ポートランド決勝:混乱のレースをパワーが制す。佐藤琢磨、事故に巻き込まれ15位
インディカー・シリーズ第16戦ポートランドの決勝レースが行われ、ウィル・パワーが優勝を果たした。
写真:: motosport.com
インディカー第16戦グランプリ・オブ・ポートランドが行われ、ウィル・パワー(ペンスキー)が優勝を果たした。
インディカーでも、F2のレース中の事故で亡くなったアントワール・ユベールに黙祷が捧げられた。
コルトン・ハータ(ハーディング・レーシング)がポールポジションからスタートした決勝レースだったが、スタート直後から波乱含み。ターン1で多重クラッシュが発生したのだった。
これは、ターン1で減速し切れなかったグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)が、ザック・ビーチ(アンドレッティ)に追突したことが引き金になったもので、いきなりイエローコーションが宣言された。この事故にはコナー・デイリーとジェームズ・ヒンチクリフのシュミット・ピーターソン勢も巻き込まれ、1周目からレイホールとビーチを含む4台がストップすることとなった。
また佐藤琢磨もこの事故の巻き添えを食い、右リヤサスペンションにダメージを負ってしまう。佐藤は緊急ピットインを行い、サスペンションのパーツを交換してコースに復帰したが、2周遅れとなってしまった。
このイエローコーション明けもやはり混乱。13周目にグリーンフラッグが振られたが、ジャック・ハーベイ(マイケル・シャンク)とライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ)が接触。これで再びイエローコーションが出されることになった。
ハンター-レイは、チームメイトのアレクサンダー・ロッシのプレッシャーを受けてターン1に進入していったが、その防戦に気を取られ、アウト側にいたハーベイに気付くのが遅れた様子。ハンター-レイとハーベイは、かなり激しいコンタクトだった。
これでハーベイはストップ。ハンター-レイもピットに戻り、マシンの大掛かりな修復を受けることになった。
この事故からのリスタートは18周目。ようやくバトル開始となった。
ポールポジションスタートのハータは首位をキープしていくものの、ペースが上がらず。35周目頃からスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)の厳しいプレッシャーに晒されることとなった。そして37周目にディクソンがオーバーテイク完了。ハータはタイヤの性能が一気に低下したか、ズルズルとポジションを落としていった。ハータは39周目にたまらずピットイン。41周目にはディクソンやパワー、そしてロッシらがピットインした。ローゼンクヴィストはこのピットインを遅らせ、ロッシの前に出ることに成功した。
アンダーグリーンでの1回目のストップを終えても、ディクソンが首位をキープ。このまま圧勝かと見られた。しかし、52周目に突如スローダウン。ディクソンはピットに入ったが、エンジンが突然ストップ。マシンのカウルを開けて修復を行うも、3周遅れとなってしまった。
これで首位に立ったのはウィル・パワー(ペンスキー)。その後方にフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)とロッシが続くというオーダーになった。ラストピットもアンダーグリーンで行われ、上位の順位は変わらず。パワーとローゼンクヴィストはこの時点で約3秒差だった。ロッシはローゼンクヴィストから10秒以上遅れており、勝負の行方はパワーとローゼンクヴィストに絞られた格好だ。
上位を走っていたマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ)だが、シモン・パジェノー(ペンスキー)との接触があり、フロントウイングを壊してしまうことになった。
パワーのペースは良く、ローゼンクヴィストとの差を徐々に広げて行く。しかし残り8周というところでサンティノ・フェルッチ(デイル・コイン)のマシンにトラブルが発生。フェルッチのマシンはメインストレート脇に止まってしまったため、これでイエローコーション発令。隊列が一気に縮まることになった。
残り4周というところでリスタート。先頭のパワーは絶好の加速を見せ、ローゼンクヴィストの追従を許さない。ロッシもローゼンクヴィストについていくことができず、逆にハータのプレッシャーを受けることになる。
結局パワーが危なげなく逃げ切り、今季2勝目。ローゼンクヴィストが2位、3位にはロッシが入った。ポールポジションからスタートしたハータは4位でのフィニッシュとなった。
佐藤琢磨は1周目の遅れを取り戻すことはできず、結局2周遅れの15位でフィニッシュすることになった。
順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | Mph | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ウィル パワー | Team Penske | 105 | 1:58'43.0036 | 104.225 | |||
2 | フェリックス ローゼンクヴィスト | Chip Ganassi Racing | 105 | 1:58'45.7921 | 2.7885 | 2.7885 | 104.184 | |
3 | アレクサンダー ロッシ | アンドレッティ | 105 | 1:58'47.5875 | 4.5839 | 1.7954 | 104.158 | |
4 | Colton Herta | Harding Racing | 105 | 1:58'48.2316 | 5.2280 | 0.6441 | 104.148 | |
5 | ジョセフ ニューガーデン | Team Penske | 105 | 1:58'48.8575 | 5.8539 | 0.6259 | 104.139 | |
6 | スペンサー ピゴット | Ed Carpenter Racing | 105 | 1:58'49.7513 | 6.7477 | 0.8938 | 104.126 | |
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