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【インディカー】デトロイトを制したエリクソン、GP2以来8年ぶりの勝利に「この感覚が懐かしくてたまらない…!」

インディカー・シリーズ第7戦のデトロイト・レース1を制したマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、レースをリードしていたウィル・パワー(ペンスキー)が赤旗解除後にピットレーンで再始動出来ない様子を目にし、「今日は僕の日だ。この日の為に8年間も頑張ってきたんだ」と感じたと語った。

Race winner Marcus Ericsson, Chip Ganassi Racing Honda

写真:: Michael L. Levitt / Motorsport Images

 インディカー・シリーズ第7戦のデトロイト・レース1で、インディカー初優勝を遂げたマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、赤旗からのレース再開時に首位を走っていたウィル・パワー(ペンスキー)にトラブルが発生したのを目にし、「今日は僕の日だ。この日の為に8年間も頑張ってきたんだ」と最初に思ったと語った。

 レース後半、パワーとエリクソンは激しいバトルを繰り広げ、第5戦インディGPで初勝利を上げた若手のリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター)を引き離していった。しかし残り6周という時点でロマン・グロージャン(デイル・コイン)がクラッシュしたことで、このレース2度目の赤旗が出された。

 ドライバー達はピットレーンに戻り、レース再開を待った。猛暑の中、パワーのマシンには電気制御系ユニットに問題が発生し、再スタートすることが出来ずレースを終えることになった。パワーのリタイアによって首位に立ったエリクソンは、残り3周のレース再開直後から佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)を引き離し、佐藤を抜いたヴィーケイとパトリシオ・オワード(アロー・マクラーレンSP)という若手ふたりによる2番手争いは最終ラップまでもつれ込んだ。

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 結局エリクソンがトップを守り、2年前に同シリーズ初の表彰台を獲得したのと同じデトロイトで、初優勝を果たした。2位にはヴィーケイ、3位にオワード、佐藤は表彰台に届かず4位でフィニッシュした。2021年のNTTインディカー・シリーズでは、ここまでの7戦全てで、異なるドライバーが優勝している。

「レッドタイヤでスタートして、できるだけスティントを長く延ばそうとしていたが、タイヤ(のグリップ)を失うことなく良い形でそれを続けることができた」と、エリクソンは15番グリッドから勝利まで上り詰めたのレースを振り返った。

「クルーは1日を通して良いピットストップ作業をしてくれた。明らかに、(フェリックス・ローゼンクヴィスト/アロー・マクラーレンSPのクラッシュによって最初の)レッドフラッグが出されたことが、僕らに上手く働いた。僕らの戦略には、とても助けになったんだ。赤旗が出ている間に、戦略的にウィルの後ろ2番手にいることが分かった」

「赤旗再開後は、ウィルよりも速く走れると感じていたが、彼もとても良い走りをしていたし、僕が彼に追いつくと、必ずディフェンスしてきた。彼にプレッシャーをかけ続けて、ミスをさせようとしていた。もっとペースを上げられると思っていたが、追い抜くことはできなかった」

「それから、最後のレッドフラッグでは、最初は少しイライラしたけど『これはレースに勝つチャンスだ』と思えたんだ。頑張ろう、ウィルを追い越してやろうと気合が入っていた。最初のスティントでも僕らは少し速いくらいだと感じていたが、終盤の再スタート時には、彼を抜くチャンスがあると思っていた」

「残念ながら、彼にはトラブルが起きてしまった。彼には悪いと思っている。今日は素晴らしい仕事をしていたからね」

「でも僕らはここ数年ずっと悪運を抱えていた。だから僕は、『幸運を掴み取る時が来たなら、掴まないと』という感じだった。クリーンな再スタートと周回を重ねてただゴールするだけだ。再スタートはとても上手く行ったと思うし、その後はレースをコントロールすることが出来た」

