【ル・マン24】トヨタ村田氏「勝てるクルマを作ったのに勝てなかった」

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トヨタのレーシングハイブリッド・プロジェクトリーダーの村田久武は、「去年も悔しかったが、今年も悔しかった」とル・マンを振り返った。

 ル・マン24時間レース初勝利を目指したTOYOTA GAZOO Racing。レースが夜を迎えるまでは順調な走行を見せていたものの、その夜になると次々とトラブルに見舞われ、3台中2台がリタイア。8号車TS050HYBRIDだけはトラブルから復帰して完走を果たしたものの、LMP2クラスのマシンにも先行され総合9位に終わった。

 レース後、トヨタのレーシングハイブリッド・プロジェクトリーダーである村田久武は「去年も悔しかったけど、今年も悔しかった」と語った。

「去年の悔しさは、うまいこと行けば勝てるかもしれなかった悔しさで、今年の悔しさは勝てるクルマを作ったのに勝てなかった悔しさですかね」

「自分たちが事前に想定していた不具合は、全く出なかった。完全に抑え込めていたと思います」

 しかし、3台のマシンにトラブルがあったのは事実。一体何があったのか? 村田は次のように説明した。

「9号車はもったいなかった。突っ込まなくてもいいところを突っ込んで、後ろから追突されたんですから。タラレバですが、あれが生き残っていれば、僕らは優勝できていたんですから」

「8号車のトラブルはフロントのモーター/ジェネレータでした。熱は問題なかったんですが、中のある部品にダイアログ(エラーメッセージ)が立ったので、交換しました。それで交換に時間がかかったので、バッテリーも交換したんです。バッテリーは問題ありませんでしたが、FIAから供給されている電圧センサーが動いていなかったんで、それは僕らの責任じゃないんですが、念のため交換しておきました」

 結局このモーター/ジェネレータの交換に、約2時間を擁した。この理由について村田は、「壊れないように作ってきたからだ」と語る。

「モーターは壊れないように作ってきました。だから、ああしないと(分解しないと外せないように組み込まないと)重くなってしまうんです。下から入れられるようにしておけばいいと思うけもしれませんけど、蓋を開けてしまうと剛性が落ちてしまう」

 7号車を襲ったのはクラッチのトラブルだが、これも壊れることを想定していないパーツだったという。

「我々のハイブリッドって、クラッチは使わないんですよ。スタートの時くらいしか使わないですから、壊れたことはないんです。ただ、クラッチが滑っていたのは事実。まだクルマを確認できていないのですが、理由は色々と考えられます。今まで経験したことがないようなトラブルです」

「クラッチが滑っていたので、エンジンを使うことはできませんでした。なのでEVでピットに戻ることを目指しましたが、さすがに電池切れで、1周することはできませんでした」

 想定できなかったトラブルに見舞われたTS050 HYBRIDの7号車と8号車。その理由について村田は、LMP2クラスのマシンの進歩を挙げた。

「不安要素と言えば、LMP2が速すぎたことかもしれません。今年のLMP2はドライバーの力量を超えていて、コースアウトがものすごく多かった。その結果、イエローゾーンとかセーフティカーがものすごく多かったじゃないですか? 負荷をいっぱいかけたテストはたくさんやるんですが、ゆっくり走るテストはあまりしないんです。そういうのが、何かを起こしている可能性もあります。もちろん、これからちゃんと調べますが、クラッチもフロントのモーター/ジェネレータも、壊れるわけのないところが壊れていますからね」

 とはいえ、トヨタだけではなく、ポルシェの2台もトラブルに見舞われ、うち1台(1号車)もリタイアしている。

「ポルシェもウチも、本気でやっています。だから、ギリギリまでやらないと勝てない。あとは気温が暑かったこと、そしてLMP2が速くなったこと……トラブルが起きた原因は、この3つだと思います」

 昨年、トップ快走中の残り3分というところでトラブルに見舞われ、本当に寸前のところでル・マン初優勝を逃したトヨタ。この経験がチームを強くしたことを村田は実感したものの、「ル・マンの神様は厳しい」と口にした。

「去年までの僕らだったら、予選の赤旗とかに対応できず、ナヨナヨとなっていたかもしれない。そういう点はうまくやれましたが、ル・マンの神様はもっと厳しい。今年の神様はいつにも増して厳しかった。だってポルシェも平等に全部壊したんだから……全部壊すってすごいですよね」

 そう語る村田だが、勝利を逃したことを”運”や”神様”のせいにするつもりなどないようだ。

「”慢心”があったかもしれない。これだけ(トラブルが)出たんだから、徹底的に全部反省しなければいけません。ピットの中も、ダレてたかもしれないです」

「トラブルの原因を全部潰すというのは、結局のところ無理なんですよ。全部やったと言うこと自体が慢心なんです。僕らにできることは、時間がある限り、思いつく限り、ひたすら(トラブルの原因となりそうなものを)潰していくことだけだと思います」

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この記事について
シリーズ Le Mans , WEC
イベント名 ル・マン24時間レース
サブイベント Sunday race
サーキット ル・マン
チーム Toyota Gazoo Racing
記事タイプ 速報ニュース