国内ラリーイベントの模範。地方自治体と民間が作り上げる"新城ラリー"
11月3日(金)、愛知県新城市にて全日本ラリー選手権最終戦"新城ラリー2017"が開幕した。




11月3日・金曜日、愛知県新城市で全日本ラリー選手権最終戦"新城ラリー2017"が開幕した。
昨年の来場者数は5万3000人を記録。さらに勢いを増す今年の「新城ラリー」には、なんと76台ものエントリーが集まった。
11月3日(金)午後4時よりセレモニアルスタートが行われ、1時間ほどのイベントであるのにもかかわらず、すでに会場の沿道へ多くの観客が集まっていた。
地元高校生による吹奏楽の演奏の中、今回参戦するラリーカーがセレモニアルゲートを潜っていった。ドライバー達はそこから伸びる沿道で声援を送る観客とハイタッチなどをして、華々しくイベントの幕が切られた。
モータースポーツイベントの"モデルケース"
全国のラリーイベントの中でも特別華やかさを誇る「新城ラリー」は、『地方自治体と民間のラリー運営団体が連携し、モータースポーツイベントを推進する』という、珍しい"形態でのイベント運営を行なっている。
今年で14回目の開催となる「新城ラリー」は、遡ること2004年、国の進める「地域再生計画」の一環として新城市の認定第1号を受けたうちの1イベントだ。新城市の豊かな自然を生かし、アウトドアスポーツで市を興すことはできないかと考えた新城市は、民間団体と連携し「新城ラリー」を初開催した。
民間団体が競技関連の運営、新城市がイベント関連の運営とそれぞれ役割分担をした両者間の連携は年々と強まっていき、それに合わせてイベントの規模が拡大していった。元は新城市教育員会のスポーツ課による活動だったが、のちに新しく設立された新城市産業振興部スポーツツーリズム事業部がこの活動を引き継ぎ、これまで以上に「新城ラリー」を盛り上げ、市の内外から来場した観客に対しイベントを通して新城市観光のアピールを行なっている。
さらに昨年より愛知県が「新城ラリー」運営に加わり、イベントは県と市、民間団体による"三位一体"の体制を敷いた。"なるべく地元で手作りすること"をキーワードに、地元企業からの協賛、イベント運営ほとんど全てを愛知県内で完結させていることもこのイベントの特徴だ。
そうした過程を経て、「新城ラリー」はラリー関係者からも"全国で最高レベルのラリーイベント“として高い評価を得て、他で開催されるラリーイベントにとってのモデルケースとなっている。
モータースポーツイベントにおいて、これほどまでに地方自治体との結びつきが強く、それを地政に生かすという試みを行うイベントはそう多く聞かない。
新城市スポーツツーリズム推進課課長の小林義明氏は次のように言う。
「他県のラリーイベント主催者からも参考にしたいというお声を頂いております。今後ラリー観戦客に対し新城市の観光地をいかにアピールしていくかということが我々の課題なのですが、すでに出来上がっている地元内での協力体制を土台にして、広範囲に渡って可能性を広げていくことができるイベントだと考えております」
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