スーパーフォーミュラ・ライツ:鈴鹿での第2大会は名取鉄平が3連勝。タイトル争いで大きくリード

鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ・ライツの第2大会では、B-MAX RACING TEAMの名取鉄平が第4戦〜第6戦全てで優勝を飾った。

名取鉄平 Teppei Natori(B-MAX RACING TEAM)

名取鉄平 Teppei Natori(B-MAX RACING TEAM)

Masahide Kamio

 2021 Buzz presents 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFライツ)の第2大会(第4戦〜第6戦)が鈴鹿サーキットで行なわれ、名取鉄平(B-MAX RACING TEAM)が3連勝を飾った。

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 富士スピードウェイで行なわれた第1大会では名取、佐藤蓮(TODA RACING)、三宅淳詞(ルーニースポーツ)の3名が初勝利を飾ったSFライツ。しかし今回の第2大会では、名取がほぼ完璧な戦いぶりを見せた。

 予選で他を寄せ付けない圧倒的なタイムをマークしていた名取は、ポールポジションで第4戦をスタートし、ホールショットを決めた。そしてそれを3番手スタートの佐藤蓮が追う展開にとなり、開幕の富士ラウンド同様、佐藤がじわじわと名取に詰め寄っていくという息詰まる攻防が繰り広げられた。

 そしてファイナルラップ、佐藤は1コーナーへの飛び込みでトップの名取に並びかけた。両者はそのまま並走しながら2コーナーへと突入したが、ここで両者は接触。佐藤はコース外に弾き出される形となってしまい、バリアにぶつかりストップ。痛いノーポイントとなってしまった。名取はそのままトップチェッカーを受け、今季2勝目を手にした。2位、3位にはジュリアーノ・アレジ、野中誠太のTOM'S勢が食い込んだ。

名取鉄平(B-MAX RACING TEAM)

名取鉄平(B-MAX RACING TEAM)

Photo by: Masahide Kamio

 第5戦のポールポジションも、予選で好タイムを記録した名取。彼はここでもスタートを決めてトップで1コーナーを抜けると、佐藤がそこに食らいついていった。しかし名取は最後まで付け入る隙を与えずトップチェッカー。0.535秒差で佐藤が2位に入った。3番グリッドのアレジはスタートで4番手に下がってしまったものの、11周目の1コーナーでチームメイトの平良響をオーバーテイクしてポジションを取り返し、2戦連続となる表彰台を手にした。

 スーパーフォーミュラ決勝の直後に行なわれた第6戦のスターティンググリッドは第4戦の結果順となり、名取、アレジがフロントロウにつけた。第4戦で接触があった佐藤は、12番手スタートという厳しい状況に置かれた。

 スタートでは名取が若干遅れたのを見て、アレジが1コーナーでインから並びかけたが、名取がなんとか首位をキープした。名取はその後アレジの追撃を許さずに危なげなくトップチェッカーを受け、鈴鹿大会3連勝をマークした。2位にはアレジ、3位に平良が入った。

 最後尾スタートの佐藤は驚異的な追い上げを見せ、最後は4番手を走る三宅の背後まで近付いたもののわずかに及ばず5位。しかしこのレースで佐藤はファステストラップを記録したことにより、今大会ここまでポールポジション+優勝+ファステストラップと獲得可能な全てのポイントをもぎ取っていた名取の“フルマーク”を阻止し、意地を見せた。

 ただ、第2大会を終えてのポイントランキングでは名取が2番手以下に大きく差をつける形となった。現在トップの名取(61ポイント)に対し、2番手のアレジが30ポイント、3番手の佐藤が29ポイントとなっている。

Rd.6 podium

Rd.6 podium

Photo by: Masahide Kamio

 名取は第6戦のレース後、マシンにトラブルのような症状が出ていてチェッカーまでたどり着けるか不安だったと明かしたが「3連勝できたのはチャンピオンシップを考えても良かったです。今日は第4戦よりも良いレースができましたし、足りない部分はまだありますが、スキルアップもしていると思うので、このまま前進してオートポリスでも連勝したいです」と力強くコメントした。

 また3戦連続で表彰台を獲得してランキング2番手に浮上したアレジは今回、併催のスーパーフォーミュラにも代役出場しており、過酷なダブルエントリーとなっていた。彼は第6戦後の記者会見で「SFLにSFのようなオーバーテイクシステムがなくて良かった。もしあったら、今日は平良選手に抜かれていたと思う」と平良の速さを称賛。さらに次のようにコメントした。

「今回はSFLとスーパーフォーミュラのレースを交互に走ることになり、まったく違うそれぞれのクルマに乗るためのスイッチの切り替えが大変な週末でした。こういった経験は初めてでしたが、毎周自分の成長を感じることができたし、マイレージを稼ぐこともできました。僕を信頼してふたつのカテゴリーに出してくれたチームにはとても感謝しています」

 なお、今大会3台がエントリーしたマスタークラスは、今田信宏(B-MAX ENGINEERING)が2勝、植田正幸(ルーニースポーツ)が1勝となった。第4戦を制した今田は第5戦もクラストップを走行していたが、チェッカー目前のシケインで入山翔(ALBIREX RACING TEAM)と接触し、マシンが1回転した。第5戦の優勝は植田に譲った今田だが幸い大事には至らず、翌6戦にも出場して勝利を収めた。

 

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