坪井翔、猛追も王者には届かず「結果を素直に受け止め次につなげたい」
7連勝を挙げるなど猛追したものの、チャンピオンには届かなかった坪井翔(カローラ中京Kuo TEAM TOM’S)だが、結果を受け止めすでに前を向いている。

9月23・24日のSUGOラウンドで今シーズンの全日程が終了した全日本F3選手権。後半戦で連勝を重ねるも、わずかにタイトルに手が届かなかった坪井翔(カローラ中京Kuo TEAM TOM’S)がシーズンを振り返った。
ランキングトップの高星明誠(B-MAX RACING TEAM WITH NDDP)に対して19ポイント差で迎えた第19戦。坪井は3番手スタートから2番手に浮上すると、トップを走る大津弘樹(TODA RACING)が11周目にコースオフを喫したことでトップに浮上する。ただ、この時点で高星が4番手につけており、最終戦へ望みをつなぐためには、ファステストラップを獲得しボーナスの1ポイント追加が必要だった。
セーフティカーが解除されると、坪井は再びプッシュを開始し、残り2周で1分13秒273をマークしてファステストラップを叩き出す。これでタイトル決定は最終戦に持ち越しかと思われたが、最終ラップでチームメイトの宮田莉朋が1分13秒180をマークしファステストラップを更新。これにより、最終戦を待たずに高星のチャンピオンが決まった。
このレースで優勝を飾ったものの、タイトル獲得の可能性がなくなり、複雑な表情をみせていた坪井。終盤に関しては、このように語った。
「スタートで2番手に上がってからはプッシュし続けるしかないと思っていました。SC解除後はファステストラップしか狙っていませんでした。13秒2が出て、ファステストラップは獲れたなと思っていたのですが、チェッカーの後に無線が入らなかったので『もしかしたら、誰かに獲られたのかな?』と思っていました」
結果的にチャンピオンは高星が獲得する形となったが、坪井も第10戦の鈴鹿以降、後半の11レースで9勝を挙げる活躍を見せた。
その中で、自分自身の成長は確認できたものの、前半戦での失速が大きく響く結果に。この経験を次につなげていきたいと語った。
「後半戦はやれるだけのことはやってきましたけど、前半戦で調子が悪くて、速さも強さもあまりなかった。前半戦で、ちゃんとやってこれなかった結果なので、正直しょうがないかなと思います」
「まだまだ課題はありますけど、シーズン初めから比べたら良い方向に来たと思いますし、後半戦の連勝に関しては、素直に成長してきているのかなと感じることもできます。でも“負けた”という事実はあるので、悔しいですけど高星選手も速かったですし、そこは素直に受け止めて今後に活かして行きたいなと思います」
取材・執筆/吉田知弘
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