「予選で起きたことは信じられない」ついに迎えた開幕戦を走れず……佐藤琢磨無念
ついに開幕戦を迎えた2020年のインディカー・シリーズ。しかし佐藤琢磨は、予選でクラッシュしたことが影響し、決勝レースに出走することはできなかった。
Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing Honda
IndyCar
ついに開幕を迎えた2020年シーズンのインディカー・シリーズ。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各チーム/ドライバーなどがソーシャルディスタンスを守り、全てのセッションを1デイで行なうという、いつもとは異なるフォーマットで開催されたテキサス300で優勝したのは、チップ・ガナッシのスコット・ディクソンだった。
レイホール・レターマン・ラニガンの佐藤琢磨は、フリー走行では好調な走りを見せた。しかし予選のウォームアップラップで、NASCAR用に再舗装された、グリップの低いラインを通ってしまったことでスピン。そのままウォールにクラッシュしてしまった。
チームはそれからマシンの修復を試みた。しかしワンデイでの開催であったことが祟り、修理は間に合わず……結局決勝レースには出走することができなかった。
「レースを戦うことができず、すべてのファンのみなさんに申し訳なく思っています。予選でのクラッシュ後、メカニックたちはマシンの修復に必要なあらゆる作業に取り組んでくれました」
佐藤琢磨は、チームのプレスリリースにそうコメントを寄せた。
「予選で起きたことについては、まったく信じられませんし理解もできません。アクシデントが起きたのは計測ラップ前のことです。まだウォームアップ中のことで、スピードを徐々に上げながらマシンの感触を掴もうとしていました。ターン1にアプローチしようとしたところ、突然リヤのグリップが失われたのです。もしかすると、よりいいフィーリングを得ようとして本来よりも少しアウト側のラインを走行したのが原因かもしれません。今日は路面が恐ろしく滑りやすいことに、このときはまだ気づいていなかったのです」
「不運にも僕はウォールにクラッシュしました。いつもであれば、メカニックたちはレースまでに素早くマシンを修復してくれたでしょうが、今回はスケジュールを短縮した1デイ・イベントだったためにレースまでの時間が不十分で間に合いませんでした。最後の最後まで懸命の作業を続けてくれたメカニックたちに心からお礼を申し上げます」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、長らく延期されてきたインディカーの2020年シーズン。ようやく迎えた開幕戦を走れなかったことについて、佐藤は悔しがる。
「レースまで8ヵ月待ち続けて、そこからさらに3週間待たされることになったので、とてもガッカリしています。(トラブルのため上位入賞ができなかった)チームメイトのグレアム(レイホール)についても残念に思っています。グレアムが予選で見せた走りは素晴らしく、レースでも激しく戦っていましたが、今日のレースでは2台とも入賞できなかたので、本当に落胆しています」
今季のインディカー ・シリーズ第2戦は、インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで、7月4日に決勝レースが行なわれる。インディアナポリスのロードコースは、佐藤がF1時代に表彰台を獲得したコース……その思い出の地での巻き返しを、佐藤は誓う。
「今日はかなり落ち込んでいますが、これから3週間は集中力を維持し、より力強くなって第2戦に臨むつもりです」
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