全日本F3参戦の笹原右京「F1にたどり着くため、躓くわけにはいかない」

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全日本F3参戦の笹原右京「F1にたどり着くため、躓くわけにはいかない」
執筆: 田中健一
2018/01/20 6:06

スリーボンドから全日本F3に参戦することになった笹原右京に、今シーズンにかける意気込みを訊いた。

 昨年のFIA F4選手権でランキング2位となった笹原右京は、今季スリーボンド・レーシングに加入し、全日本F3選手権を走ることになった。

 笹原は今、シーズン開幕に向けて、グアムで厳しいトレーニングに挑んでいる。F3に挑むための筋力と持久力、そしてメンタルを鍛えるために。

「昨年が終わった時点で、ヨーロッパに戻りたいという想いも正直ありました」

 そう笹原は語る。

 彼は単身渡欧し、フォーミュラ・ルノーやF3ヨーロッパ選手権などに挑んできた。しかし彼の目標であるF1には届かず、帰国してSRS-F(鈴鹿サーキット・レーシングスクール-フォーミュラ)の門を叩き、そして昨年はF4に挑戦したわけだ。シーズン前半から強さを見せ、連戦表彰台を獲得していた笹原だったが、後半宮田莉朋(トムス)の猛追を受け、7ポイント差でタイトルを逃してしまった。

「現実は崖っぷちでしたが、そんな中でもホンダさんと、スリーボンドさんに声をかけていただき、F3に出ることができるようになりました。どんなときも応援を続けていただいてるスポンサー様やサポーターの皆さんと、今シーズンも一緒にレースを楽しんでもらえる場所をいただけたことに感謝しながら、スリーボンド・レーシングで全力でF3に挑むというやる気に満ち溢れています」

 そう今季への意気込みを笹原は語る。

 なお笹原がスリーボンドと仕事をするのは、今回が初めてではない。F3ヨーロッパ選手権に参戦した際のマシンにも、スリーボンド製エンジンが搭載されていた。また、昨年もシェイクダウンなどでスリーボンドのマシンを走らせている。

「ヨーロッパでF3に乗った時には、イギリスのT-スポーツの運営だったので、100%現状と同じチーム構成ではありませんでした。その後スリーボンドさんが国内に活動の場を移した昨シーズンにシェイクダウンで走らせてもらったり、シーズン中にF3のレースに帯同させてもらったこともあり、今のチームの人たちと接する機会に恵まれました」

「仕事の進め方を把握していたり知っている人が多いというのは、僕にとってはやりやすいチームです」

 そしてその勝利を目指す姿勢に、笹原は共感を覚えていると語る。

「このチームの皆さんは、勝ちたいという気持ちがものすごく強いんですが、それに加えてその過程をとても楽しんでいると感じます。ピリピリしているのではなく、和気藹々、その中で真剣に勝利を目指しているんです。そういうところに、僕は共感しています」

 笹原が全日本F3に挑戦するのは今年が初めてのこと。このシリーズの印象について尋ねると、笹原は次のように語った。

「層の厚さは、特に台数の面を考えるとヨーロッパの方が厚いかもしれません。でも、全日本でトップ争いをしている人は速い人たちばかり。勝つのは簡単ではないと思います」

「でも、目標であるF1にたどり着くためには、相手が誰であろうと倒していかなきゃいけない。躓くわけにはいきません。まずは自分たちの立ち位置を確認して、一から立ち上げていきたいと思います」

 なおインタビューに答えた笹原は、いつもに比べて暗い声をしていたように感じた。その理由について尋ねると、厳しいトレーニングのせいだと明かした。

「2016年と2017年は自分の体格とカテゴリーを考慮するとどちらかといえば減量を優先せざるを得なくて、それはそれで辛かったんですが、今シーズンはパワーアップを優先できるので、今回のトレーニングキャンプは水泳とか、1kmのランニングを10本とか、ウエイトトレーニングとか、たくさんのトレーニングをしています。全部挙げたら大変なくらいに……。持久力だったり筋力はもちろんですが、それを全てこなすことで、メンタルも鍛えられていると思います」

 そう笹原は語る。

「実は、僕は走るのが苦手なんです。とてもしんどかった。でも、それをやり切るのが大切だと思って頑張っています」

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この記事について

シリーズ 全日本F3
ドライバー 笹原 右京
執筆者 田中健一
記事タイプ インタビュー