使えないはずのプッシュ・トゥ・パスが全車使える……!? インディカーがシステムエラーを報告、ブースト発動のドライバーに罰則はなし
インディカーのロングビーチ戦では、ソフトウェアの不具合によって一時的に全車プッシュ・トゥ・パスが使用できる状態になっていたことが明らかとなった。
先日ロングビーチで開催され、チップ・ガナッシのアレックス・パロウが今季3勝目を挙げたインディカー・シリーズ第5戦。全90周で行なわれたレースの61周目に、プッシュ・トゥ・パスのソフトウェアに不具合が発生した。
プッシュ・トゥ・パスとは、ボタンを押すことでオーバーテイクのための追加パワーを得られるシステムのこと。このレースでは、57周目にフルコースコーションが出されて61周目にリスタートが切られたが、本来その次の周回のスタート/フィニッシュラインを通過するまでプッシュ・トゥ・パスが使用できないはずのところ、不具合によってその前から全車使用可能になっていたという。
この間、12台のマシンがプッシュ・トゥ・パスを使用していたことが判明。その内1件のオーバーテイクが成立し、マーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク)がサンティーノ・フェルッチ(A.J.フォイト)を追い抜いたが、この時は両者がボタンを押してブーストを作動させていたという。
インディカーは声明を発表し、本来使用できないタイミングでプッシュ・トゥ・パスを使っていたドライバーに罰則などは適用しないことを明らかにした。
「ソフトウェアが適切に作動することを保証し、ルールを正しく遵守させる責任はインディカー側にある」
「検証の結果、12台のマシンが代替スタート/フィニッシュラインの通過前にシステムを使用していたことが判明した。しかし、インディカーの審判団はこれをドライバーやチームの違反とはみなしていない」
「レース後のさらなるデータ分析では、ソフトウェアの不具合によって順位変動が生じたケースは、66号車(アームストロング)が14号車(フェルッチ)を抜いた1件のみだったことが分かっている。ただしこのオーバーテイクにおいても、両車がほぼ同程度P2P(プッシュ・トゥ・パス)を使用していた。この分析に基づき、公式リザルトの変更は行なわない」
「インディカーは今回のシステム障害について引き続き検証を行ない、将来のレースで同様の問題が発生しないよう追加の対策を講じる」
なお、2024年のセントピーターズバーク戦では、チーム・ペンスキーのドライバーが今回と同様にリスタート時の使用制限下でプッシュ・トゥ・パスを使用したという一件があった。この時は「競技上のアドバンテージを得た」として、ジョセフ・ニューガーデンの優勝とスコット・マクログリンの3位が取り消された。
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