トヨタ、ル・マン制覇に向け「1度たりともミスをする余裕はない」

トヨタのチームディレクターであるロブ・ルーペンは、ル・マン制覇に向けて、ライバルとなるプライベーターたちへの警戒を強めている。

 トヨタの世界耐久選手権(WEC)LMP1チームディレクターを務めるロブ・ルーペンは、ル・マン24時間レースの制覇というトヨタの悲願を達成するためには、ひとつのミスも許されないと考えているようだ。

 アウディの後を追うようにポルシェがLMP1クラスから撤退し、トヨタはLMP1クラス唯一のマニュファクチャラーとなった。

 ル・マンでは何度も涙を呑んでいるトヨタ。過去2年、ル・マンを制する”速さ”は持っていたものの、トラブルや他車との接触に見舞われていた。それを踏まえチームは今年、信頼性の改善とトラブル対応力の向上に取り組んでおり、現在のWECプログラムが発足して以来、7度目となる今回の挑戦で悲劇の歴史に終止符を打とうとしている。

「我々はパフォーマンスよりも信頼性に焦点を当ててきている。そのため、昨年よりも環境が整っていると思う」と、ルーペンはmotorsport.comに語った。

「我々の問題は、常に予想外の事態に見舞われてきたということだ。今年は、それを防ぐために集中的に取り組んできた」

「品質管理は我々にとって大きなテーマだった。メカニックによる徹底的で集中的な取り組みにより、すべてが適切に管理されていることを確認した」

 小林可夢偉やマイク・コンウェイとトヨタの7号車TS050 HYBRIDをシェアするホセ・マリア・ロペスは、次のように付け加えた。

「レースが僕たちにとって大変なものであっても、僕たちはそれを楽しむことができる」

「テストや開発、準備などやれることは全てやったし、僕たちは強いままで(ル・マンに)戻ってこれた。今はレースを楽しむことが大事だ。その時になってから、ル・マンが僕たちの優勝を許してくれることを願おう」

 LMP1クラス唯一のマニュファクチャラーであるトヨタのTS050は、ハイブリッドシステムを搭載。優れた加速と燃費で、開幕戦スパではプライベーターたちを圧倒した。しかし、バイコレスやレベリオン、ジネッタ、ダラーラが作ったBR1といったライバルたちへの警戒は緩めていないようだ。

「アウディやポルシェがいない今は、プレッシャーも少し違ったものになっている。しかし、我々は慎重になる必要があると思う」とルーペンは説明した。

「優勝に向かって、クルーズをするような状況にはない」

「我々には、ひとつのミスも犯す余裕などない。昨年、我々はトップを走っていたが、それでもうまくはいかなかった」

「当然、我々は(昨年より)準備を整えていく必要がある。我々はそれを7年間続けてきたんだ。すべてを結実させなければならない」

 FIAとWECのプロモーターであるACO(フランス西部自動車クラブ)は、全長13.6kmにも及ぶサルト・サーキットで、トヨタとプライベーターのラップタイム差を0.5秒以内に収めようと、EoT(技術均衡値)を設定しようとしている。

 公式テストでは、フェルナンド・アロンソが最速タイムを記録したトヨタの8号車と、プライベーター最速だったマティアス・ベッシェのレベリオン3号車のタイム差は0.6秒だった。

 しかしアロンソのタイムは、昨年の予選で小林が記録したレコードである3分14秒791から4秒以上遅いタイムであり、トヨタが全力で走っていなかったのは明白だ。一方、プライベーターたちはまだ新しいマシンからパフォーマンスを引き出す段階にあり、適切にEoTを設定するのはかなりの難題だ。

 ル・マンのレースを前に、新しいEoTが出される可能性はある。しかしコンウェイは、これまでのところFIAやACOはだいたいにおいて適切だったと考えている。

「レベリオンは非常に強力だ。僕たちが予想していた位置にいる」とコンウェイは語った。

「ル・マンでは、スパよりも彼らが近づいてくるのは明らかだ。そういうルールなんだ」

「ル・マンはスパと比べて1周の距離が2倍になるのに、ハイブリッドエネルギーは2MJしか増えていない(スパでは8MJ)。一方で、レベリオンは燃料消費のことをほぼ気にすることなく、全開で加速できるんだ」

「だから彼らはとても近づいてくるけど、それはみんなにとって良いことだ。競争が生まれるというのは素晴らしい」

 テクニカルディレクターのパスカル・バセロンは、マニュファクチャラー間での争いがないからといって、ル・マン制覇の名誉には変わりないと主張し、本当の敵はル・マン自体だと語った。

「我々は過去4年のうち、2014年と2016年、2017年の3回、理論的にはル・マンに勝てたはずだ」

「パフォーマンスの面では、すでにル・マンでライバルたちを倒すことができていた。我々は、ル・マン24時間に負けたのだ。だから我々の挑戦は変わっていない。トヨタ vs ル・マンなんだ」

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この記事について
シリーズ Le Mans
チーム Toyota Gazoo Racing
記事タイプ 速報ニュース