【インディカー】フェニックス決勝:琢磨クラッシュ。パジェノー優勝
インディカー第4戦フェニックスの決勝が行われ、ペンスキーのシモン・パジェノーが優勝。アンドレッティの佐藤琢磨は、クラッシュしリタイアとなった。
Race winner Simon Pagenaud, Team Penske Chevrolet
Scott R LePage / Motorsport Images
インディカー第4戦フェニックスの決勝が行われ、ペンスキーのシモン・パジェノーがオーバルでの自身初優勝を飾った。アンドレッティ・オートスポートの佐藤琢磨は、クラッシュしリタイアとなった。
フェニックス・インターナショナル・レースウェイは、アメリカ・アリゾナの砂漠の真ん中にある全長1マイル(約1.6km)のショートオーバル。ナイトレースでの開催となった。
ポールシッターは、トラックレコードを更新したペンスキーのエリオ・カストロネベス。トップ5はシボレー勢が独占した。強風が吹き荒れる難しい状況で行われた予選で、出走順が早いという不運もあったアンドレッティ・オートスポートの佐藤琢磨は18番手となった。
日没の迫る中、250周のレースがスタートした。
スタート直後、多重クラッシュ発生
スタート直後、ミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン)のスピンがきっかけで、5台のマシンが絡む多重クラッシュが発生しイエローコーション。ポイントリーダーのセバスチャン・ブルデー(エド・カーペンター)の他、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、マックス・チルトン(チップ・ガナッシ)、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、アレシンがリタイアとなった。
アレシンは「リヤタイヤが突然滑った。スナップオーバー状態でなす術がなかった。もうちょっとタイヤをウォームアップすべきだった」と語った。
上位では、ジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)がチームメイトのウィル・パワーをかわし2番手に浮上。ペンスキー勢がトップ3を固めた。佐藤琢磨はこのクラッシュに巻き込まれず、13番手となった。
ピットレーンがオープンし、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は左側のタイヤを交換し、15番手に。彼も多重クラッシュに巻き込まれており、軽く接触があったようだ。エド・カーペンター・レーシングのチームオーナー、エド・カーペンターもピットインし、最後尾16番手でコースに復帰した。
23周目にレースは再開となった。トップ4をペンスキー勢が固める中で、ニューガーデンがスタート直後にカストロネベスに襲いかかるもオーバーテイクはならず。後方では、カーペンターに抜かれ佐藤琢磨が15番手までポジションを下げた。
カストロネベスはペースが良く、ニューガーデンとの差をじわじわ開いていった。一時1.4秒ほどまでギャップを開いていたが、タイヤにバイブレーションを感じるとしてペースが下がり、その差が0.8秒ほどまで縮まった。
琢磨無念のクラッシュでリタイア
70周目、ジェームス・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)がまずピットイン。この間にシモン・パジェノー(ペンスキー)がパワーをかわし3番手に浮上した。
73周目以降、各車続々とピットインを開始。カストロネベスは75周目にピットインした。佐藤琢磨は78周目まで引っ張ってピットインを行った。
全車のピットインが終わり、パワーが首位に浮上。2番手カストロネベス、3番手パジェノー、4番手ニューガーデンとなった。佐藤琢磨は、ピットインで13番手に浮上した。早めにピットインを行ったヒンチクリフが5番手までポジションを上げた。A.J.フォイトのコナー・デイリーにはギヤに問題が出てしまい、ピットで長時間停止した。
ピットで5番手からポジションを落としていたエド・カーペンターのJ.R.ヒルデブランドはディクソン、アレシンを攻略し、5番手に再浮上した。
フロントウイング翼端板にわずかな損傷が見られるニューガーデンのマシンは、アンダーステアに苦しみ、トップ3から離され始めた。
ヒルデブランドは、ニューガーデンを抜いた勢いそのままに、パジェノーに迫った。
レース折り返しを迎えた125周目、ヒンチクリフが2回目のピットイン。ピットウィンドウは60から70周という中で、前回のピットインから55周と早めのピットインとなった。130周から続々と各車がピットインしていった。
一度ピットインしたアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、ピットアウト直後にアウト側のウォールにヒット。サスペンションにダメージを抱え、ピットに戻ってリタイアとなった。
トップ勢がピットインしている中、佐藤琢磨がクラッシュしイエローコーションが発生。ロッシと同じようにウォールに接触したようだ。完全に陽が落ちコンディションが変わったか、アンドレッティの2台が続けて同じようにリタイアとなった。
これにより、ピットストップを遅らせていたパジェノーが首位。パワー、カストロネベス、ヒルデブランドと続いた。6番手以下が周回遅れとなったため、コーションを利用しニューガーデンは追加でピットストップ。損傷していたフロントウイングを交換し、ポジションを落とさずにコースに復帰した。
イエローのタイミングで周回遅れとなってしまったマシンが混ざる中、150周目からレースは大きな混乱はなくリスタートした。
ペンスキートップ4独占も、ヒルデブランド迫る
180周目を迎え、トップはトラフィックを抜けてひとり旅のパジェノー。2番手パワー以下は周回遅れのカナーンとディクソンをなかなか抜けず、パジェノーとの差が7秒以上に開いた。
195周目を超えハンター-レイ、カナーン、ディクソン、ニューガーデンがラストピットを行った。200周を超えるとトップ5も続々とピットイン。トップのパジェノーは208周目にピット作業を行い、2番手パワーの前で復帰。自身初のオーバル優勝を大きく手繰り寄せた。
