「海外で聴く君が代は特別だった」F1を目指す笹原が次に進むべき道は?

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「海外で聴く君が代は特別だった」F1を目指す笹原が次に進むべき道は?
執筆: 青山 悦子
2018/10/04 11:11

F1を目標に掲げる笹原右京は、将来的に進むべき方向を見据え、海外へ”戻る”ことを含めて今後の進むべき方向を考えているようだ。

 ホンダの育成ドライバーとして、今年はThreeBond Racingより全日本F3選手権に参戦している笹原右京。F1が目標だと語る彼の目には、レッドブルとホンダのパワーユニット契約や、FIA F2で牧野任祐が優勝したことなど、F1やその周辺で起こる出来事はどのように映っているのだろうか。

 ホンダは今年、トロロッソへパワーユニットの供給を開始し、さらには来年レッドブルへも供給を行うことが決まった。つまり、単純に考えればホンダ系のシートが2つから4つに増えることになる。

 以前からF1を目標に掲げていることを公言している笹原に対し、これらのシートを狙うつもりはあるのかと単刀直入に訊いてみた。やはり、彼の答えは明確だった。

「もちろん狙いたいですし、チャンスだと思います。できることなら、今すぐその路線に行きたいなと思います」

「でも現状自分ができることというと、(F3の)最終戦でとにかくひとつでも結果を残すということしかできることがないので、なんとか結果を残すことに全力で集中して、この先ぜひチャンスが欲しいなと思います」

 今年は全日本F3に参戦している笹原だが、昨年はFIA F4、そしてその前には海外でフォーミュラ・ルノー2.0やフォーミュラV8 3.5、またスポット参戦ではあるがF3ヨーロッパ選手権にも出場した。しかし彼がヨーロッパで戦っていた時期は、ホンダもトヨタもF1に参戦していない時期であり、彼はメーカーの支援を受けることができなかった。

「僕がヨーロッパに行っていた時って、ホンダさんもトヨタさんもちょうどF1をやっていない時期だったので、自分がF1を目指そうと思ったら、自力でやっていくしかありませんでした。たとえホンダさんやトヨタさんがいたとしても、正直何も見えない段階でした。今ではまたホンダさんが戻ってきたので、できることならそのチャンスをいただきたいです」

 一度海外でのレースを経験している彼にとって、先述の通り、一刻も早くヨーロッパに戻りたいという気持ちが強いという。

「ヨーロッパでレースをやってきて、チームだったりいろんな人を知っているので、できることならなるべく早く向こうのレースに戻りたいという気持ちは大きいです」

「最終的にF1に行くとしたら向こう(ヨーロッパ)に行かないとどうにもならないと思うので、できることなら今ホンダさんのプログラムでやってるF2だったり、(来年GP3と合併する)F3など、そういうところに行きたい気持ちはすごく強いです」

  そのF2では、今シーズンの第10戦モンツァのレース1で牧野が初めて優勝を飾った。笹原と同じホンダのドライバーであり、F2フル参戦の初年度に初優勝を挙げた牧野だが、この勝利は笹原にとっても刺激になったようだ。

「彼(牧野)にとって初優勝じゃないですか。当然すごく嬉しいことだと思います」

「僕も前にフォーミュラ・ルノーで走っていましたが、海外で聞く君が代は、ちょっと特別なものがあります。どんな形であれ優勝したということは素晴らしいですし、是非その機会を僕も欲しいなと思います。良い刺激になりました」

 F1という明確な目標を持ち、海外でレースをする機会が欲しいと認めた笹原。しかしF1を目指すドライバーの前には、スーパーライセンスという壁が立ち塞がっている。

 スーパーライセンスを獲得するためには、各カテゴリーで与えられるスーパーライセンスポイントを40ポイント獲得しなければならない。日本のフォーミュラカーレースの最高峰であるスーパーフォーミュラでは、チャンピオンに輝いたとしても、獲得できるポイントは25だ。それに対してF2では、ランキング3位までのドライバーに40ポイントが付与され、スーパーライセンスを得るために必要なポイントを満たすことが可能だ。

 今年日本でレースに出場し、F3の最終大会を前にランキング3位にという好位置つけている笹原にも、スーパーフォーミュラに乗るチャンスが巡ってくるかもしれない。これも彼にとってひとつの選択肢となるのだろうか。

「SF(スーパーフォーミュラ)って、常にフルアタックをして、すごい細かいところで争っています。その点はドライバーとして興味があるし、楽しいところではあると思います。でも(将来の)目標という点で考えたら、やっぱり海外に行かないといけなんじゃないかという気はしています」

「もちろん(スーパーライセンス獲得のための)ポイントが全てではないですけど、配点の高さなどを考えると、結局F2に行かざるを得なくなってしまうのは正直なところだと思います」

「どこに目標を置いてるかによってそれぞれ変わってきてしまうと思うので、絶対にスーパーライセンスが必要となればそこに行かざるを得ない。目標がF1となると、ポイントのことを考えたら(進むべきなのは)F2です」

 ちなみに、今年のスーパーフォーミュラ第5戦もてぎには、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであり、若手ドライバーの育成にも力を入れているヘルムート・マルコ氏が訪れた。マルコ氏はスーパーフォーミュラで若手ドライバーに経験を積ませるという計画があると明かしており、ここからF1への道を築こうとしているとも読み取れる発言だった。

 当然笹原もこれを耳にしており、関心を持っていると認めた。もし自分のもとにこのチームのオファーが舞い込んだらどうするか? そう尋ねると、彼は迷うことなく「すぐ立候補します」と答えてくれた。

 レッドブルとホンダの契約によってホンダの携わるシートが増えることや、F2での牧野の優勝、さらにはスーパーライセンスポイントと、様々な角度から彼の将来について質問を投げかけた。だが、笹原の回答は全く揺るがなかった。何度も「海外でレースをするチャンスが欲しい」と口にしたように、『F1に進むためにはどうすべきか』ということを常に念頭に置き、身の振り方を決めていると言っても過言ではないレース人生を送っている。

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この記事について

シリーズ F1 , 全日本F3
執筆者 青山 悦子
記事タイプ 速報ニュース