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“理想のレース”を実現させた佐藤琢磨が、インディ500での2勝目を確信した瞬間

2020年のインディ500で勝利した佐藤琢磨は、今回のレースを「ほとんど理想に近い」レースだったと振り返った。

Race Winner Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing Honda with the Borg-Warner Trophy

Race Winner Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing Honda with the Borg-Warner Trophy

Phillip Abbott / Motorsport Images

 第104回インディ500を制し、史上20人目となる同レースの複数回勝者となった佐藤琢磨。彼は8月25日に日本の報道陣に向けて行なわれたオンライン記者会見の中で、改めてレースを振り返った。

 アンドレッティ・オートスポーツに所属していた2017年にインディ500を初制覇した佐藤は、翌年から古巣であるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍すると、2019年のインディ500では一時は周回遅れになりながらも終盤は優勝争いに絡むという驚異的なパフォーマンスで3位に入った。そして迎えた2020年のインディ500ではフロントロウ3番グリッドからスタートすると、終始上位争いを展開。終盤にレースの大半をリードしていたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)をオーバーテイクし、2度目のインディ500優勝を勝ち取った。

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 インディ500では直近4シーズンで2勝、そして3位が1回という好成績を残している佐藤だが、今年のレースはこれまでとは全く異なる状況だったと語った。

「インディ500で2度目の優勝、とっても嬉しいです。これまでサポートしてくださった皆さんに感謝しています。そして何よりチームの働きが際立っていたと感じています」と佐藤は開口一番そう語った。

「2017年に自分がアンドレッティ・オートスポーツでインディ500を勝った時は、明確なマシンのアドバンテージがあったと思います。チームにもリソースがありましたし、パッケージも強力でしたから、その中でしっかりプログラムを積み重ねていけば勝利につながる、という状況でした」

「レイホールに移籍した2018年のレースは散々でした。2019年はチームとしては大きな飛躍を遂げたと思いますが、トップ争いに加わったのが遅すぎて、マシンの完成度が低かったです。レースではトップとコンマ数秒差でのフィニッシュとなりましたが、実際には見かけ以上の差があったと思いますし、あの時は3位より上には入れなかったと思います。ただ今年のレースは序盤から本当に落ち着いて、プログラムを組み立てながらレースを戦えました」

 そう語った佐藤。彼はフロントロウからのスタートとなったことで終始レースをコントロールすることができ、終盤に向けて思い描いていた通りの展開でレースを進められたという。

 彼は自身のレース戦略について振り返る中で、レース中に勝利を確信した瞬間があったことを明かした。

「僕は最初ディクソンの後ろ、2番手につけていました。その後ライアン・ハンター-レイがものすごいスピードで追いかけてきたので、そこは無理をせずに彼に先行させました。そうすることで、自分の前に1台いる場合と2台いる場合のマシンの変化を見たかったんです。最終的にレース終盤では2台、3台による戦いになりますから。(前にいるマシンの台数が変わると)空気抵抗が変わることで燃費も変わりますし、ダウンフォース量が変化することでタイヤの保ち具合やマシンバランスにも影響があります」

「去年僕が周回遅れから3位になった時は、10台、20台のマシンの中をかいくぐってトップ争いに加わらないといけませんでしたが、そういう時のマシン作りとは全く違う訳です。ですから今回は最初から1台、2台(とのバトル)に絞ってマシンを作っていきました」

「レースではピットストップの度にフロントウイングやタイヤの内圧などを調整していく訳ですが、色々と試していく中でセッティングが落ち着いたので、最後の2スティントはマシンをいじりませんでした。これは僕が目標として決めていたことだったので、それができた時点で『今回はいけるぞ』と思いました」

 マシンバランスもバッチリ決まり、タイヤの状態も良好。そんな中で佐藤はついにディクソンの前に立つ。このリードチェンジも、”最後の詰め”のための一手だったという。

「そして150周過ぎにディクソンの前に出て、トップに立った時にどんな状況になるのかを試しました。ディクソンがどのくらいの時間をかけて僕に追い付いてくるのか……駆け引きをしながら走りました」

「前に出た瞬間からは、燃費重視の(燃料混合比が)薄い燃料マップで走っていて、ディクソンが追いかけてきた時だけフルパワーにしました。ディクソンは、僕が燃料がもたない中で捨て身の作戦でプッシュしていると思っていたみたいですが、そんなことは全くありませんでした。僕たちは燃料計算をしていましたし、特に最後の3周はフルパワーで走れるような状態にしていました」

「というように、全て最後のスティントのために完璧に組み立てることができた、そんなレースだったと思います」

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■今回のインディ500こそが“理想のレース”

Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing Honda

Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing Honda

Photo by: Phillip Abbott / Motorsport Images

 これまでの佐藤は、逆境を跳ね返すように後方から怒涛の追い上げを見せ、好成績を残すというレースが多かった。昨年のインディ500はまさにその最たる例であるし、過去を遡ればF1で表彰台を獲得した2004年のアメリカGPもそうだった。インディ500初制覇を成し遂げた2017年のレースも、終盤にオーバーテイクショーを見せてトップに浮上したという点では、ある意味それに当てはまるかもしれない。

 しかし佐藤は、今回のインディ500こそが理想に限りなく近いレース展開であったと語った。

「今回の走り方は、ほぼ理想に近い走り方です。いつもこうやって走りたいくらいです」

「これまで僕が後ろから追い上げていたのは、別に追い上げがしたかった訳ではなくて、そうせざるを得ない状況からそうなった訳で、最後は時間切れになるというのがほとんどでした。去年のインディ500も、終盤に赤旗再スタートとなった時点で先頭集団につけていましたが、時間がありませんでした。それはコンペティションとして争う時間がなかったという訳ではなく、優勝を争うのに必要なマシンを作る時間がなかったということです」

「今回僕が最終スティントでファステストラップを出したのも、それまでは相手に速さを見せたくなかったからです。見せてしまうと、相手にレース中に調整をする時間を与えてしまいますから。逆に言えばそれくらい余裕を持ってレースを運べていたということです」

 

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