「燃料が本当にギリギリだった」インディ500で2勝目の佐藤琢磨が終盤の攻防を語る

インディ500で自身2度目の優勝を飾った佐藤琢磨はレース終盤、燃費をコントロールしながらギリギリの戦いを繰り広げていたと語った。

「燃料が本当にギリギリだった」インディ500で2勝目の佐藤琢磨が終盤の攻防を語る
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 第104回インディ500でフロントロウからスタートし、自身2度目の優勝を飾った佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。彼はレース終盤のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)との首位争いの中で、残りの燃料搭載量を巡る非常にシビアな戦いがあったことを明かした。

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 200周のレースは、いよいよ終盤を迎えていた。首位を走る佐藤は169周目を迎えたタイミングで最後のピットストップを行なったが、彼を追いかけていたディクソンはその1周後にピットインし、佐藤の前でコースに復帰することに成功した。しかしながら佐藤はペースが速く、173周目にディクソンをオーバーテイク。前を走るザック・ビーチ(アンドレッティ・オートスポーツ)とマックス・チルトン(カーリン)がピットに入ったことで、185周目に再び首位となった。

 残り10周を切り、佐藤とディクソンの差は1秒前後に広がることもあれば、トラフィックに遭遇した関係で0.5秒以内に縮まることもあり……非常に息詰る攻防となっていた。そんな中、残り5周でスペンサー・ピゴット(Citrone Buhl Autosport with RLL)がクラッシュ。インディカーはここで赤旗を出さずに残り周回をイエローコーションで処理することを決定。そのままアンダーイエローでチェッカーフラッグが振られ、佐藤の勝利となった。

 この決定についてインディカーのレースコントロールは次のように宣言した。

「インディカーはレースをアンダーグリーンで終わらせるためにあらゆる努力をしているが、今回のケースについては、赤旗を出してペースカーの後ろに集団を整列させ、グリーンフラッグの下でフィニッシュさせるには残り周回数が少なすぎると判断した」

 ディクソンはレース後、佐藤がチェッカーまで燃料をもたせることができないだろうと確信していたと語っていた。当の佐藤も燃料がギリギリだったことを認め、燃料ミクスチャー(混合比)をコントロールするデリケートな作業に追われていたことを明かした。ディクソンの追撃を交わすためには燃料ミクスチャーを“リッチ(濃い状態)”にして最大限のパワーを引き出したいところだが、チェッカーを受けるためには出来る限りミクスチャーを“リーン(薄い状態)”にして燃料を節約する必要があったからだ。

「この2週間を通して、スコットが最大のライバルであることは僕たちの誰もが理解していました」

 佐藤はそう語った。

「ディクシー(ディクソン)とガナッシはマシンを常に競争力のある状態にするために、驚異的な仕事をしています。彼はスタートでリードしましたが、そこからは静かでした。僕もその間、ミクスチャーをいじりながら、どれだけ燃費を稼げるかを見ていました」

「その後ライアン(ハンター-レイ)が追い付いてきたので、その時は2台のトラフィックと1台のトラフィックがどう違うのか見たいと思っていました」

「最初の100ラップではトップ3かトップ5に入りたい、というのがこのレースに臨む上での僕の考えでした。もちろん、できるならば、レースをリードしたいですが、そうなると燃料を使いすぎてしまうので……」

「僕たちは非常に競争力のあるパッケージを持っていましたが、ピットストップの度にいくつかの変更を加えていました。ある時は欲張りすぎたり、またある時は保守的すぎたり……それを何度も行ったり来たりしていました。でも最後の3スティントはマシンに満足していました。後半はどのスティントでも強力で、スピードがありました」

「ただ、トップに立った時(157周目)にピットから燃料を使いすぎていると言われたので、アクセルを緩めて(燃料)ミクスチャーをリーンにしました。そうするとすぐにスコットが見えてきて、追いつかれてしまいました」

「この時点で僕は最大出力に切り替えないといけませんでしたが、彼が(トラフィックの)3台〜4台後ろにいる時はよりリーンなミクスチャーに戻していました」

「僕たちは近付いていました。最後のイエローで救われたのは間違いありません。でも、それがなくても(燃料の)数値は足りていました。例え(最終スティントが)ずっとグリーンだったとしても、問題なかったと思います」

「ただ、最後の数ラップはディクシーに攻められていたでしょうね。おそらく彼は100%リッチで走ることができたでしょうから。僕たちもポケットにいくつか隠し持っていましたが、そうでなければ本当にギリギリだったと思います」

 

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