんだということを再認識したと同時に、だからこそ面白いんだと。48歳になってもフロントロウに行けるんだとそれを見せたかったんですね」

「色々難しいハードルはあると思いますが、今後挑戦していく夢を持っているドライバーたちにとっても何かの刺激になるんじゃないかと、そういうところでえ話よりも自分の活動で教えていきたいなと。そういう思いもあって、今年の挑戦から若者たちが何かを得てくれたらすごく嬉しいです」

 今回のインディ500で、誰しもが「やっぱり佐藤琢磨ってすごい」と思ったのではないだろうか。彼の次の挑戦を楽しみにすると共に、それを引き継ぐ次代のドライバーが生まれることを期待したい。

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