全日本ラリー”無観客”の新城で開幕。荒天の中、新井親子1-2を決める

コロナ禍により無観客で行なわれた2021年全日本ラリー開幕戦の新城ラリー。2日目は荒天にも見舞われたが、新井敏弘&新井大輝の親子が1-2フィニッシュを果たした。

全日本ラリー”無観客”の新城で開幕。荒天の中、新井親子1-2を決める

 全日本ラリー選手権第2戦『新城ラリー』が3月20〜21日、愛知県新城市を舞台に開催され、アライモータースポーツの新井敏弘が優勝した。第1戦『ラリー・オブ・嬬恋』が新型コロナウィルスの影響で中止となったことから、このターマック戦の新城ラリーで2021年の国内最高峰ラリーシリーズが幕を開けることになった。

 今年で18回目の開催を数える新城ラリーは過去に5万2000人の観客動員数を記録するなどシリーズ屈指の人気イベントとして知られているが、2020年の大会と同様に今大会も無観客で開催された。同時に大会組織委員長の勝田照夫氏が「昨年は手探りの中で感染対策を行ないましたが、今大会は愛知県のガイドラインがベースにして感染対策を強化しました」と語るように、場内でのマスク着用および手指消毒に加えて、2週間前からの健康調査が行なわれたり、各設備に空気清浄機を設置するなど、万全の感染対策が実施された。

 2021年の全日本ラリー選手権で最大のトピックスといえば、トヨタのニューモデル「GRヤリス」の本格的な参戦だろう。トヨタのワークスチーム、トヨタGAZOOレーシングが2台のGRヤリスをJN1クラスに投入。昨年までスバルWRXで活躍してきた勝田範彦に加えて、GRMNヴィッツを武器にJN2クラスで数多くの勝利をあげてきた眞貝知志がステップアップを果たすなど、充実した体制となった。そのほか、2020年までトヨタ86を武器にJN3クラスで活躍してきた山本悠太がK-oneのGRヤリスで参戦した。

 また2021年より国内規定モデルのRJ車両のほか、国際規定モデルのR5車両も仮ナンバーでJN1クラスにできるようになったことも2021年の全日本ラリー選手権を語る際に欠かせないトピックスと言っていい。この規定変更に合わせてクスコレーシングの柳澤宏至がシュコダ・ファビアを投入し、555モータースポーツの福永修が同じくシュコダ・ファビアでエントリーしている。

 もちろん、スバルWRXも健在で、新井敏弘、新井大輝の親子がアライモータースポーツより2台のWRXで参戦するほか、鎌田卓麻がシムスレーシングのWRXで参戦するなどJN1クラスには3車種のマシンが集うことになった

 その中で幸先の良いスタートを切ったのが、ファビアを駆る福永だった。好天に恵まれる中行なわれた3月20日のレグ1は、注目のオープニングSSで福永がトップタイムをマーク。福永はその後も好調でSS2、SS3でベストタイムを叩き出し、後続を引き離しにかかる。しかし、「最後のSSでやっちゃいました」と語るように、この日の最終ステージとなるSS4でスピンを喫し、タイヤもバースト。この結果、福永は5番手まで後退することとなった。

 代わってトップに浮上したのが、スバルWRXを武器に安定した走りを披露した鎌田で、シュコダ・ファビアを駆る柳澤がわずか3秒差の2番手でレグ1をフィニッシュ。新井敏弘が3番手で競技初日を走破した。一方、注目を集めたGRヤリスは勝田がSS1、眞貝がSS2でエンジントラブルに祟られてリタイアしたことで、山本の6番手がGRヤリス勢の最上位となった。

 明けた翌21日のレグ2は朝から雨に祟られ、路面もヘビーウェットになるなど、レグ1からコンディションが一変した。そのなかで素晴らしいパフォーマンスを披露したのが鎌田で、この日のオープニングSSとなるSS5でベストタイムをマークし、後続とのリードを拡大。それだけに、このまま鎌田が抜け出すかのように見えていた。

 しかし、続くSS6で鎌田がフィニッシュ直前でクラッシュを喫し、そのままリタイアした。さらに雨量が増したことで主催者はラリーの続行は危険と判断。セカンドループに予定されていたSS7、SS8のキャンセルを決定したことから、そのままラリーが終了することになったのである。

 この結果、「レグ2は雨がすごくて、とにかくフィニッシュすることだけを考えて走っていた」と語る新井敏弘が波乱の開幕戦を制覇。「レグ1からずっとエンジンの調子が悪かったですね」と語る新井大輝が2位入賞を果たし、アライモータースポーツのスバルWRXが1-2フィニッシュを達成した。ファビアの福永が3位、同じくファビアの柳澤が4位に入賞しており、GRヤリスの山本が5位で完走を果たした。

 なお、JN2クラスでは「今年はスーパーGTに参戦しながら全日本ラリー選手権にも6戦に出場する。レグ2は雨がすごくてサバイバルのようなラリーだったけれど、いいスタートが切れて良かった」と語るヘイキ・コバライネンがトヨタGT86 CS-R3を武器にシーズン初戦で勝利を手にした。

 以下、JN3クラスはスバルBRZを駆る鈴木尚、JN4クラスはスズキ・スイフトを駆る西川真太郎、JN5クラスはトヨタ・ヴィッツCVTを駆る大倉聡、JN6クラスはトヨタ・ヤリスを駆る吉原勝將大がクラス優勝を果たしている。

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シリーズ 全日本ラリー選手権
執筆者 廣本 泉