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ホンダ育成外れるも、速さ認める関係者から救いの手。三宅淳詞、GT300とSFライツ制し“逆襲開始”

2018年に鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)でスカラシップを獲得するも、1年でホンダの育成枠から外れることとなった三宅淳詞。彼は今、スーパーGTのGT300とスーパーフォーミュラ・ライツでその才能を再び示し、トップカテゴリーへの階段を駆け上ろうとしている。

Atsushi Miyake, ルーニースポーツ

Atsushi Miyake, ルーニースポーツ

Masahide Kamio

 8月22日に行なわれたスーパーGT第3戦鈴鹿のGT300クラスを制したのは、Max Racingの244号車たかのこの湯 GR Supra GTだった。スタートドライバーを務めた三宅淳詞にとっては、同カテゴリーでの初優勝であった。

 三宅は今季、GT300と並行してルーニースポーツ(車名はMAX RACING 320)からスーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)にも参戦しており、4月に富士で行なわれたSFライツ第3戦では、雨が降ったり止んだりと路面コンディションが刻々と変化する難しいレースを制して初優勝。5月にオートポリスで行なわれた豪雨の第7戦では、ライバルが続々とスピンを喫する中で生き残り、2勝目を挙げた。そして今回のスーパーGT鈴鹿戦でも、3番グリッドスタートから首位に立って堤優威にバトンを渡すなど、完璧な仕事ぶりで勝利に貢献してみせた。

 若手のホープとして、国内トップカテゴリー(GT500、スーパーフォーミュラ)の直下に位置するカテゴリーで活躍する三宅だが、ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。

 三宅は2018年、鈴鹿サーキットレーシング・フォーミュラ(SRS-F)でスカラシップを獲得。ホンダの育成プログラム、HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)の一員として、翌2019年にHFDP/SRS/コチラレーシングからFIA F4へ参戦するチャンスを手にした。その際三宅は「来季はFIA F4で必ずチャンピオンを取って翌年ヨーロッパに渡り、数年後にはF1参戦を目指します」と力強く語っていた。

 そんな中臨んだ2019年のFIA F4は、SRS/コチラレーシングの佐藤蓮が14戦11勝という圧倒的強さでチャンピオンに。三宅は優勝こそ1回に留まったが、表彰台フィニッシュ8回を記録してルーキー最上位のランキング2位を獲得した。しかし、佐藤が翌年のフランスF4行きを決めた一方で、三宅はヨーロッパ行きを逃したどころか、この年限りでホンダの育成枠から外れることとなった。

三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)

三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)

Photo by: Motorsport.com / Japan

「ポールを獲れたレースもありましたが、全部スタートがダメで2番になって、勝ち切れませんでした。チャンスを活かしきれなかった自分のミスなので、(育成枠から)外されても仕方なかったのかなと思います」

 当時のことを振り返り、三宅はそう語った。ホンダの育成枠から外れたことで、2020年からはレース活動を続けられないのではないかと思ったという三宅だが、そこに手を差し伸べたのが、同年からスーパーGTへの参戦をスタートさせたMax Racingであった。

 Max Racingの監督である田中哲也は、SRSの講師として三宅と関わりがあった。田中監督は三宅の起用を決めた当時のことについて次のように語った。

「僕は元々SRSの先生をしていました。校長が中嶋(悟)さんから(佐藤)琢磨くんに変わるタイミングで僕も交代となりましたが、僕がいた時の最後のスカラシップ生が三宅だったんですね」

「オーナー(Go Max)はチームを立ち上げるにあたって、実力はあるけどチャンスに恵まれていないドライバーを使いたいという話をしていました。そんな中で、三宅がF4でランキング2位になったのにスカラシップから外され、乗るものがなくなったと聞きました。僕たちとしても、そういうポジションから外された三宅に対して『いや、あいつはいける』という思いがありましたので、起用しました」

#244 たかのこの湯 GR Supra GT

#244 たかのこの湯 GR Supra GT

Photo by: Masahide Kamio

 そして三宅は今季から、スーパーFJ時代に関わりのあった植田正幸が代表を務めるルーニースポーツからSFライツへの参戦を開始。「フォーミュラでレースがしたい」という三宅の願いが叶う形となった。車名にMax Racingが入っていることからも分かる通り、Max Racingもスポンサーとして支援をしているが、田中監督は「あくまでも三宅がテストで速いタイムを出してアピールしたから。遅かったらこのチャンスはなかった」と強調する。

Atsushi Miyake, ルーニースポーツ

Atsushi Miyake, ルーニースポーツ

Photo by: Masahide Kamio

 自らが持つスピードセンスを武器に、一度閉ざされた道を再び切り開こうとしている三宅。彼が現在目標としているGT500、スーパーフォーミュラにステップアップするには、再度自動車メーカーの目に留まることが必要になってくるだろう。しかし、田中監督は速さを示し続ければチャンスはやってくるはずだとして、今後への期待感も込めてこう語った。

「本当に速いドライバーはメーカーも放っておかないと思います」

「速ければチャンスは生まれてくると思いますので、そういうチャンスを与えられるだけのチームでいたいと思っています」

「スカラシップ枠から外されてしまったので、そこに戻るのは難しいでしょうから、ある意味エリートのコースからは外れてしまったのかもしれません。しかし力はあるドライバーなので、僕たちみたいなプライベーターのマシンに乗って、逆にスカラシップに残っているようなドライバーなどをやっつけてくれると面白い、というのがオーナーの考えです」

「僕たちとしてもやっていて非常に楽しいですし、やりがいがありますね。『あの時の悔しさがあって逆に良かったんちゃうか』というような強さが出てきてくれたら、最高ですね」

 そして三宅本人も、今後に向けての抱負を語った。

「理想はSFライツで結果を残してスーパーフォーミュラのテストに乗ることですが、まずはこれからのレースをしっかり頑張って、メーカーさんに声をかけていただけるようにしないといけません」

「(ステップアップするには)結果しかないと思うので、速さや勝負強さを磨いていければと思います。そしてお世話になった方々に恩返しができればと思っています」

 

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