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F1シート巡る泥沼裁判がついに決着……チップ・ガナッシはマクラーレンと和解「パロウは周りに良い人材を置くことの重要性を学んだ」

アレックス・パロウの契約を巡る裁判ではマクラーレン側の主張を認める判決が出されたが、マクラーレンとチップ・ガナッシは最終的に和解する形となった。

Alex Palou, Chip Ganassi Racing

Alex Palou, Chip Ganassi Racing

写真:: Gavin Baker / Lumen via Getty Images

 マクラーレンはこれまで、アレックス・パロウの契約を巡ってチップ・ガナッシ・レーシングと法廷闘争を繰り広げていた。しかし今年初めにロンドン高等裁判所でマクラーレンの主張を認める判決が下された結果、両者は和解するに至った。

 両者が最初に対立したのは2023年。インディカー・シリーズにおけるパロウの所属をめぐって、マクラーレンとチップ・ガナッシの両方が権利を主張したことに端を発する。マクラーレンは契約違反として提訴したが、2023年はパロウがチップ・ガナッシに残留しつつも、並行してマクラーレンF1チームのテストドライバーを務め、2024年にはインディカーでもマクラーレンに所属することになるとされていた。

 しかしパロウはF1参戦の希望を失ったとして、マクラーレンとの契約を破棄。マクラーレン側は、インディカー部門でのスポンサー収入、ドライバー給与、成績連動収益などで被ったとされる損失の回収を求めて提訴した。そして今年1月、パロウはマクラーレンに対し1,200万ドル(約18億円)以上の賠償金を支払うよう命じられていた。

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 そしてこの問題はついに、和解という形で終結を迎えた。金曜日、マクラーレンCEOのザク・ブラウンは次のように語った。

「1月に英国の裁判所が我々の主張を認めた後、チップ・ガナッシ・レーシングと和解に達することができ、大変嬉しく思っている」

「長きにわたってこの案件に直接取り組んだチーム、そしてプロセスを通して我々を支えてくれたすべての人々に感謝したい」

「これで再びサーキット上での戦いに集中できる。エキサイティングなインディカーのシーズンに向けてフォーカスできることを嬉しく思う」

 裁判中、パロウはブラウンから2024年のF1シートについて期待を持たされていたと主張。また、2023年にオスカー・ピアストリがランド・ノリスのチームメイトとしてマクラーレンからF1デビューを果たした際にも、自身のチャンスには影響しないと説明されたと述べていた。

 他にもパロウは、ブラウンから「ピアストリ起用の決定は自分が下したものではない」と言われたこと、またピアストリのパフォーマンスは2024年に向けて自分と直接比較されると説明されたことを訴えていたが、ブラウン側はそれらを真っ向から否定。どの主張も馬鹿げているとして、一笑に付すような状態だったという。

 その後パロウは自身の発言を訂正し、裁判所の判断を受け入れたうえで、マクラーレンが契約上の義務をすべて果たしていたことを認めた。そして、自身は周囲の人々から振り回されていたことを示唆した。

「当時、自分はさまざまな方向に引っ張られた。周りにいたのは良い人たちではなく、自分のことを心から思ってくれるような人ではなかったと思う」

「当時は誤ったアドバイスを受けたり、そもそもアドバイスを受けられなかったりした。振り返れば、ザクに直接連絡を取っていれば、状況は違った展開になっていたかもしれない」

「マクラーレンとザクは多くの面で自分を支えてくれて、すべての契約上の義務を果たし、約束したことをすべて実行してくれた」

「マクラーレンに騙されたことはないし、組織としても非常に尊敬している。また、このプロセスを通して献身的に支えてくれたチームメイト、そしてチップ・ガナッシ・レーシングの全員にも感謝したい」

「この経験から多くを学んだ。この件が和解に至ったことを嬉しく思うし、円満な結論に向けて関わったすべての人に感謝している。今後は、自分が深く敬意を抱くふたつの偉大な組織が、純粋にレーストラック上でのみ競い合うことに集中したい」

 またパロウは、この件について「信じられないほど困難な時期」だったと振り返り、両陣営を「難しい立場に置いてしまった」ことを深く後悔していると述べた。

 そしてチップ・ガナッシ・レーシングのオーナーであるチップ・ガナッシは次のように語った。

「起きたことを容認することはできないが、この件が終結したことを嬉しく思う。振り返ってみれば、アレックスは周囲に良い人材を置くことの重要性を学んだはずだ。今はそうなっているので、2023年の出来事が繰り返されることはないだろう」

「ザクとマクラーレン・レーシングが、この問題を過去のものとし、エキサイティングなインディカー・シーズンに完全に集中する機会を与えてくれたことに感謝したい」

 2026年のインディカー・シリーズは今週末のセントピーターズバーグ戦で開幕する。2021年、2023年〜2025年と直近5シーズンで4度のインディカー王座を獲得している現役最強ドライバーのパロウにとっては、4年連続5度目のタイトルを目指すシーズンとなる。

 

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