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小山美姫、SFライツ出走がWシリーズ戴冠への糧となるか「今成長することがこれからの選択肢に繋がる」

2021年のWシリーズ参戦に先駆けてスーパーフォーミュラ・ライツ開幕戦に出走する小山美姫は「自分の成長に向けて、今までに味わったことのない経験をしたかった」と語った。

小山美姫 Miki Koyama(B-MAX ENGINEERING)、佐藤蓮 Ren Sato(TODA RACING)

小山美姫 Miki Koyama(B-MAX ENGINEERING)、佐藤蓮 Ren Sato(TODA RACING)

Masahide Kamio

 4月3日(土)〜4日(日)にかけて、富士スピードウェイで第1戦〜第3戦が行なわれる2021年のスーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)。そのエントリーリストには、今季Wシリーズを戦う小山美姫の名前があった。

 小山は3月下旬に同じく富士で行なわれたSFライツの合同テストにB-MAX ENGINEERINGから参加。そのまま同チームから開幕戦にも出場する運びとなった。ただし小山は5月初旬に渡欧予定のため、今季SFライツへフル参戦することはない模様だ。

 富士テスト初日に小山に話を聞くと、彼女は初体験となるダラーラ320のモノコックの特異さに苦戦していた様子だった。曰く、ダラーラ320はコックピット部分からバルクヘッド(モノコック前端)にかけて上に盛り上がり、そこからノーズにかけて下に垂れ下がるような形状となっているため、身長約160cmの小山の場合、シート作りの成否次第では見え方に難があるのだという。

 そんな小山も、これまでに乗ったフォーミュラカーの中でも特にパフォーマンスレベルの高いダラーラ320での走行は大いに刺激となったようだ。

「今までに乗ったクルマと比較するとかなりダウンフォースがあります。重量感や動かし方、姿勢作りなどはどのクルマに乗っても差はないと思いますが、ダウンフォースが効いている分、風の影響をよく受けるので、新鮮ですし、奥が深そうだなと思いました」

「今乗っているカテゴリーよりも上のクラスのマシンに乗りたいという思いがある中で、(B-MAX ENGINEERINGに)ちょうどタイミング良く声をかけてもらえました」

「もちろん、(Wシリーズの車両は)ここまでダウンフォースはないので、切り替えないといけないんですけど、上から下に行くと楽という感覚もありますし、自分の成長に向けて今までに味わったことのない経験をしたいと思っていました」

小山美姫 Miki Koyama(B-MAX ENGINEERING)

小山美姫 Miki Koyama(B-MAX ENGINEERING)

Photo by: Masahide Kamio

 昨年はコロナ禍の影響で、Wシリーズのシーズン自体がキャンセルとなってしまった。2019年にはランキング7位となり、2020年のチャンピオン獲得を目指していた小山にとって、突然参戦カテゴリーを失ったことが大きな痛手となり、同年はほとんどレースに出ることができなかった。

 一時は精神的にも落ち込んだという小山だが、今は気持ちを切り替えており、成長を続けることで自らの将来の選択肢を広げたいと力強く語った。

「22歳、23歳って一番肝心な時期ですよね。フォーミュラでいうとラストチャンスで、ここから一気に上がって行きたいところです。F1を目指している若手ドライバーにとって大事なシーズンで、丸1年乗れなかったことは大きくて、『あっ、1年乗れないんだ……』と思った時期もありました。でもそれは皆同じですし、考えてもしょうがないので、その時できることをやろうと思いました」

「今自分が成長することがこれからの選択肢を増やすことに繋がると思います。今ここで頑張れなければ選択肢は狭くなっちゃいますが、実力が上がっていけばその選択肢は戻せると思います。昨年何にも乗れなかった分、今年は乗れる機会が一昨年よりも断然増えたので、乗れるレースで結果残して、自分のスキルを上げられたらなと思います」

 

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