2022年全日本ラリー、コバライネンが席巻して閉幕。来季はJN1レギュレーションの変革により、タイトル争いの展開が一変か?
2022年の全日本ラリーが、高山で開催されたラリーハイランドマスターズをもって閉幕。ヘイキ・コバライネンが8戦中6戦で勝利する圧倒的な強さで席巻した。しかし来季のJN1クラスはレギュレーション変更が予定されており、勢力図が一変するかもしれない。
写真:: Izumi Hiromoto
2022年の全日本ラリー選手権(JRC)第8戦「ラリーハイランドマスターズ」が10月14日〜16日、岐阜県高山市を舞台に開催された。最高峰クラスのJN1クラスを制したのは、シュコダ・ファビアR5を駆るヘイキ・コバライネンで、12ヵ所のSSのうち11ヵ所でベストタイムをマークし、シーズン6勝目を挙げた。
今回のラリーハイランドマスターズで、2022年のJRCも閉幕した。それにしても、JN1クラスはコバライネンの強さが目立つシーズンだったと言えよう。
JN1クラスでは2021年よりR5仕様車の出走が解禁され、ファビアR5が抜群のパフォーマンスを見せた。そのため国際規定の純レーシンカーであるR5仕様車と国内規定のナンバー付き車両であるRJ車両との性能格差を埋めようとしたためか、JN1クラスでは今季から、リザルトに応じて最低重量を増減させる性能調整を導入した。
しかし最大50kg最低重量が増加しても、コバライネンは常に好タイムを連発。落とした勝利はクラッシュでリタイアを喫した第3戦の久万高原ラリーと高速グラベルを攻めきれずに9位と惨敗した第7戦のラリー北海道のみで、R5仕様車の実力を改めて証明したシーズンとなった。
またナンバー付きのRJ仕様車とはいえ、2022年のJN1クラスは参戦2年目を迎えたトヨタ・GRヤリスの進化が伺えるシーズンだった。トヨタGAZOO RACINGのエースである勝田範彦が久万高原ラリーとラリー北海道を制したほか、NUTAHARAラリーチームの奴田原文雄も未勝利ながら勝田を凌駕するスピードを披露。さらに勝田のチームメイト、眞貝知志もJN1クラス参戦2年目ながら第5戦のモントレーで2位入賞を果たすなど、トヨタワークスのセカンドドライバーとして上位入賞を重ねた。
これに対してスバル・WRXを駆る新井敏弘および鎌田卓麻は苦戦。ともにグラベル戦で好タイムを連発したが、ターマックではコバライネンのファビアR5はもちろん、進化の著しいGRヤリス勢に追いつけなかった。彼らスバル勢にとってはWRXの限界を感じるシーズンだったに違いない。
このようにJN1クラスは明暗が別れることとなったが、2023年はタイトル争い展開が一変することになるだろう。というのも、JN1クラスはレギュレーションが一新され、R5仕様車のほか、GRヤリス、WRXも仮ナンバーにすることで大幅な改造が可能になるようだ。まだ詳細は明らかになっていないが、かつてキャロッセが独自に開発したトヨタ・ヴィッツ4WDのように、JN1クラスにはGRヤリスやWRXをベースに開発されたオリジナルマシンの登場が予想される。2023年のJRCも、JN1クラスに注目したい。
なお11月10日〜13日に愛知県・岐阜県で開催されるラリー・ジャパンには、トヨタ、ヒュンダイ、MスポーツなどWRCのワークスドライバー、ラリー2規定モデルを武器に活躍するWRC2のレギュラーメンバーのほか、JRCドライバーたちもエントリーしている。コバライネンと福永修がファビアR5で参戦するほか、新井敏弘がシトロエン・C3ラリー2、勝田範彦と柳澤宏至がGRヤリスJRカー1、新井大輝がプジョー・208ラリー4で参戦する。ラリー・ジャパンではWRCのレギュラーメンバーだけではなく、彼らJRCメンバーの動向にも注目だ。
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