カストロネベス、46歳で4回目のインディ500制覇「これで終わりじゃない。まだまだ始まりだ!」
インディ500で自身通算4勝目を挙げたエリオ・カストロネベスは、46歳でもビッグレースに勝てることを証明したと語り、若いドライバーたちの奮起を期待した。
写真:: Sam Cobb / Motorsport Images
2021年のインディ500を制したのは、メイヤー・シャンク・レーシングからスポット参戦したエリオ・カストロネベスだった。カスロトネベスはこれで、2009年以来12年ぶり、インディ500通算4勝目。また46歳20日で勝利したことにより、1987年のアル・アンサー(47歳360日)、1981年のボビー・アンサー(47歳94日)、1993年のエマーソン・フィッティパルディ(46歳170日)に次ぐ、インディ500を制した4番目に”年長”のドライバーになった。
カストロネベスは2017年限りで、インディカー・シリーズへのフル参戦を終了。IMSAスポーツカー選手権に主戦場を移した。ただインディ500を中心にスポット参戦を継続し、今季はメイヤー・シャンク・レーシングの一員として出場することとなった。
そのカストロネベスはレース終盤、チップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウと激しい争いを繰り広げていた。そして残り6周という時点で、先頭を走っていた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)が燃料が足りずにピットインすると、カストロネベスは首位に浮上。パロウの追撃を抑え切り、トップチェッカーを受けた。
カスロトネベスは、このインディ500が今季2レース目。1レース目はデイトナ24時間であり、そのレースでも勝利を収めている。つまり、今季はビッグレースのみの参戦にも関わらず、2戦2勝ということになったわけだ。
「僕は今年たった2レースしか戦っていないけど、2勝したんだ。まだあると思うよね」
「言っておくけど、これで終わりじゃない。まだまだ始まりなんだ」
「良い比較かどうかは分からないけど、トム・ブレイディが(アメリカン・フットボールの)スーパーボウルに勝ち(編注:2020年に43歳188日で出場し、先発QBの最年長記録を更新。さらに同試合のMVPも獲得しており、これも最年長記録である)、フィル・ミケルソンは(ゴルフの)マスターズを勝った(編注:実際には全米プロゴルフ選手権のことだと思われる。ミケルソンは今年の全米プロゴルフ選手権を50歳と348日で制している)。だから、歳を重ねてもまだまだできる。まだまだ、若い選手たちにプレッシャーをかけ、彼らに教訓を与えるんだ」
カストロネベスは、チームに対して次のように感謝の気持ちを語った。
「まず最初に、AutoNation、SiriusXM、マイク・シャンク、ジム・メイヤー、そして組織全体とホンダに感謝してもしきれない。彼らは、僕が必要としている時に、多くのモノをもたらしてくれた。彼らはすぐ近くで支えてくれた」
「この舞台は本当に素晴らしい。僕はインディアナポリスが大好きだ。みなさんには理解できないだろう。ファンのみなさんが、僕に大きなエネルギーを与えてくれる。絶対に皆さんには理解できないと思うよ。本当に信じられないようなことだ!」
「最初から、僕らは快適に走ることができ、満足していたし、落ち着いていた。何を言えばいいんだろう。とにかく今僕は、とても興奮している。ファイアストンのタイヤも、完全にレールの上を走っているような状態だった。マシンは信じられないほどの出来だった。良い調子だというのは分かっていたし、戦わないいけないこと、大変な仕事をしなきゃいけないことも分かっていた」
「でも、何て言えばいいんだろう……。なんて信じられないような気持ちなんだ! ブラジルにいる僕の家族、母と父がいなければできなかった。僕はあなたたちを愛している」
「そしてもちろん主よ……主はいつも僕の側にいてくださった」
そしてカストロネベスは次のように付け加えた。
「このチームには、初めて一緒に仕事をした人がたくさんいる。まったく初めてなんだ。でも誰も諦めず、疑いも持たず、素晴らしいマシンを僕に用意してくれた。僕がやらなきゃいけないことは、ただうまく戦う……ということだけだった。そしてそれを成し遂げたんだ」
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