「素晴らしい気分だよ。(初優勝まで)時間がかかったね。このために一生懸命努力してきた。チームも僕を信じて一生懸命働いてくれている。最高の気分だ」

「あとフェリックスに関しても、ひどいクラッシュだったけど彼は大丈夫だと耳にした。僕の良い友人のひとりだ。それが聞けて良かったし、今後も友人であってほしいね」

 ペンスキーのクルーがパワーのマシンを再始動出来なかったのを目にした時、何を思ったかとの質問に対し、エリクソンはこう答えた。

「特に彼はレースをリードしていたし、あんなトラブルに誰かが見舞われるのは見たくないものだ。インディカーで勝ちたいと今年はずっと言ってきたから、僕は彼を最後の再スタートで抜いてやろうとやる気満々だった。これが一番に思ったことだね」

「赤旗が出ていた時、僕は気合が入っていた。彼を抜くチャンスを手にしたと分かっていたからね。僕が言うように、誰にもトラブルを抱えてほしくはないけど、僕はチャンスを掴んだんだ!」

「『今日は僕の日だ。僕の日がやってきた。このために8年間も努力してきたんだ』とすぐに思った。ここ数年、僕にはツキがなかった。最初の赤旗は僕にとっての幸運だった。2回目の赤旗とウィルに起きたことも、幸運だね」

「でも同時に、僕らのパフォーマンスも良かったし、速かった。ピットも再スタートでも全て上手くいった。オーバーテイクも出来た。だから僕らは運も良かったけど、良い仕事もしたんだ。運はそのうちのひとつに過ぎない」

「ウィルはとても良い1日を過ごしていたから、彼には気の毒に思うけど、今日は僕らのものだ」

 エリクソンの今回の勝利は、2013年のGP2(現FIA F2)をDAMSで戦っていた時以来、実に8年ぶりの勝利だ。エリクソンは、2019年にシュミット・ピーターソン・モータースポーツ(現アロー・マクラーレンSP)のドライバーとしてインディカーへの参戦を始める前、ケータハムとザウバーという戦闘力に欠けるマシンで奮闘したF1での不毛な年月をこう振り返った。

「下位カテゴリーを経験して、F1に辿り着こうとしていた当時は、毎年のようにレースに勝って、上位(カテゴリー)に上がっていっていた。目標ではあるが馴染みのあるもののようだった。ヨーロッパのレースの厳しいところは、F1に参戦してトップレベルになると、2014年からの僕のように、所属するチームが優勝争いをするだけのリソースを持っていないこともあるという点だ」

「ドライバーとして、戦って勝利を目指す感情をある種忘れなければならない。インディカーに参戦して初めて、週末に望み『勝ちたい』『全員倒してやる』という気持ちを忘れていたことに気が付いた。それが、ここインディカー・シリーズの本当に楽しくて仕方がないことなんだ」

 エリクソンは、シュミット・ピーターソン・モータースポーツに1年所属した後、昨年からチップ・ガナッシ・レーシングに移籍したが、現在のチームではこれまで表彰台を獲得したことは無かった。

「僕はたくさん、たくさん努力を重ねてきた」と彼は言う。

「チームに聞けば、僕がどれだけ多くのことを学ぼうと懸命に努力したか分かると思う。学ぶべき素晴らしいチームメイトもいる。それが僕にとって大きな助けになっている」

「でも、全てを上手くまとめ上げて、インディカーで勝つことは、最もタフなことのひとつだと思う。インディカーではただ速いだけではダメなんだ。全てを正しく行なう必要がある。サポートしてくれるチームやピットストップ、戦略、セットアップが必要だ。勝つのが難しいシリーズのひとつだね」

「(勝利は)とても意味のあることだ。この感覚が懐かしくてたまらない……。間違いなく自信を失っていたと思う。精神的に強くなり、自分を信じ、自分の能力を信じることが必要だ。僕はやり遂げたんだ。僕は強くなれた。精神的な強さを持ち合わせていることが、私の強みだと思う」

「ただ、もちろんタフだった。8年間もレースをやっているのに勝てないというのは、誰にとってもタフだろうね! 僕の仕事はレースに勝つことだ。そして8年ぶりに僕はやってのけだんだ! もちろん、期待に応えたことになる。今日は、僕が勝てることを証明できたと思う。これは、今後の大きな助けになると思うよ」

 

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