インディカー第12戦インディGP2:パワーが今季初勝利で通算40勝目。佐藤琢磨は終盤接触も10位
インディカー・シリーズ第12戦がインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで行なわれ、ウィル・パワーが優勝した。佐藤琢磨は10位でフィニッシュした。
写真:: Gavin Baker / Motorsport Images
2021インディカー・シリーズの第12戦、インディGPの決勝レースが行なわれた。優勝したのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、今季初勝利となった。
今季2度目となるインディアナポリス・モータースピードウェイ・ロードコースでのレースがスタートすると、まずはポールスタートのパトリシオ・オワード(アロー・マクラーレンSP)が順調にリードを築いていき、パワーとロマン・グロージャン(デイル・コイン・レーシング)を従えて首位をキープした。
85周で競われるレースは10周過ぎから早くもピットが慌ただしくなり、16周目にはトップのオワードも最初のルーティンストップを済ませた。しかし、ライバルたちがレース序盤で早々にプライマリータイヤ(ブラックタイヤ)の使用義務を消化した一方で、ファーストスティントでオルタネイトタイヤ(レッドタイヤ)を履いていたオワードは、第2スティントでペースの劣るブラックタイヤを使わざるを得ず、レッドタイヤのライバルたちに次々にポジションを譲る形となってしまった。
これで首位はパワーに交代。コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)、グロージャンというトップ3に代わった。なお今回がデビュー戦ながら予選4番手に食い込んで話題をさらったクリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も、ブラックタイヤでの中盤スティントで全くペースが上がらず、上位戦線から脱落している。
その後、各車が最後のルーティンストップを終えて、上位はパワー、ハータ、グロージャン、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、そしてオワードというオーダーに。パワーが周回遅れのジェームス・ヒンチクリフ(アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート)に引っかかりライバルとの差が若干縮まるという場面もあったが、それ以外は大きな波乱もなく、コーションが一度も出ないまま残り20周を切った。
しかし、4番手まで順位を上げていたパロウが68周目にエンジントラブルでストップ。ポイントリーダーのパロウにとっては痛い戦線離脱となってしまった。
これによりこの日最初のコーションが出され、残り14周でリスタートが切られた。パワーは難なく首位をキープしたものの、この時点でプッシュ・トゥ・パスを使い切っていたグロージャンがハータをパスし、2番手に浮上した。
その後スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)と接触したリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)がコース上でスピンしたことで2度目のコーションが出されたが、パワーはここでもリスタートを決め、危なげなくトップチェッカー。今季初優勝を飾ると共に、通算40勝目をマークした。2位にはグロージャン、3位にはハータが入った。
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、15番グリッドスタートながら着々と順位を上げ、2度目のコーションが明ける際には8番手まで浮上していた。しかしジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)からの猛攻を受けると、残り2周のターン1で両者接触。ニューガーデンにコース外へと押し出される格好となった佐藤は順位を落とし、最終的に10位でフィニッシュした。
これで2021年のインディカーシリーズは残すところあと4戦となったが、依然としてパロウがポイントリーダーの座をキープ。今回のレースで5位に入ったオワードが21点差の2番手、今週末は17位と大苦戦したスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が34点差の3番手となっている。
順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | Mph | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ウィル パワー | Team Penske | 85 | 1:49'38.081 | 113.458 | 53 | ||
2 | ロマン グロージャン | Dale Coyne Racing | 85 | 1:49'39.195 | 1.114 | 1.114 | 113.438 | 40 |
3 | コルトン ハータ | アンドレッティ | 85 | 1:49'40.430 | 2.349 | 1.235 | 113.417 | 36 |
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