パジェノーとパワーは5秒弱のギャップがある上、周回遅れも影響してじわじわとさらにギャップを広げた。
3番手以下は、周回遅れに詰まって接近戦に。マシンが安定しないハンター-レイとニューガーデンが接触。後ろにいたカストロネベスが割を食い、ヒルデブランドが一気に3番手に浮上した。ニューガーデンはハンター-レイのリヤウイング側面を削り取るような形でフロントウイングにダメージを負い、2度目のフロントウイング交換を行った。ハンター-レイもピットイン。マシンにダメージがあるようで、リタイアを決めた。これで、第2戦ロングビーチ同様、アンドレッティ・オートスポート勢は全滅となってしまった。
結局、パジェノーはパワーに9秒以上の差をつけてチェッカーフラッグを受けた。パワーは、すぐ背後までヒルデブランドに迫られながらもポジションを守りきって2位フィニッシュ。ヒルデブランドは左手にギプスをはめながらのレースだったが、ペンスキーの表彰台独占を防いだ。
トップ4はシボレー勢が独占。佐藤のクラッシュによるコーションの影響もあったが、ホンダ勢最上位で5位のディクソン以下は周回遅れとなった。
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IndyCar 2017 フェニックス 決勝結果
Cla | # | ドライバー | Laps | 時間 | ギャップ | インターバル | Mph | ピット | リタイア | ポイント | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | シモン パジェノー | 250 | 1:46'24.9473 | 144.058 | 3 | 53 | ||||
2 | 12 | ウィル パワー | 250 | 1:46'34.0501 | 9.1028 | 9.1028 | 143.852 | 3 | 41 | ||
3 | 21 | J.R. Hildebrand | 250 | 1:46'34.2890 | 9.3417 | 0.2389 | 143.847 | 3 | 35 | ||
4 | 3 | エリオ カストロネベス | 250 | 1:46'41.5337 | 16.5864 | 7.2447 | 143.684 | 3 | 34 | ||
5 | 9 | スコット ディクソン | 249 | 1:46'43.2077 | 1 lap | 1 lap | 143.072 | 3 | 30 | ||
6 | 10 | トニー カナーン | 249 | 1:46'44.4889 | 1 lap | 1.2812 | 143.044 | 3 | 28 | ||
7 | 20 | Ed Carpenter | 248 | 1:46'39.0668 | 2 laps | 1 lap | 142.590 | 5 | 26 | ||
8 | 83 | チャーリー キンボール | 248 | 1:46'40.8966 | 2 laps | 1.8298 | 142.549 | 3 | 24 | ||
9 | 2 | ジョセフ ニューガーデン | 248 | 1:46'42.0206 | 2 laps | 1.1240 | 142.524 | 6 | 23 | ||
10 | 14 | カルロス ムニョス | 247 | 1:46'33.8364 | 3 laps | 1 lap | 142.131 | 4 | 20 | ||
11 | 19 | エド ジョーンズ | 247 | 1:46'38.6580 | 3 laps | 4.8216 | 142.024 | 4 | 19 | ||
12 | 5 | ジェームズ ヒンチクリフ | 246 | 1:46'29.3574 | 4 laps | 1 lap | 141.655 | 4 | 18 | ||
13 | 28 | ライアン ハンター-レイ | 220 | 1:37'23.0427 | 30 laps | 26 laps | 138.528 | 4 | Mechanical | 17 | |
14 | 4 | コナー デイリー | 180 | 1:46'32.3462 | 70 laps | 40 laps | 103.601 | 7 | 16 | ||
15 | 98 | アレクサンダー ロッシ | 141 | 1:11'35.2506 | 109 laps | 39 laps | 120.777 | 3 | Accident | 15 | |
16 | 26 | 佐藤 琢磨 | 135 | 1:00'57.3439 | 115 laps | 6 laps | 135.807 | 2 | Accident | 14 | |
17 | 7 | ミカエル アレシン | 0 | 0.7068 | 250 laps | 135 laps | Accident | 13 | |||
18 | 27 | マルコ アンドレッティ | 0 | 1.0637 | 250 laps | 0.3569 | Accident | 12 | |||
19 | 18 | セバスチャン ブルデー | 0 | 1.1481 | 250 laps | 0.0844 | Accident | 11 | |||
20 | 8 | マックス チルトン | 0 | 1.4728 | 250 laps | 0.3247 | Accident | 10 | |||
21 | 15 | グラハム レイホール | 0 | 2.9443 | 250 laps | 1.4715 | Accident | 9 |
Laps Led | ドライバー |
---|---|
1 - 73 | エリオ カストロネベス |
74 - 75 | ジョセフ ニューガーデン |
76 - 77 | シモン パジェノー |
78 - 136 | ウィル パワー |
137 - 250 | シモン パジェノー |
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