ブラジルのカートイベントで”乱闘騒ぎ”発生。同僚の暴挙にマッサ悲しむ

元F1ドライバーのフェリペ・マッサも参加したブラジルのカートイベントで、コース内で乱闘騒ぎが発生。マッサのチームに失格処分が下った。

Tuka Rocha and Rodrigo Dantas fight

Tuka Rocha and Rodrigo Dantas fight

YouTube screen grab

 12月16日(土)、ブラジルで行われた500マイルを走破するカートレースのイベント(500 MILES GRANJA VIANA)でクラッシュを喫したドライバー同士がコース上で殴り合う事件が発生した。

 このイベントにはF1を引退したばかりのフェリペ・マッサも参加。今回の事件は彼がトップを走行中、すぐ背後で発生した。

 2番手を走行していたトゥカ・ローシャと、マッサと同じチームから参戦していたロドリゴ・ダンタスが今回の事件の当事者だ。ローシャはマッサを捉えるべく追い上げていたが、マッサとローシャの間にダンタスが挟まる格好となった。

 前に出たいローシャと、それをブロックするダンタスは何度か接触。最終的にイン側からダンタスのカートに突っ込むような形となってしまい、両者はタイヤバリアに接触、カートを止めることになってしまった。

 これに激怒したダンタスはカートから降りると、コース上にいるにもかかわらず、すぐさまローシャに殴りかかった。両者は取っ組み合いの末、ダンタスがローシャに馬乗りになりヘルメットの上から何度も殴打。ビデオ映像では、最終的にダンタスがローシャの首を絞めているようにも見えた。

 警備員が止めに入るまでこの状況が続き、結果として両チームから参戦しているすべてのカートが失格処分になるという裁定が下った。

 レースを通じて両チームは12時間近くに渡りバトルを展開していたが、それが事件の引き金になってしまったようだ。

 乱闘騒ぎが起こる前の時点で、マッサはすでに両チームの争いについて「僕が見たことを踏まえると、まとめて失格処分が下されるべきだと考えていた」と語った。

「だけどそうはならず、トラック上で乱闘が起きてしまった。僕はそれがとても悲しいし、僕のチームがそれに関わっていたのがもっとつらい。僕はトップを走るカートに乗っていたので、今回の事件に直接関与したわけではないけれど、起こったことについてみんなに謝罪したい。あんなことは僕のキャリアでも見たことがない。コース内での競争はあったけど、決して今回のようなことはなかった」

 ブラジルのモータースポーツ統治機関であるCBAは今回のイベントには関わっていないものの、会長のワルドナー・ベルナルドは今回の騒ぎに苦言を呈している。

「500マイルのカートイベントで起きた事件は、モータースポーツに情熱を抱く者に不快感を与え、スポーツのイメージを大きく損なうものだ」

「いかなる状況であっても、あのような態度は許されない。我々はイベントの主催者に、関係者に対する厳格な措置を講じるよう要求する」

「今回のイベントはCBAの下部組織ではなく、独立した団体によって運営されたものだが、適切な措置が講じられ、全関係者から理解が得られるようCBAが全面的に支援を行う」

「最終的に適用されるペナルティとは関係なく、このようなことが二度と起こらないことを願っている」

 なお両チームが失格となったことにより、ルーベンス・バリチェロと彼の息子であるドゥドゥ・バリチェロが参加したチームが優勝を飾っている。

 バリチェロは「息子と500マイルレースを勝つことができるなんて素晴らしいし、信じられない。僕は息子を愛しているし、素晴らしい仕事をしたチームにおめでとうと言いたい」と語り、息子のドゥドゥも「奇妙な結末だったけど、父と表彰台に上がれたことは本当に嬉しい」と述べた。

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