ヘイキ・コバライネン、「胸部上行大動脈瘤」と診断。日常生活には支障なし……しかしラリー参戦継続のため手術を決断

全日本ラリーを戦うヘイキ・コバライネンは「胸部上行大動脈瘤」と診断されたことを受け、近日中に手術を受けて復帰に向けて療養することとなった。

Heikki Kovalainen

 全日本ラリー選手権に参戦するRally Team AICELLOは3月6日にリリースを発表。所属ドライバーのヘイキ・コバライネンに「胸部上行大動脈瘤」が発見され、近日中に手術を受けることを明らかにした。

 元F1ドライバーのコバライネンは長らく日本のスーパーGTで活躍したが、その傍らでラリーにも参戦していた。そして2022年からはラリーに専念し、シュコダ・ファビアR5を駆って全日本ラリーの最高峰JN1クラスで連覇を達成した。

 2024年シーズンから車両をシュコダからトヨタGRヤリス Rally2にスイッチするRally Team AICELLOは、引き続きコバライネンと北川紗衣(コドライバー)のコンビで全日本ラリーを戦うことを発表していたが、開幕戦のラリー三河湾を前にした2月16日、コバライネンが健康診断の結果、精密検査が必要との診断を受けたことから、開幕戦のドライバーを田口勝彦に変更することが発表された。

 そしてコバライネンは精密検査を受けた結果、「胸部上行大動脈瘤」との診断を受けた。これは心臓近くの大動脈(上行大動脈)が肥大する病気。コバライネンには自覚症状がなく、日常生活にも支障はないというが、医師から激しい運動を止められている状況とのこと。ただ「早期復帰と身体に高負荷がかかるモータースポーツでのリスク回避を最大限考慮し選手とご家族、チームが話し合った結果、早期に積極的治療を行なう事を選択致しました」とチームは報告した。

 コバライネンはリリースを通し、次のようにコメントした。

「先日の健康診断で上行大動脈瘤と診断され、大動脈破裂のリスクが高まるためラリーへの参加はできないと言われた。今のところ症状はなく、体調も良いので、この問題をどう解決するか計画を立てているところだ」

「現状の有力な解決策は心臓手術で、その準備をしているところだ。できるだけ早く手術をして療養を始めたい。僕の目標はもちろん、Rally Team AICELLOで全日本ラリー選手権に復帰することだ。1月末まではラリーに参加する予定だったけど、医師団と慎重に検討した結果、この問題を解決することにした」

「チームパートナーやファンの皆には大変申し訳なく思っている。この件に関して多くの励ましや声援をもらったことに本当に感謝したい」

 また牧野太宣チーム代表は、次のようにコメントした。

「シーズンイン直前にこの話をヘイキ選手から聞いた時には非常に大きなショックを受けました。今シーズンの活動を誰よりも楽しみにしていたヘイキ選手の気持ちとご家族の心配を考えると、判断に迷う時期もございましたが、Rally Team AICELLOはヘイキ選手の復帰を全力でサポートするためにも参戦活動を継続し、ニューマシンへの理解と熟成を田口勝彦選手と共に深めていく事を決めました」

「皆様には多大なご心配をおかけする事となりますが、ヘイキ選手の回復と復帰に向けた活動にご理解とご声援を頂きますようお願い申し上げます」

 

前の記事 2022年全日本ラリー、コバライネンが席巻して閉幕。来季はJN1レギュレーションの変革により、タイトル争いの展開が一変か?

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