レースレポート
IndyCar Detroit

インディカー第8戦デトロイト・レース2:終盤の大逆転でオワードが今季2勝目。佐藤琢磨は12位

インディカー・シリーズ第8戦デトロイト・レース2が行なわれ、パトリシオ・オワードが今季2勝目を飾った。佐藤琢磨は12位だった。

Race winner Patricio O'Ward, Arrow McLaren SP Chevrolet

 2021年インディカー・シリーズ第8戦デトロイト・レース2では、アロー・マクラーレンSPのパトリシオ・オワードが優勝。今季2勝目を挙げてポイントリーダーに浮上した。

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 2日連続開催のダブルヘッダーであるデトロイト戦は、前日に第7戦が行なわれてマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が優勝した。70周で争われる第8戦のポールシッターはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)で、彼は序盤から猛烈なペースで他を引き離すと、14周目には2番手以下に早くも10秒もの差をつけていた。

 そんな中、19周目にダルトン・ケレット(A.J.フォイト・エンタープライズ)がピットロード上でストップした際、コーションが出る可能性を考えてか、ニューガーデンはじめ彼を追いかけるコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポーツ)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)らが一斉にピットインしたが、コーションが出されることはなかった。ニューガーデンはレッドタイヤスタートのライバルに対し、ブラックタイヤスタートをチョイスしており、早めのピットストップをしたことで耐久性の劣るレッドタイヤでのロングスティントをこなさなければいけなくなった。

 レース終盤、ユーズドのレッドタイヤを労わりながら走る首位ニューガーデンに対し、ペースの良いハータがファステストラップを更新しながら迫ってくる。ついにその差は1秒を切り、ニューガーデン万事休すか……と思われた54周目、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)のスピンによって出されたコーションによってレース展開は大きく変わることになる。

 58周目のリスタート以降は、ニューガーデンがハータをジリジリと離す形に。一方勢いを失ったハータに代わって目の覚めるような走りを見せたのがオワードだった。オワードは58周目のリスタートでスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)のインに飛び込んで5番手に浮上すると、ロマン・グロージャン(デイル・コイン・レーシングwithリック・ウェア・レーシング)のマシンストップによるコーションが64周目に明けると、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、パロウ、ハータを次々とオーバーテイクして2番手に上がった。

 オワードは勢いそのまま、摩耗したレッドタイヤに手を焼くニューガーデンに接近。残り3周でオーバーテイクして首位に立つと独走状態となり、トップでチェッカーを受けた。2位はニューガーデン、3位はパロウだった。なお、テキサスのレース2以来となる今季2勝目を挙げたオワードは、パロウを1ポイント上回って選手権リーダーに浮上した。

 19番グリッドからスタートしたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、スタート直後のコーションでレッドタイヤからブラックタイヤに交換する作戦も功を奏してか、じわじわと順位を上げていった。最後のリスタートを10番手で迎えた佐藤だったが、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)を攻略しようとした際に少しオーバーシュートし、2ポジションダウン。結果的に12位でレースを終えた。

 

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順位 ドライバー チーム タイム Mph
1 Mexico パトリシオ オワード Arrow McLaren SP 1:41'30.881   97.227
2 United States ジョセフ ニューガーデン United States Team Penske 1:41'37.640 6.759 97.120
3 Spain アレックス パロウ United States Chip Ganassi Racing 1:41'37.820 6.939 97.117
4 United States コルトン ハータ Andretti Autosport with Curb-Agajanian 1:41'37.937 7.055 97.115
5 United States グラハム レイホール United States Rahal Letterman Lanigan Racing 1:41'38.576 7.695 97.105
6 Australia ウィル パワー United States Team Penske 1:41'39.323 8.441 97.093
7 New Zealand スコット ディクソン United States Chip Ganassi Racing 1:41'39.713 8.832 97.087
8 France シモン パジェノー United States Team Penske 1:41'39.945 9.064 97.083
9 Sweden マーカス エリクソン United States Chip Ganassi Racing 1:41'40.406 9.524 97.076
10 United States サンティノ フェルッチ United States Rahal Letterman Lanigan Racing 1:41'41.567 10.686 97.057
11 United States ライアン ハンター-レイ United States アンドレッティ 1:41'41.866 10.985 97.052
12 Japan 佐藤 琢磨 United States Rahal Letterman Lanigan Racing 1:41'42.457 11.576 97.043
13 United States アレクサンダー ロッシ United States アンドレッティ 1:41'45.091 14.209 97.001
14 Canada ジェームズ ヒンチクリフ Andretti Steinbrenner Autosport 1:41'45.878 14.996 96.989
15 United States コナー デイリー United States Ed Carpenter Racing 1:41'46.034 15.152 96.986
16 France セバスチャン ブルデー United States A.J. Foyt Enterprises 1:41'46.154 15.272 96.984
17 United Arab Emirates エド ジョーンズ Dale Coyne Racing with Vasser Sullivan 1:41'46.999 16.118 96.971
18 Netherlands リナス ヴィーケイ United States Ed Carpenter Racing 1:41'47.735 16.854 96.959
19 United Kingdom ジャック ハーベイ United States メイヤー・シャンク・レーシング 1:41'48.661 1 Lap 95.559
20 New Zealand Scott McLaughlin United States Team Penske 1:41'55.731 1 Lap 95.449
21 United States Jimmie Johnson United States Chip Ganassi Racing 1:42'04.650 1 Lap 95.310
22 United Kingdom マックス チルトン United Kingdom カーリン 1:41'50.633 2 Laps 94.144
23 Canada Dalton Kellett United States A.J. Foyt Enterprises 1:41'53.513 9 Laps 84.413
24 France ロマン グロージャン Dale Coyne Racing with RWR 1:22'40.171 13 Laps 97.218
25 United States Oliver Askew Arrow McLaren SP 1:04'47.910 24 Laps 100.095

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