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障害があっても諦めない! ロバート・ウィケンス、脊髄損傷のハンデ乗り越えインディ500参戦目指す。ただ実現に向け課題は多い?

ロバート・ウィケンスは、障害を持つドライバーとして初めてインディ500に参戦するという夢を実現させようとしているが、まずは資金を得られるかどうかにかかっていると語る。

Robert Wickens

Robert Wickens

Alexander Trienitz / Motorsport Images

 2018年インディカー・シリーズのポコノ戦での大クラッシュにより脊髄損傷という重度の障害を負ったロバート・ウィケンス。彼はハンデを抱えながらもレース復帰を果たしているが、ゆくゆくはインディ500に参戦することを目指している。

 ウィケンスは昨年からIMSAチャレンジシリーズのひとつであるミシュラン・パイロット・チャレンジに参戦。特別仕様に改造されたTCR車両を駆り、トップランナーのひとりとして活躍している。そんな彼は、ルーキーシーズンの2018年に1度だけ参戦したインディ500への思いを次のように語った。

「インディ500に出場するというのは素晴らしい機会だ」

「もし2024年のインディ500のグリッドに並ぶことができれば、108回の歴史の中で障害を持つ人が初めて参戦するということになるだろう」

「それが自分のレガシーになるとは思ってもみなかった。でもそういうことになれば非常にクールだし、脊髄損傷に関する啓発にもなる」

「何かに苦しんでいる人に対して、素晴らしいサポートと前向きな努力があれば何でもできるということを示すことは素晴らしいことだと思う」

ポコノでの大クラッシュ

ポコノでの大クラッシュ

Photo by: Todd Dziadosz / Motorsport Images

 ウィケンスはポコノでの事故で、脊髄損傷に加えて胸椎、首、両手、両脚、右前腕、肘、肋骨など多くの箇所を骨折。脳震盪や肺挫傷も起こした。そんな中で脊髄損傷の回復が思わしくなく、下肢の筋機能が制限される形となった。彼は現在も日常生活で車椅子を使用しているが、多少の支えがあれば立つこともできる。

ウィケンスがドライブするハンドコントロールのTCR車両

ウィケンスがドライブするハンドコントロールのTCR車両

Photo by: Bryan Herta Autosport

 彼はインディ500参戦に向け、マシンを改造するための資金を集めている状態だと語る。

「インディカーに足を踏み入れ、周回を重ねること自体が僕にとって達成感になる。それが可能かを確かめるためには、マシンをハンドコントロールできる状態にしないといけない」

「今は、インディカーの改造を手伝ってくれるパートナーを探すために資金集めをしている。知っての通り簡単じゃないんだ。僕たちがそれを走らせることができれば、色んな選択肢を考えることができるようになるだろう」

「そこからインディ500が可能かどうか検討できるようになる。もしかすると不可能かもしれないし、そうなればIMSAや他のカテゴリーに集中するかもしれない」

 ハンドスロットルのインディカーが用いられた実例は、レースではないものの存在する。2003年にはアレッサンドロ・ザナルディが、自身が両脚切断の大怪我を負ったラウジッツリンクにカムバックし、事故により完了できていなかった残り周回を走り切った。

 ウィケンスは現在、アローマクラーレンのドライバーアドバイザーとしてインディカーチームに帯同している。彼にとってツーリングカーレース参戦は楽しいものであるものの、「エリートレベルのモータースポーツに戻るという人生設計の始まりに過ぎない」と捉えており「まだやり残したことがある」と語った。

 ミシュラン・パイロット・チャレンジでウィケンスのチームを率いるブライアン・ハータも、ウィケンスの計画に賛同している。ただそれが技術的な観点で可能かどうかを確認するには時間がかかるだろうと考えている。

「ロバートは我々にとんでもないインスピレーションを与えてくれる存在だ」とハータは言う。

「我々もとても興味がある。誰もが(ウィケンスのインディカー復帰を)見たいと思っている」

「インディカーはこのアイデアに協力的で、快く調査している。誰も『ダメだ、できない』などと言っていないし、賛成の声が多い」

「これまでに存在しない、もしくはそういった用途で使われたことのないような技術の話をしている。まだ急ぐ話ではない。今は『分からない』と言う他ない」

 ハータ曰く、現在ウィケンスが使用しているハンドコントロールをそのままインディカーに転用することはできないため、特注での設計・製作が必要になると言う。この件については、インディカーのサプライヤーであるダラーラとも話し合いが持たれているようだ。

「我々が使っているシステムはパッケージングや重量の観点からインディカーでは使えない」

 

Photo by: Bryan Herta Autosport

「肉体的な面で、他のドライバーと同じようにマシンから脱出できるかという点もある。これらは現在調査中だ」

「私はロバートが走るのをぜひとも見たい。彼はこのマシンを極めて速く走らせることができる……それについては疑いの余地がない。それ以外の課題やハードルについては、ひとつひとつ解決していくしかない」

 
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