かつてF1にもスポンサードのROKiT、支払い巡りインディカーでトラブルか? カルデロンの継続参戦は「保証されていない」
ラリー・フォイトは、インディカー・シリーズのA.J.フォイト・レーシングを支援するROKiTを巡る憶測を早急にクリアし、必要なら代替の資金を探す必要があると語った。
インディカー・シリーズに参戦するA.J.フォイト・エンタープライズは今季3台体制を敷いており、その内ROKiTがスポンサーを務める11号車はロード/ストリートコースでタチアナ・カルデロンを、オーバルコースではJ.R.ヒルデブランドを起用している。しかしその11号車の継続参戦に暗雲が垂れ込めているようだ。
第9戦ミッドオハイオを前に、A.J.フォイト・エンタープライズが公開したレース直前情報には、次のような記述があった。
「今週末ミッドオハイオで行なわれるレースに関しては、プライマリースポンサーであるROKiTの金銭的問題によりシボレー11号車の行く末は保証されていない。この問題は現在、チーム代表のラリー・フォイトが解決を試みている」
「ROKiTがこのプログラムを継続したいことは理解しているため、我々はこの困難な状況を切り抜けようとしている。しかし、それを妨げる可能性のある問題が浮上している。我々はこの問題をROKiTと共に解決するか、代替策として新たな資金源を見つける必要がある……」
この件に関して、チーム代表のフォイトはmotorsport.comに次のように話し、ROKiTと共に最後までシーズンを戦いたいと語った。
「ROKiTが努力しているのは知っているし、彼らが全く支払いをしていない訳ではない。ただ少し遅れているということだ。他と比べて価値ある競技とはいえ、やはり安価とは言えないスポーツなのだ」
「我々は状況をクリアにし、仮にROKiTが継続できないとなった場合のために何か別のものを押さえなければいけない。なぜ支払いが滞っているのかについて話すつもりはないが、我々は対話を重ねてきた。ひとつ確かなのは、我々がお互いこのシーズンを戦い切りたいと思っていることだ。だから我々が彼らを非難しているように思われるのは嫌なんだ」
かつてはF1でウイリアムズのスポンサーも務めたROKiT。現在は女性ドライバーのカルデロンを支援しているが、カルデロンはルーキーイヤーの今季、最高位15位という成績にとどまっている。ただこれについてフォイトは、ROKiTが彼女の成績に不満を抱いているということはないはずだと語る。
Photo by: Gavin Baker / Motorsport Images
「ROKiTは我々とタチアナに満足していると思う」とフォイトは続ける。
「その点では、全てがとてもポジティブだ。彼女は注目を集めているし、それはスポンサーにとっても素晴らしいことだ。彼女目当てのファンの数の多さには驚かされるし、彼女もファンに非常に良く対応していると思う」
「パフォーマンスという点で言えば、タチアナにとって学びの年になることは誰もが承知の上で、注目して見ていた。“Road To Indy”の(育成)カテゴリーから上がってきたルーキーとは違い、初めてのサーキットばかりで、テストも少ないのだからね」
「J.R.も素晴らしい。彼もチームに馴染んでいて、彼がチームの一員なのは嬉しいことだ」
なお、昨年のインディ・ライツ王者、カイル・カークウッドがドライブするA.J.フォイト14号車もROKiTの支援を受けているが、フォイト代表は14号車は11号車とは状況が違うと強調する。14号車には前任のセバスチャン・ブルデー時代からの資金源や、カークウッドが受けているRoad To Indyのスカラシップなどがあるためだ。
11号車が抱える問題は、第10戦の舞台であるトロントに向かえないほど差し迫ったものなのかと問われたフォイトはこう答えた。
「ROKiT含め全スタッフが色々と取り組んでいるので、そうでないことを願っている。これから数週間、何ができるか見て行くしかない。他のドライバーからマシンを引き継ぎたいとの電話もあった。正直関心を持ったことは認めるが、今はタチアナとROKiTを引き留めることに集中している」
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