【全日本F3】Nクラスの車両が刷新。エンジンはフォルクスワーゲン製に
低コストでのF3参戦を可能としているF3-Nクラスの車両が来シーズンから刷新され、フォルクスワーゲン製のエンジンが採用されることになった。

全日本F3選手権の下級クラスに当たる、F3-Nクラス車両の刷新が発表された。F3-Nクラスは旧型シャシーをうまく活用しながら、現行の最新車両と同じクオリティのF3レースをよりローコストで、より多くの人たちにエントリーしてもらおうと、2008年から始まったものだ。
これまで、Nクラスのエンジンはトムスが供給するトヨタ3S-GEのワンメイク、シャシーはダラーラの旧型シャシーが使われてきた。
来年度から、エンジンはコックス株式会社が供給するフォルクスワーゲン製のA18-CN(F3-Nクラス専用の特別仕様)に、シャシーはヨーロッパF3で数年前まで使われていたダラーラのF312に刷新される。
この変更に至った経緯について、日本フォームミュラスリー協会の田口朋典事務局長に話を聞いた。
「F3-Nクラスの方々にコストをかけないような形で、同じパッケージをなるべく長く使えるように性能を調整しようと色々やってはきていたんですが、さすがにF305から307という世代は今から言うと3世代前になってしまいます。今走っているNクラスのマシンが危険になったということではないですが、現行の高い安全基準で作られているマシンとそうではないマシンが混走する状態になってしまいますし、コース上で接触が起こる可能性もゼロではありません。徐々に両クラスのタイム差も乖離してきている中で、JAFとも調整をしながら、パフォーマンスを上げることを何年かかけて検討してきました」と、田口事務局長は語った。
その結果として、ダラーラF312世代のシャシーへの刷新に落ち着いたという。また、エンジンについては、以前エンジンを選定した時と同様に入札公募を行い、複数の候補の中からフォルクスワーゲン製のものに決定したそうだ。
田口事務局長はF3-Nクラスの役割について、次のように付け加えた。
「FIA-F4とF3の間にちょうど収まっているのがF3-Nクラスだと思います。F3と同じタイヤを使い、同じようにレースをする。予選の時間も同じです。F3にあがる前段階として、F3-Nクラスは今まで、非常に良い形でみなさんに活用していだだいていたと思います」
「基本的なコンセプトというのはあまり変えずに、車両とエンジンを現状の環境にうまく合わせるという意味でのアップグレードですね」
今回の車両刷新で、安全性とパフォーマンスが向上したF3-Nクラス。F3への門戸を広げ、ドライバーの育成を担うというその理念は変わらず、より激しいレースが繰り広げられることだろう。
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