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分析

アロンソは”三冠”達成のため、F1を引退してインディ500を優先する?

今年のル・マン24時間レースを初挑戦で制したフェルナンド・アロンソ。その去就に注目が集まっている。

Overall podium: winner Fernando Alonso, Toyota Gazoo Racing

Nikolaz Godet

James Allen on F1

James Allen is one of the most experienced and insightful broadcasters and journalists working in Formula 1 today.

 TOYOTA GAZOO Racingの一員としてル・マン24時間レースを制したフェルナンド・アロンソ。この勝利によりアロンソは、自身が”目標”と公言している世界三大レース(F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間)完全制覇のうち、ふたつを達成したことになった。残すはインディ500のみだ。

 この”世界三大レース”制覇を成し遂げたのは、歴史上ただひとり。グラハム・ヒルだけである。ヒルはF1モナコGPを5勝、1966年にインディ500を制した。そしてその後、1972年にル・マンを制し、見事”3冠”を達成することとなった。

 では、アロンソは今、何をするのだろうか? 彼は自分の目標を達成するために、全力を注ぐことになるのだろうか? そしてそれは、彼のF1キャリアを終える時間がやってきたことを意味するのだろうか?

 アロンソは今季のWEC開幕戦で、2013年以来となる勝利を手にした。そしてル・マン24時間でも、セバスチャン・ブエミや中嶋一貴と組み、念願の勝利を初挑戦で達成した。

Winners #8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso
優勝した8号車トヨタのトリオ

 

 先日行われたカナダGPで、F1通算300戦目という節目を迎えたアロンソ。しかしその一方で、100戦未勝利という記録も近づきつつある。

 しかし、アロンソが近々F1で勝利を挙げる可能性は、ほとんど無いと断言してしまっていいだろう。現在のマクラーレンは、フェラーリやメルセデスのワークスチームはもちろん、他のルノー製パワーユニットユーザーからも遅れを取っているからだ。そんな状況下で、彼は来年のインディ500を制するために、F1を今季限りで引退するのだろうか? あるいは、2017年と同じように、F1に参戦しながらインディ500に挑戦するのだろうか?

 2019年のF1開催スケジュールはまだ確定していないが、モナコで現在のFIA選手権レースのプロモーターが、開催時期について会合を行った。インディカーはこの会合に参加していないが、インディ500とカレンダーが重複することは、F1側としても当然避けたいところだろう。

 WEC(世界耐久選手権)は、アロンソの参戦を実現させるため、今年10月の富士ラウンドの日程を変更。F1との日程重複を避けた。アロンソはF1と並行して、ル・マン24時間を含むWECスーパーシーズンにもフル参戦しているのだ。

Nigel Mansell
ナイジェル・マンセル

 

 F1を離れた後、インディカーでチャンピオンになったドライバーとしては、ナイジェル・マンセルの名が挙げられる。マンセルは1992年にウイリアムズ・ルノーで圧倒的な強さを披露し、自身初(そして唯一)のチャンピオンを獲得した。しかしウイリアムズは、翌年アラン・プロストを獲得することを決めたため、これに納得がいかないマンセルは同年限りでF1を退き、翌年からインディカー(CART)に活躍の場を求めた。そして長短のオーバルコースを含む合計5勝を挙げ、CART挑戦1年目にもかかわらずチャンピオンに輝いた。

 アロンソがもしF1を続けるのなら、インディカーのスケジュールに合わせるのは難しいだろう。しかしながら彼がWECに転向するなら、開催レース数はグッと少なくなるため、両方のシリーズに参戦することも可能だと言える。

Fernando Alonso, Andretti Autosport Honda
昨年のインディ500に挑戦したフェルナンド・アロンソ

 アロンソがインディ500制覇に全てをかけているだろうことは、想像に難しくない。そして彼が加入するチームが、インディへの復帰が取りざたされているマクラーレンなのか……。それともアンドレッティ・オートスポートなのだろうか?

 昨年、アロンソがインディ500を走った時は、ホンダエンジンを搭載したマシンをドライブした。しかし、アロンソが所属するマクラーレンは、昨年限りでホンダとの関係を解消。その直後に、同じ日本のメーカーであるトヨタのWECチームに加入し、ル・マンをいきなり制するというのは、まさに皮肉といえよう。また、何年もの苦難を乗り越え、ついに勝利を手にしたトヨタにとっても、アロンソを獲得したというのはかなり重要なことだったはずだ。

歴史的な”1勝”

 繰り返すが、アロンソは8号車トヨタの一員として、僚友である7号車を下して、ル・マン24時間を制した。初のル・マンにもかかわらず、アロンソは十二分の活躍を披露。特に夜間でのドライブは印象的であった。

 アロンソは7号車から約2分遅れた状態で、バトンを引き継いだ。しかし彼が走行を担当した4スティントで、7号車の真後ろまで追い上げて見せたのだ。

 8号車は先頭に立った後、ブエミの力強い走りと、7号車のヒューマンエラーにより、その優位性を拡大。24時間を走りきった。

 今季のル・マン24時間のLMP1クラスに参戦したメーカーワークスチームは、トヨタのみであった。昨年限りでポルシェが、そして一昨年限りでアウディが、それぞれ撤退することになったからだ。しかし歴史は、この事実を気にすることはないだろう。

 そして、これは2015年のニコ・ヒュルケンベルグ以来となる、F1ドライバーの”ル・マン、デビューウイン”でもあったのだ。

Winners #8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso

 ル・マンを9回制した伝説的なレーシングドライバー、トム・クリステンセンは、今回の勝利に際して次のように語っている。

「アロンソはル・マンにやってきた。そして制した。レース中見てきたように、少しもミスを犯すことはなかった」

 そうクリステンセンは語った。

「私は思うに、彼には世界チャンピオンになるチャンスがあると思う。それは、彼が来年のル・マンまで走り続けるということを意味する。彼はそれをやるだろう」

「彼がF1を辞めるだろうと言っているわけじゃない。しかし彼は、インディ500に間違いなく戻るだろう。そしておそらく、彼は(WECを)フルシーズンやるだろう」

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