貪欲さと冷静さで掴んだ逆転2連覇、宮田莉朋「厳しいシーズンだった」

FIA-F4最終戦もてぎは、王者らしい走りを見せた宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が2年連続のシリーズチャンピオンを獲得した。

 2017年のFIA-F4選手権。最終ラウンドのツインリンクもてぎで抜群の速さをみせた宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が逆転で2年連続のシリーズチャンピオンを獲得。王者らしい“貪欲さ”と“冷静さ”が光った最終ラウンドとなった。

 笹原右京(HFDP/SRSコチラレーシング)を13ポイント差で追いかける形で最終ラウンドにやってきた宮田は、土曜日朝に行われた公式予選でライバルたちを圧倒。第13戦は1分57秒585でポールポジションを射止めると、セカンドベストタイムでグリッドが決定する第14戦でも1分57秒634とし、2戦連続ポールポジション。一方の笹原は両レースとも4番グリッドからのスタートとなった。

 土曜午後に行われた第13戦決勝では、抜群のスタートを決めトップを死守した宮田が徐々に後続を引き離していき、最終的には2番手以下に6秒もの差をつけ優勝。笹原が5位でフィニッシュしたため、この時点でポイントランキングの逆転に成功した。

「今日に関しては、まだ手応えがつかめていないというか、もっと速く走れるんじゃないかと思うところがあって、レースとしては完璧なんですけど、もうコンマ1秒とかコンマ2秒と詰めていきたいなという気持ちがありました。シリーズポイントも逆転できましたが、変にチャンピオンにこだわらずに勝ちにこだわっていきたいなと思います」と宮田。

 予選から完璧なレース運びをみせていたが、いつも以上に集中し、貪欲に攻め続けていた印象だった。それについてはこのように語った。

「手応えがつかめていないというのがプラスになっているのだと思います。昨年は調子が良かったんですけど、自分の気持ちが高ぶりすぎてぶつかってしまったりとかがあったので、ここもてぎは慎重にいってタイムを稼がなきゃいけないというのを勉強したので今回は『もっと詰めていける』という気持ちでレースに臨もうと思っていました。今日はそれがうまくいって良かったです」

 こうして“もっと詰めていける”と自分を良い意味で奮い立たせたことで、一気に流れを自らの元に引き寄せ第14戦決勝に臨んでいく。

 日曜日の早朝8時15分から始まった第14戦決勝。前日では見事なダッシュをみせた宮田だが、今回はホイールスピンをしてしまい、3番手に後退。それでも最大のライバルである笹原の先行だけは許さず、レースを進めていく。実はこのスタートの失敗は事前に予想ができていたという。

「スタートでは、緊張はしていなかったですけど、気温・路面温度を見ていて『難しいな』と思っていましたし、最終コーナーでタイヤを温めている時も(グリップが)きていないなというのが分かったので、多分失敗するだろうなと思っていました」

「だから、逆に笹原選手に抜かれないことを集中していたので、結果的にそれが良かったと思います。彼もいいスタートを決めると思っていたので、しっかり押さえられるように意識していました」

 第14戦は上位陣が接触寸前の接近戦を繰り広げる展開となったが、その中で宮田はしっかり3番手をキープ。笹原の前でチェッカーを受け、見事2年連続のFIA-F4日本選手権の王座に輝いた。

 思い起こすと、今シーズンは開幕戦でいきなり笹原に敗れ、その後も今季4台体制で臨んでいたSRSコチラレーシング勢が有利な展開が続いた。しかし、その中でも粘り強く戦い続け、最後には自らの力で流れを引き寄せてのチャンピオン獲得。宮田にとっては、昨年とは一味違う経験ができたという。

「すごく厳しいシーズンでした。何より僕は1台体制で相手は4台体制。常にトップを狙っても、4台が後ろにいたりしていたので、そういった意味で昨年よりも厳しいレースでした。でも、そういう彼らのおかげで僕も強くなれたし、最終戦もこうして逆転できる気持ちだったり走らせ方というのができました。そこは本当に良かったです」

「F3は接戦があまりできていなかったですけど、そういった意味ではレースの組み立て方とかというは学べました。やっぱり僕は今年1台体制でチームメイト争いがないという中で、向こうは4台体制で連携してくるかもしれないし、そういうところでのレースの臨み方というのも、F3では味わえない経験が今年できたと思います」

 そして、今週末は彼にとっては初挑戦となるF3マカオGP。もてぎで作った良い流れで日本人最上位を狙いたいと力強く語った。

「僕にとっては初めてのマカオ挑戦です。このチャンピオン獲得で流れがきていると思うので、最後は勝てなかったですけど、チャンピオンを獲得できたというのは大きな収穫だと思います。次はマカオでしっかり日本人最上位を目指していきたいですね。僕と同じ歳で速いドライバーもたくさんいますし、彼らからしっかり吸収して、そこから表彰台・優勝と狙っていけるようにしたいです」

取材・執筆/吉田知弘

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この記事について
シリーズ FIA-F4選手権
イベント名 第13戦&第14戦もてぎ
サーキット ツインリンクもてぎ
記事タイプ 速報ニュース